暗川  


写真日記
by lumokurago
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
検索
リンク
ご感想をお寄せ下さいmailto:lumokurago@yahoo.co.jp

嫌がらせコメントは削除させていただきます。

必ずしもリンクするHPの意見、すべてに同調するわけではありません。ご自分で情報を選んでください。

原子力資料情報室

小出裕章非公式まとめ

沖縄タイムス

暗川メインページ
私の下手な絵などを載せています。

杉並裁判の会
私たちの裁判の会です

ポケットに教育基本法の会

「つくる会」教科書裁判支援ネットワーク

もぐのにじいろえにっき
もぐちゃんのページ

プロテア
リリコおばさんの杉並区政ウォッチング

鬼蜘蛛おばさんの疑問箱
松田まゆみさんのページ

熊野古道の路沿い
鈴さんのページ

風に吹かれてちゅちゃわんじゃ
小笠原父島で農業をやっているサエちゃんのブログ

三宅勝久さんのブログ
杉並区在住のジャーナリスト

カテゴリ
以前の記事
ライフログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

イラク戦争とは何か―21世紀の世界を考える

昨日、板垣雄三さん(東京大学名誉教授・イスラム研究の第1人者)の講演を聞いてきました。簡単に報告したいと思っていますが、その前に2006年3月に行われた板垣雄三さんの講演会の簡単な報告をどうぞ。(以前5回に分けてUPしたものをまとめました)。

“イラク戦争”開始から3年

現状 

・イラクの人々にとっては地獄の真っ只中
・アメリカにとってもにっちもさっちもいかない。
 (ブッシュ「我々は勝ち続けている」)
・付き合っている国も形式的なおつきあい
・日本はアメリカに魅入られてしまった。

自衛隊 

土地の人たちは全体として“ヒマーワ”(お世話をしてあげる)を感じている。占領軍とは違うとお客として保護してきた。一方では米英の一翼との見方もぬぐえない。どうやって引くかがむずかしい。打ち切って「はい、さよなら」で帰るのか?

開戦時の無理

国際法・国連無視、独・仏の異議、ロシア・中国の冷淡、世界を覆う反戦運動

理由付け

大量破壊兵器がないとなり、さまざまな他の理由を開発してきた(予防戦争、体制変革、専制からの解放、民主化・・・)。3年経ってどうなのかが問われている。
 
結果

イラク解体進行、宗派対立・体制動揺拡大、イスラーム運動躍進、イラン発言権強化、米国内外で戦争批判拡大、反米気運

この戦争の中身は3年間に歴史の中でも未曾有の様相を呈してきた。イスラム運動躍進の最大の功労者はブッシュである。イラク戦争で国力が伸びたのは、アメリカにとって“悪の枢軸”であるイランである。

日本は世界の中で危機的な状況にあり、日本社会そのものも危機。世界全体としても危機にある。



世界にとって<現在>とは?

イラク戦争は、9.11を機に始まった<反テロ戦争>の第一段階である。今、第一段階が終りつつあり、<反テロ戦争>の曲がり角に来ている。イラク戦争は世界中で反戦運動が起き、国連で反対もあったにもかかわらず、始まってしまった。イラク戦争の失敗は歴然だが、惨憺たる現実を残し、手をつけることができない。

<反テロ戦争>は相手が定かでなく、不特定多数に向かう人類史になかった特異な戦争だ。ブッシュは「終わりなき戦い」と言っている。うまくいかなければいかないほど、広まっていき、転移、増殖するがん細胞のようだ。これまでの戦争のやめ方で終るものではない。どうやって打ち切ることができるのか?

イラク戦争は区切りがつかないまま、或いはつかないから、他に転移する。イラクはイラクでずるずると続くだろう。日本はアメリカにとって重大。ヨーロッパも変化しており、もっとテロ戦争に熱心になるだろう。ドイツも表向きは反対したが、裏で協力していた。首相がシュレーダーからメルケルになり、そのことがわかってもかまわないほど変わった。

根源にあるのはパレスチナ問題。<反テロ戦争>とは、イスラエルを守る戦争である。

フランスでも、郊外の若者たちの反乱があり、ノルウェイなどもイスラム移民に早く出て行ってもらいたいと思っている。21世紀を通じて<反テロ>が形をかえて続いていくだろう。

<反テロ戦争>第二段階への以降のかたち

1.パレスチナ選挙におけるハマースの勝利

イスラエル占領下のパレスチナ自治は「架空」自治にすぎず、イスラエルがフッと吹けば吹き飛ぶ。中東和平が挫折していたから、ハマースが出てきた。中東和平はイスラエルによってダメになっていたのに、それをパレスチナ人のせいにしている。

中東に向かって「民主化」とお説教してきた欧米・日本が選挙に干渉した。米はすごい金を選挙に使った。民主主義を破壊することをやってきたが何の反省もない。

ハマースに対して、イスラエルを認めろ、武装解除、今までやってきたことを受けつぐ、という3点を飲まなければ制裁だと圧力をかけているが、これをしない公約をかかげてハマースは勝ったのだ。

パレスチナでは、牢屋にいる人も議員に選ばれている。ヨルダン西岸とガザの議員の行き来もない。議場が分断されている。そういう議会だ。

2.預言者ムハンマド風刺漫画問題の波紋

3ヶ月も前に、デンマークの新聞に載せたものを、ハマース勝利の後に急に世界中で怒り出した。どこかで誰かが火をつけたに違いない。

イスラム諸国の政治の現実はひどい。人権抑圧、民主主義抑圧されている。フセインはアメリカが育てて強化した。

ムハンマドが侮辱されたということで、ふだん勇気を持って批判できない人も、「この問題なら許してもらえるだろう」という面もある。欧米のイスラムへの挑発、侮辱もある。

日本社会は「やっぱりイスラムっていうのはどうしようもない人たちだ」と冷めて見ているが、実は日本社会はこの漫画問題にどっぷりと入っている。中韓の心ある人は小泉の靖国参拝に通じるものと見ている。小泉は人がいやがることを「自分は自由だ」と言って靖国参拝をやめない。ヨーロッパも「批判は自由だ」としている。風刺漫画の問題は靖国の問題に通じているが、こういう視点は出てこない。

中東諸国体制の動揺

中東諸国は20世紀初頭に、英仏中心に国分けされ、人工的に作り出されたものである。それには日英同盟を結んでいた日本も加わったので、責任がある。この人口装置の大変動は避けられない。

ヨーロッパでは宗派が違えば敵同士、それを中東に押し付けてきた。イラクも、以前は宗派にかかわりなく仲良く暮らしていた。そこにアメリカが宗派対立を引き起こした。アメリカ民主主義の欺瞞は隠しようがない。アメリカ、イスラエルは共に先住民を抹殺した植民地国家である。新しい民主主義を作り出していく必要性。

Q:ハマースはシーア派?スンニ派?

A:ハマースはイスラム抵抗運動。国際的締め付けのもとで、こういう結果(ハマース勝利)が出たのはすごいことだ。パレスチナ人はほとんどがスンニ派。パレスチナ人のキリスト教徒にも「こういう動きでいいのだ」という人もいる。全体として、宗派でこうなっているのではなく、みんながもう「ファタハではだめだ」と考えた結果である。政治のコンテクストで理解する必要がある。

パレスチナ問題の時期区分

これまでずっと支配する側が区分を作ってきた。2006年、ハマースが下からの転換点を作り出した。

「中東和平」は1967年時点(第三次中東戦争)を基点としており、その前は問わない。つまり、「イスラエルという国を認めて、和平をしなさい」ということだ。しかし、そもそもイスラエルという国はどうしてあるのか?と考えてくると、1948年問題(イスラエル建国)が再浮上してくる。

もともと、イスラエルはヨーロッパ人のやましさ(ユダヤ人いじめ)から、ユダヤ人を棄民する場所として必要だった。ヨーロッパはパレスチナ人を犠牲にし、人のふんどしで償った。イスラエルを作った張本人は米ソ。冷戦の中で十字軍以来の世界の二分法(「われわれ対イスラム」)の思想に基づいて作った。

中東は多様な世界である。イスラエルという中東の異分子が21世紀のどこかで中東化することはあるのだろうか?

参考 「日本の文明戦略とイスラーム世界」  板垣雄三

*****

これまでのところも、むずかしいお話をかなりはしょってまとめてしまったのですが(私が理解できる範囲で)、このあたりで時間がなくなり、後は板垣先生のレジュメの話し残したところに対する質問とお答えとなりました。中東問題、イスラームの素人にはむずかしい用語が出てきますので、省略させていただきます。

*****

最後に・・・

これからもっときびしい「反テロ戦争」第二段階が来るだろう。日本社会の中に、1948年(イスラエル建国)からの中東問題に向き合える力をつけていかなければならない。

日本は国ができた最初から植民地主義だった。蝦夷(えみし・えぞ)を相手に戦い、だまし討ちした。「武士道」とはきたなさの裏返しだ。(注:奈良時代から朝廷は東北地方に大軍を送り、蝦夷の人たちを支配し、江戸時代には松前藩がシャクシャインをだまし討ちし、アイヌを支配した)。

日本人は北海道・沖縄が昔から日本だったような気でいる。このことを考えずにイスラエルを批判できるか。このことを問題にしないと、反テロ戦争はやまない。反テロ戦争を克服していくためには、日本の歴史の根本から考え直す必要がある。

「イラク戦争とは何か」という演題からすると、今日の話には少し飛躍があったかもしれないが、遺言だと思ってお話した。

感想:私の不勉強のため、理解できる部分が少なく、貴重なお話だったのにとてももったいないと思いました。日本からすると地理的にのみならず感覚的にも非常に遠く、また、むずかしく思われる中東問題ですが(ほんとにむずかしいです)、自衛隊まで派遣してしまいましたので、私たちには責任があると思います。知ろうとする努力だけは続けていきたいと思います。

(世界中に知らないことが多すぎます)
[PR]

by lumokurago | 2008-10-26 21:09 | 平和
<< いのち 罰あたりな私だけど正直なところ... >>