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がんと闘わない生き方(番外編)NHK「だんだん」に異議あり!

がんと闘わない生き方(番外編)NHK「だんだん」に異議あり!

《がん治療で信じられていることは本当か?》

 日本では「早期発見・早期治療」が、がん治療の鍵とされ、政府、医学界、マスコミ挙げて、がん検診を推進しています。がん検診に異論を唱える医師としては、『患者よ がんと闘うな』(文藝春秋1996)の著書で知られる慶應義塾大学医学部放射線科講師・近藤誠医師が多くの著作を著していますが、最近、新潟大学大学院予防医療学分野の岡田正彦教授も『がん検診の大罪』(新潮選書2008)を出版し、がん検診に異論を唱えています。岡田教授は、統計学の初歩からデータの読み方などを解き明かし、世界の医学論文をもとに検診の意義を否定しています。JANJANにも岡田正彦教授の講演会の報告、『がんは生活習慣病、予防が大切 早期発見、早期治療で、死亡は減るのか』(荒木祥記者)が掲載されました。

 また、がん治療では、どんながんであっても最後まで生きる望みを捨てずに苦しい副作用に耐え、抗がん剤治療を受けることが当然、という風潮があります。抗がん剤によって治癒、または延命できる、と医学界、製薬会社、マスコミが宣伝しているからです。しかし、近藤誠医師、岡田正彦教授はある種のがん(急性白血病、悪性リンパ腫の一部、精巣がん、子宮絨毛がん、小児がん)以外は、抗がん剤は効かないと主張しています。その根拠は、抗がん剤治療に効果があったとする医学論文にデータのまやかしがあるからだ、と指摘しています。ここで説明することは困難なので、ぜひ近藤医師の本を読んでいただきたいと思います。(『データで見る抗がん剤のやめ方始め方』三省堂など)。『がん治療の常識・非常識』(田中秀一著・講談社)も分かりやすく書かれています。

《朝ドラ「だんだん」の抗がん剤治療の問題点》

 この3月末まで放映していたNHKの朝ドラ「だんだん」で、双子の主人公(めぐみ・のぞみ)の祖母(初枝)が膵頭がんにかかり、主に息子(忠)の意志で「告知」せず、治療の中身を本人に知らせぬまま、抗がん剤治療を行っていました(後に「告知」)。以下は「だんだん」でのがん治療について、筆者がNHKに送ったFAXです。


 NHK様

 「だんだん」主人公の祖母(初枝)のがんについてです。

 ①膵頭がんに抗がん剤は効きません。(慶應病院の近藤誠医師の著書参照) 副作用に苦しむだけの抗がん剤を「がんと闘う」として国民に誤った意識を植え付けてしまいます。
 ②がんを患者のためとして「告知」しないことは、患者の人権侵害です。息子の考えは「心中」がいまだに起こる日本の前近代的な意識と共通しています。個人を大切にすれば、「告知」するかしないかに迷う余地もありません。

 ①は科学的根拠を無視し、がんに対しての「俗説」を強化する愚行であり、②はいまだに個人主義が育たない日本の風土を追認するもので、厳重に抗議し、訂正を求めます。


 これに対して、NHK大阪放送局連続テレビ小説「だんだん」チーフ・プロデューサー青木信也氏から3月13日付で以下のような返事がきました。


 いつも「だんだん」をご覧いただき誠にありがとうございます。
 ご指摘の、初枝の癌治療について、こちらの意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず、「膵頭癌に抗ガン剤は効かない」というご指摘ですが、確かに膵頭癌には抗ガン剤が効きにくいということは承知しております。しかし、癌治療については学会内でもさまざまな考え方があり、抗ガン剤で膵頭癌を治そうと取り組んでいる人たちもいます。実際に抗ガン剤を用いて治ったケースもあります。また、ドラマの中でも言っているように、抗ガン剤の進化は日進月歩であり、近い将来には膵頭癌も抗ガン剤で治せるようになるという見方もあります。そうしたことを元に、医事指導の複数の先生方と相談しながら、今回の抗ガン剤治療に決めました。

 次に、「告知しないことは人権侵害だ」というご指摘ですが、私どものドラマでは、この後初枝に告知し、真実を知った患者本人と、家族や周囲の人たちと、医師たちが一丸となって治療に取り組み、病気に打ち勝っていくという展開を描いていきます。

 どうぞご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。(ここまで回答)

《効果が証明されてない抗がん剤使用は「実験」だ》

 その後、ドラマでは患者(初枝)の治療に関して、さまざまな立場の医師らが集まって横断的な会議を開き、ある人に効果があったからと、標準治療ではない実験段階に等しい抗がん剤治療を試してみることが決まり、患者の孫(めぐみ)と個人的関係のある研修医(石橋)が、患者に「生きることから逃げる気ですか」と詰め寄って、強引に勧めていました。研修医は患者が親しい女性(めぐみ)の祖母でもあるので、少しでも可能性があるなら試してほしいという熱心な気持ちなのです。

 ここには重大な問題があります。ひとつは科学的に効果が証明されていない抗がん剤を「治療」として使うことです。現在、日本では抗がん剤治療で腫瘍が縮小すれば効いたものとして使っていますが、腫瘍はいずれまた大きくなってきます。延命したように見える数ヵ月間も、副作用に苦しんだだけなのかもしれません。注意深くコントロールした無作為比較試験をしてみなければ、真実は分からないのです。つまり、「ある人に効果があった」といっても、その治療が本当に延命につながったかどうかは分からず、その患者に腫瘍縮小効果があったとしても、別の患者では縮小するかどうかさえ分からないのです。ある抗がん剤がある患者に効果があった(ように見えた)からという理由で別の患者に使うのは、「治療」ではなく「実験」なのです。

 もう一つの問題点は、患者と個人的関係のある研修医が担当していることです。個人的関係があると、どうしても感情が入ってしまい、客観的な判断ができなくなります。

 この日の放送では、孫(めぐみ)と親しい研修医の説得に対し、1回目の抗がん剤治療で副作用に苦しんだ患者本人は「もういいです」と言い、息子も「もういい」と言っているところで終わりました。その後、息子が患者の孫(のぞみ)の結婚式の場で、感情が高まり、母親(初枝)に「もっと長生きしてほしい」と言い、初枝もとうとう抗がん剤治療を再度受けることを納得するのでした。ドラマだから仕方ないとしても、このように感情の高まりによって抗がん剤治療を決意するのは大変危険なことです。医療は科学ですから、感情的になっては冷静な判断ができなくなってしまうのですから。

 この日、筆者はもう一度NHKに以下の質問をしました。

 お返事、ありがとうございました。再度質問させていただきます。

 ①ご回答の中にあった「実際に抗がん剤を用いて治ったケース」についてです。がんが「治った」とされるのは一般のがんで5年間生存したらということになっていますが、そのケースの方は治療後少なくとも5年間生存したということですか? 

 ②ドラマの中で初枝に試してみるということで出された抗がん剤(名前失念)は標準治療ではないと受け取りましたが、日本で膵頭がんの治療として認可されているものですか? 記憶が怪しいので確認させて下さい。もし、標準治療でないとすると、治療とは言えず実験にすぎないと思うのですが、実験と受けとってよろしいですか? その抗がん剤の名前を教えてください。実験でないとするならば、その抗がん剤の効果について無作為臨床試験が行われ、延命効果があると証明されているはずです。その論文と出典を教えてください。

 ③患者の孫(めぐみ)と個人的な関係のある石橋が患者(初枝)の担当医(研修医)となっています。個人的関係は医師、患者双方にとって、感情が入り込みやすく、客観的な判断ができにくいと思いますが、その点はどうお考えですか?

 ④「告知」に関して。「告知」するかどうか未だに深刻に悩むという設定そのものが時代遅れであり、やはり国民に「告知」はむずかしいものだというイメージを押し付けると思います。これは意見ですから回答は結構です。

NHKからの回答 2

 お便りありがとうございます。ご質問に回答させていただきます。

 ①について
 医事指導の先生からは、「5年以上生存している」と聞いております。

 ②について
 実際に膵頭癌の治療法として認められている治療方法を参考にしていますが、徐々に抗がん剤治療は進歩しており、その可能性を含めた「未来につながる治療法」という観点も交えながら、今回のドラマにおける治療法を設定しました。

 ③について
 一般的にはご指摘の通りですが、ドラマの演出上、医師と患者双方の感情に関する点も描きたいので、今回のような設定にしました。

 番組側としましては、恐れ入りますが、これ以上は詳しくお答えできません。癌治療についてさらに詳しくお知りになりたいのでしたら、お近くの病院等で専門家にお聞きいただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。(ここまで回答の引用)

《がん治療に未来はあるのか》

 その後、ドラマでは患者(初枝)は抗がん剤治療によって延命(治癒?)し、治療から数年後(?)のドラマ終了時にも生き続けているという設定になっていました。このことについて近藤医師に聞いたところ、手術のできない膵臓がんは抗がん剤を使っても半年から1年で亡くなるので、数年間も生きているというのは嘘だとのことでした。このドラマの医事指導を行った医師らが、がん治療は日進月歩であると信じ、抗がん剤の治療の可能性を模索していくという立場に立って実験的な治療を行ったとしても、NHKとしては現在は治らないという真実を覆い隠し、「がんには抗がん剤治療」という説を推進したことになり、国民に対する責任は重いと思います。

 『がん治療の常識・非常識』で著者の田中秀一氏(読売新聞医療ルネサンス担当)は、第1章「がんは本当に治るようになったのか?」で、がん患者の5年生存率は大幅に上昇したが、それは精密な検査によって治療の必要のないがんまで発見し、治療しているために見かけ上の治療成績がよくなったにすぎず、がんになった人のうち死亡する人が減ったかどうかを調べると、減ってはいないと指摘しています。肺がんの場合、40年前に治らなかったがんは、現在でも治るようになっていないし、現在治すことのできるがんは40年前でも治っていたということだそうです。

 アメリカは、がんの研究や治療で世界の先頭を走っていると言われていますが、そのアメリカで「なぜわれわれは、がんとの戦争に敗北しているのか」という長文の記事が、フォーチュン誌2004年3月号に掲載されたそうです。その記事によると、連邦、州政府、製薬企業などの研究開発費を合計すると、1971年以降に2000億ドル近く(約20兆円)をつぎ込んだが、この30年間にアメリカでのがんによる年間死亡者は73%も増加しました。がんは高齢者に多いことから高齢化の影響を除いた年齢調整死亡率で見ても、がん死亡は1950年代以降ほとんど変わっていないそうです。この間、心臓病による年齢調整死亡率は59%、脳卒中では69%も減少しているのに、です。

《抗がん剤治療を受ける前に》

 田中秀一氏はさらに、第2章「抗がん剤治療は有効か?」で、多くの固形がんは抗がん剤では治らないのが現状であり、医師が「効果があります」と言うのは「治る」という意味ではなく、腫瘍縮小効果があるにすぎないことを指摘。次のように書いています。

 「それを理解したうえ、たとえ短期間(平均数か月程度)でも延命したり、症状を抑えたりすることを期待するなら、治療を受ける方法もある。ただし、多くの抗がん剤の有効率(治療を受けた患者の中でがんが縮小する患者数の割合)は2~4割程度なので、実際に恩恵を受ける患者は2~4割か、それより少ない。なぜなら、抗がん剤でがんが縮小した場合でも、延命できるとは限らないからだ。そして、薬が効かない多くの場合は、副作用に苦しむだけになり、かえって寿命を縮める恐れもある。効果が表れなければ、速やかに治療をやめることが賢明だ。こうした実情を踏まえて、治療を受けるかどうか、判断することが大切といえる」。

 このように、がん治療に関しては一般に信じられている「早期発見・早期治療」(がん検診は有効である)のみならず、抗がん剤治療の効果についても、誤りがあります。抗がん剤の毒性(「副作用」という言葉を使っているのは日本だけ)によって死亡している患者も多いことは、隠されています。日本人の3人に1人が、がんで死亡する時代です。がんに対する正しい知識を身につけて、「いざというとき」に自分で治療を選択できるよう勉強しておくことをお勧めします。最後に抗がん剤は製薬会社のドル箱であることも一言、付け加えておきます。

参考文献 『がん検診の大罪』(岡田正彦著・新潮選書2008)
     『がん治療の常識・非常識』(田中秀一著・講談社2008)
     『データで見る抗がん剤のやめ方始め方』(近藤誠著・三省堂2004)

 
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by lumokurago | 2009-04-10 19:52 | がんと闘わない生き方
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