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おせっかいな「健康増進法」

 いつのまにか健康増進法という法律ができていました。(平成14年8月2日)第1条と第2条をお読みください。

(目的)
第一条 この法律は、我が国における急速な高齢化の進展及び疾病構造の変化に伴い、国民の健康の増進の重要性が著しく増大していることにかんがみ、国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ることを目的とする。

(国民の責務)
第二条 国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。


 この後の条文で、国及び地方公共団体、健康増進事業実施者は、国民の健康の増進の総合的な推進を図るため、努めなければならないと規定しています。

 おおきなお世話じゃ!!!

 この健康増進法について石川憲彦さんが『心の病いはこうしてつくられる』で厳しく批判しています。以下は要約です。

 *****

 健康増進法は寿命の延長をうたい文句にしているが、日本人の平均寿命は世界で最も長い。健康面において、日本ほど恵まれている国は他にない。 

 インフルエンザ予防薬としてタミフルを備蓄するという問題が出てきているが(注:これは新型インフルエンザのことではありません)、これまで生産されたタミフルの7割~8割は日本が使用していた。世界の人口の1割が住む先進国と9割が住むその他の国に分けて考えてみると、インフルエンザで死亡する人が多いのは当然9割が住むその他の国で、その原因は栄養問題である。平均寿命が40歳くらいの時代までの死亡の主因は感染症だった。

 抗生物質によって感染症による死亡が減ったとされているが、実際は栄養状態がよくなった国々で感染症の死亡が激減しているというのが事実。今でもインフルエンザの死亡率は、経済的に豊かな国と貧しい国とでは100倍近くの格差がある。貧困とは全く無縁な日本において、タミフルの80%が消費されてきた。早めに熱を下げ、わずか2日間楽をするためにタミフルを飲んでいる。

 19世紀初頭に、まだ人間の栄養状態が悪くて感染症に犯されて多くの人々が40歳くらいまでしか生きられなかった時代に、命を救うために予防接種をしよう、さらに抗生物質によって感染症にかかっても死なないようにしようと努力していた西洋医学は瑞々しい哲学を持っていた。

 しかしそうした感染症による生命の危険がほとんどなくなった時代の日本で「健康増進法」が出てきた。世界中で一番寿命の長い人間を、しかも他の国々が欲している最も主要な薬剤を買い占めて、独占利益をもたらす形で日本人の寿命をさらに延ばそうと欲張っているのである。そこに今の日本国家の悪しき利己主義が世界でどのような位置に置かれているかを見ることができる。

 そうした利己主義が医学や医療の世界にも反映していて、アメリカを中軸とするグローバリゼーションに組み込まれ、アメリカ製薬資本に完全に絡み取られている。日本がなぜ米英と組んでイラクへの派兵を率先して行ったのかということを医療産業が象徴的に示している。貧しい国では平均寿命が26歳くらいの国があるが、その平均寿命を40歳にするにはほとんどコストがかからない。平和、防災、貧困の解決だけが必要なのである。

 栄養状態とは単純に食べ物の問題だけではなく、エネルギー問題とも関係している。冷暖房が完備すれば死亡率が違う。貧しい国では、今、オイルの値段があがり、灯油が買えなくて煮炊きできずに餓死が出ている。

 日本で現在の冷暖房完備の条件を満たすには、明治時代の人たちの200倍くらいのエネルギーを使っている。明治時代の人たちの平均寿命が40歳くらい。つまり日本人一人が使うエネルギーは貧困国の人たちの200人分のエネルギーに相当し、それを使うことで40歳以後の人生を生き延びている計算である。

 「健康増進法」の疾患対策の主なものは二つで、一つは生活習慣病、もう一つは精神科領域の自殺防止。日本の三大死因はがんと心臓病と脳血管障害だが、この3つの病気は40歳までの発生率はゼロに近い。40歳までは問題にならない病気が主体だということは、少しオーバーな表現になるかもしれないが、自然界で生きていた人間にとっては過剰な寿命の副産物ということである。先進国の人間に特有なこの過剰な寿命に対して、過剰なエネルギーや過剰な栄養を投下するところに現代の欲求の基本がある。「健康増進法」には生物としての人間にふさわしい生き方とはまったく裏腹な、自制のない蕩尽を助長する貪欲な悪あがきみたいなものを感じる。

 さらに指摘しておきたい点は、過剰な寿命を延ばすために自然環境を無視して無理なエネルギーを消費しても、もはや実効性に乏しいということである。予防のためということで生活習慣病の健診をゼロ歳児にまで下げてきているが、子ども時代の異常が大人になっても異常になるというデータなどない。

 そうした健診制度によってどれだけ寿命が延びたかは大いに疑問で、40歳から80歳に延びた寿命のうち、医学が何歳分引き延ばしたかというと、学者によって多少違うが、せいぜい1、2歳だろうと言われている。平均寿命が延びたのは、栄養とエネルギーと経済発展が原因なのである。この問題を無視して、健診制度を低年齢から導入することは、健康で長生きしていい生き方をするためには、まさにゆりかごから墓場まで徹底して身体を管理するという思想の普遍化、一般化である。

 太古から身体管理は人間管理の基本である。ハード面では日本の政府はただちに強力な身体管理によって国民を管理するという状況に今あるわけではないが、ソフト面では、広報やマスコミを動員して、ものすごい健康脅迫の宣伝を強めている。健康に生きようとしない人間はよくない人間だという新しい規範が植えつけられる。自然な人間の生老病死を人工的に一時でも長い寿命に延ばすというエサで管理しようとするすさまじい法律である。

*****

 これを読んだら、近藤先生が「がんは老化」といつもおっしゃっている意味がよくわかったし、ますますそれほど長生きしたいとは思わなくなりました。日本人は寿命まで第三世界から搾取していたんですね。というか、これだけ経済的に搾取すれば、当然結果的にそうなるということですが、そこまで考えていませんでした。これを読んで初めて自覚しました。
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by lumokurago | 2009-06-25 21:41 | 医療
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