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裁判官の証言 誤判は避けられない!

 「響かせあおう 死刑廃止の声2009 裁判官の証言 誤判は避けられない!」の催しに行ってきました。4時間を超える長丁場、非常に密度の濃い内容でした。多くの報道陣が来ていたので、どこかで詳しく報道してくれることを願っています。私はちょっと余裕がないので、記事を書くつもりはなく、メモも取りませんでした(ちょっと後悔しています。録音すればよかった)。一番印象に残ったことだけ書いておきます。

 ★ 足利事件・菅谷利和さんと佐藤博史弁護士のお話がありました。菅谷さんの取り調べ時の録音テープが佐藤弁護士に渡されましたが、それによって新たに検察側の嘘が明らかになったとのこと。佐藤弁護士がここで初めて公にしました(じきに報道されると思います)。検察側はテープを公開しないようにと言っているとのことですが、佐藤さんは報道陣に今日ここで明らかにしたことを報道し、テープの公開を求めるよう言っていました。足利事件にはマスコミにも大きな責任があるので、反省してその責任を全うするようにとのことでした。

 佐藤弁護士は、菅谷さんが無実であることは検察側は初めからわかっていたと言っていました。

 菅谷さんのDNA鑑定のやり直しと前後して、飯塚事件で久間三千年さんが死刑を執行されてしまいましたが、これが欧米なら、当然死刑執行には待ったがかかった、日本の国家が無実の久間さんを殺したと言っていました。(再審請求が準備されています)。

 ★ 光市母子殺害事件について、長年少年事件に携わってきた元裁判官井垣康弘弁護士は被告の少年には取り調べ段階ですぐに日弁連から子どもの権利を守る弁護士数名を派遣すべきだった、家裁調査官など少年事件に詳しい者を担当につけ、チームを組むべきだった、死刑が予想される場合、そういう取り組みが必要だと言っていました。典型的な少年事件で、家裁から少年院に行かせるべきだったと言っていました。

 井垣弁護士はまた、小学校3年生レベルから成長していない少年が1割はいて、社会から疎外されており、その中に犯罪を犯す者が少なくないこと、こういうことはあまり知られていないが、彼らに保護、教育の手を差し伸べるべきだと言っていました。

 私は昔、養護施設で学習指導ボランティアをしていたので、井垣さんの話が非常によくわかり、身につまされます。彼らは親と一緒に暮らせない(かった)ために、心が落ち着かず、勉強どころでなく小学校3年生レベルなのであり、知的に遅れているわけではありません。生活力もないため、彼らは中学や高校を卒業或いは中退して施設を出されると職を転々とし、帰る家もなく、すぐに生活に困ることになるのです。その中から犯罪を犯す少年が出てしまうのです。彼らに必要なのは刑罰ではなく、保護、教育であることは言うまでもありません。それなのに少年法は改悪されてしまいました。日本は子どもにとって悪い方へ悪い方へと向かう一方です。

 ★ この30年間、凶悪犯罪は減少しているのに、死刑判決は4~5倍に増えているそうです(特に少年による凶悪犯罪は減少している)。国民の中で死刑を存続した方がいいという意見は80%を超えており、死刑執行があると内閣支持率が上がるそうです(なんと恐ろしい国なのでしょうか)。なぜ死刑判決が増えているのかという議論がなされましたが、井垣弁護士は裁判官が世論に敏感になり、最高裁(その後ろの国家権力)の意向を忖度しているのではないか、ポピュリズムの一種ではないかと言っていました。

 私は国民が死刑存続を望むのは、一人一人が真の意味で自分のいのちを大事にすることができていないので、人のいのちの大切さもわからないのだということがひとつあると思います。また、一人一人が真の意味で「幸せ」に生きていないので、心に余裕がなく、人を蹴落としたり、人に対して残酷なことを望むということがあると思います。

 国民一人一人が自分はなぜ本当の意味で「幸せ」でないのかをよくよく考えてみる必要があると思います。と言っても、「よけいなおせっかい」「自分だけが正しいと思っている」と蹴飛ばされると思いますがね。

 ★ 元裁判官だった司法関係者に取ったアンケート結果では、死刑制度の賛否は賛成53名、反対48名、無回答4名、その他1名でした。この催しに招かれた元裁判官は死刑制度に賛成する元裁判官が約半分しかいないことに驚いたと言っていましたが、私は逆に約半分もが賛成していることに驚きました。

 「刑事裁判で誤判は避けられるか」という質問には、避けられない87名、避けられる12名、無回答7名でした。元裁判官は「避けられる」が12名もいるということに驚いたと言っていました。彼は裁判官も人間なので、間違いは絶対にある、誤判は避けられないとしていました。

 最後の方に、元裁判官から日本の裁判を変えるには裁判官全員を取り換えるしかないという意見が出て、招かれていた生田弁護士は「それでもだめ。制度自体を変えなければ」と言っていました。安田好弘弁護士や佐藤博史弁護士らを5年ごとに裁判官にするなど、時々裁判官と弁護士を取り換えるようになればいいという意見も出ました。でもそれは裁判官を統制できなくなるので最高裁がいやがるだろうとのことでした。

 生田さんは国民がもっと裁判に関心を持つことが必要だと言っていました。日本の行政裁判は年間2000件余り、ドイツでは50万件以上、ドイツの人口は日本の三分の2なので、ドイツ並みになるには日本で年間75万件の行政裁判が起こされるようにならなければならないとのことでした。

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 もっともっとたくさんたくさんの大切な話がありました。うーん、録音しておけばよかった。本にしてくれるように主催者に頼んでみましょう。

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 明日から4、5日間、西の方に行ってきますので更新はできませんが、ご心配なく。

by lumokurago | 2009-10-10 22:06 | その他裁判関係
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