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痛み止めを使い始める

 先週に引き続き、近藤誠医師のところに診察に行きました。(骨転移の治療法を検索する人のために)

Dr:どうしたの?

私:やっぱり治療してもらいたくなってきました。ちょっとその前に質問が・・・。

Q:骨転移に放射線をかけると骨は固まるんですか? 痛みを取るだけなんですか?

A:痛みが取れて、うまくいった人はそこにまた新しい骨がでてくる。痛みが取れるというのは多少ともがんが小さくなるということで、完全に近くなくなってしまえば新しい骨がでてくる。

Q:そうしたらなるべくやった方がいいということですか? 

A:今度は別のことを考えなきゃいけない。乳がんだとつきつめていうと、すべての骨に転移があるということだから、できるだけやろうといって全部にやると、人間は死んじゃう。骨髄で赤血球、白血球が作れなくなるから。たとえば原爆で死ぬ一番の原因は骨髄がやられるから。4グレイから6グレイ一度に全身にかかると人間の半分は亡くなる。東海村の一種のミニ爆発があって亡くなった人は10数グレイかな。

 治療的にはなんで1か所に50グレイとか60グレイできるかというとそれは場所を限っているから。だいたい身体の半分であれば、放射線をかけても大丈夫。例えば骨だけであれば1回2グレイなら、だいたい身体の半分近くに計50グレイかけてもそれで死ぬことはない。そこに別の臓器があれば話は変わってくる。

Q:肋骨にもかけられるって先週おっしゃいましたけど、やっぱりここ(左胸)が痛くて・・・。

A:今痛いところは? 

(説明する)。

Q:ビスホスホネート(骨転移の症状を抑えたり遅らせるとされている薬)はどうなんですか?

A:あんまり信用してないんだ。あんまりというか全然信用してない。結局、奇妙なグラフをみなさん信用してるんだけど、それは医者か製薬会社が作為的に作ったんだと思う。パミドロネート(ビスホスホネートの一種)についてくじ引き試験がある。使った人と使わない人とで、全然痛くない時に使い始めて、痛みが出たとか骨が折れたとか何かイベントが出た時を比較している。最初は二つの線が全く重なるんだけど、半年で、これがこう開く(図を描きながら)。ここで屈折点ができるんだね。くっと曲がるんだよ。そういうことってあり得ない。それと半年経って差が出るということはあり得ない。効く薬であれば最初から効く。ということで全然信用してない。この薬を基礎にしていろいろ調べているけど、出発点が信用できないから、あとはもう全然信用できない。

 それから結局、これを信用しても、ちょっと遅れる位なのね。必ず痛みは出てくる。もう一つは長く使う人では、長くっていうのはどのぐらいか・・・顎の骨が折れちゃったりする。そういう障害もあるし。

 前にもちょっと触れたかもしれないけど、高カルシウム血症(乳がんの骨転移では骨が溶けるので、血液中にカルシウムが溶け出して高カルシウム血症になる)で吐き気が出た人には1日、2日よくなったりするからとりあえずやってみたりするけど、骨の転移があるからという理由ではぼく自身が勧めてやったことは一度もない。ただし患者さんがどこかに行ってやったというのはいくらでもあったけどね。

Q:今、フェマーラ(ホルモン剤の一種)を飲んでいますけど、それが(骨転移には)効かないということはホルモン受容体がないということですか? 他のホルモン剤に替えたら効くということはないんですか?

A:それはあり得る。普通は替えてみるんだな。

 いくつか方法があるんだけどね、まず照射に関していうと、今痛い場所を全部放射線でやるというと、これは不可能ではないけど実際には非常に困難。ここは結構忙しいから一人の患者さんで2か所位まで。効くか効かないかやってみないとわからない。前回は効いたけどね。ま、ある程度効くだろうとは思うけど。ただ効いてくるのに時間がかかるから、それだけあちこち痛いということであれば、痛み止めをまず考える。痛み止めで痛みを止めながら放射線をかけるというのはあり。全部をかけるのではなく一番問題があるところにかける。それからホルモン剤を替えてみる、それはイエスなんだけど、痛み止めを始めながらホルモン剤を替えて、痛みがよくなるとどっちが効いたかわからない。だから一度に何かすることは一つ。

Q:この骨(右上腕骨)とか、今に折れるということがありますよね?

A:それはあり得る。折れて一番困るのは足の骨、手の骨だよね。足はこの前見たよね。

Q:うん。この前は写ってなかった。

A:じゃあ、今回は腕を見てみよう。他に質問は?

Q:転移がどんどん増えるっていうのはなんでなんですか? 最初から全部に転移してるんですか?

A:うん。

Q:転移したところからまた転移するということはあるんですか?

A:それはあり得るけど、それが問題になってくるのは数十年後だよ。

Q:ああ。それはそうです。わかりました。(JANJAN記事「がんの自然史から見る早期発見早期治療の無理」で説明したように、1個のがん細胞が1センチになるまでには相当の年月がかかる)。

そして腕のレントゲン写真を撮って来て。

A:(右腕は転移かもしれないということで)ここと腰は放射線をやった方がいいだろう。肋骨は痛みがあってもそのうち折れて、別の肋骨が痛み出すことが多いのね。

Q:そしたらどんどん折れちゃうじゃないですか。

A:しょうがないんだよ、それが。どっかで妥協しないとね。なんでもそうだけどね。転移の治療を徹底的にやろうとすると人間が死んじゃうから。

 今日はとりあえずはペインクリニックに行って、薬でコントロールすることをお勧めする。その他に何か検査を予約しておいてもいいかな。前(8.14)に骨シンチをやって、今痛いところは全部出ていなかったでしょ。肋骨は出ていないし、上腕骨もなんともないからね。そういう点から行くとPETでもやるかなあ(予約しました)。

Q:ホルモン剤を替えるよりも薬をやった方がいいんですか?

A:ホルモン剤を替えてこれに効く可能性はたぶん1割とか2割なのね。別のホルモン剤・・・一番強いやつはとっとこうと思うから。ホルモン剤をやるよりもとりあえず痛みを取る薬をやって、それで落ち着いた状態でホルモン剤を試してもいいし、放射線をかけられるところはかけてもいい。

*****

 というわけで慶応病院内の麻酔科(ペインクリニック)に行きました。こちらは標準治療で、近藤先生は最初からモルヒネがよいと言っていると抵抗したのですが、聞き入れられず、ロキソニンと副作用止めの胃薬ムコスタ、レスキュー(ロキソニンだけで止まらない時)のアセトアミノフェンを処方されました。

*****

 近藤先生が「どうする?」とか「自分で決めて」と言わないということは非常に珍しい。つまりがんの治療では医者にもわからないことが多いから、可能性のある選択肢を示して患者に決めさせているわけだけど、「勧める」ということはもうそれしかないということです。というか、私が先週に引き続き行ったから、これはもう相当痛いのだろうと思っての判断だと思います。

 実は私はまだ痛み止めを飲むことには抵抗があって(エンドレスで薬の飲み続けになると思うので)、肋骨への放射線治療を期待していたのですが、考えなおして、足の痛みが取れればもう少しでかけられると思うので、飲むことにしました。昼食後、夕食後と2回飲んでみて、肋骨と頭はまだ痛いけど、ぎっくり腰様の痛みは取れているみたいです。

 それにしても近藤先生は徹底的に潔癖だ。ビスホスホネートも普通はやるのだし、近藤先生にしてもちょっとでも可能性があると思えば試すと思うので、一人も勧めたことがないとは、(効果がないというご自分のデータの読み方に)本当に自信があるのでしょう。また、効果がないと判断した治療をひとつでも行ってしまうと、先生がこれまで提唱してきた理論のすべてを自分から崩すことになってしまいます。だから潔癖にならざるを得ないのでしょうね。

 今日の話を聞いていて、治療法がないというのは厳しいので普通は他に行くだろうな、近藤先生の元に残る患者は少ないだろうなと思いました。

 ここでもごくごく少数派に属する私なのでした。このことを誇りに思っています。
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by lumokurago | 2009-10-23 21:42 | 転移がんの治療(無治療)
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