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「K・A会通信」より その2

みなさまにうけたので、Dr.Kの文章は後回しにして、つづきです。

イデアフォー(乳がん体験者を中心とする医療を考え行動する団体)総会でのDr.K    渡辺容子

休憩時間。

W:父のことで質問していいですか?
Dr.K:いいよ。

W:(メモしてきた質問を見せる。血色素の値が7で黒い便が1回出たので、医者は胃か腸で出血しているから検査すると言っているが、私は疑問であるという内容)。

Dr.K:手術しないんなら検査しなくていいよ。
W:はい。黒い便が出たのは1回だけなんですけど、胃や腸で出血してても、いつも便の色が黒いってわけじゃないんですか?
Dr.K:出血の量によるな。

W:薬は飲む必要がありますか?
Dr.K:痛がってないんでしょ? 必要ないよ。

 (なんて簡潔なお答えなんでしょう! Dr.Kほど医療不信が強い人間はいないんじゃないかな。やっぱよっぽどのことなんだね、Dr.Kが身を挺して発言しているのは(後註:繰り返しますが「医療不信」ではなくデータがないのです)。休憩後の質問の時間にも、「がんとは関係ないけど、消炎解熱鎮痛剤[ボルタレン、ロキソニンなど]が子どものかぜや水疱瘡に使われ、年間200人~300人も死亡しているから、子どもには消炎解熱鎮痛剤を飲ませないように。身体は熱を出してウイルスと戦っているのだから熱があった方が早く治る」とおっしゃっていました)。

 「質問コーナー」のDr.Kの答えの中から彼らしいなと、隣りの席のMさんと顔を見合わせた話を一つ。

 最後に質問した人は要領を得なかったのですが、がん患者が再発転移を防ぐために自分の生活をどう変えていったらいいのか、みたいなことらしく、何かそういうことを書いた本はないか、と質問していたら、Dr.Kが途中で我慢できなくなって発言を始め、「そういうことは医者にはわからない。自分で考えるしかない。そんなことを書いてある本はない」と言ったのでした。わー、その通りじゃ。

さて、懇談会では……

 ここはDr.Kのホストクラブですよ―。みんな「Dr.Kと一言話そう」と列を作って待って、は別にいない。そんなのは私だけ(?)。Dr.Kはみんなの気持ちがよくわかり、時々場所を替えてみんなにサービスしている。たまたま私の隣の席が空いて、Dr.Kが来てくれた。向こうはなんとも思ってないから普通に座ってるけど、狭い席だからくっついちゃってこっちはどきどき! 離れようと思うんだけど彼は全く気にしてないからかえって近づいたりして!

Dr.K:この頃どんなことしてるの?
W:(医者に抗議の手紙書いたりしたから、いつもなんか“運動みたいなこと”やってると思われたんだ)。今は修論やってます。

Dr.K:(イデアフォーの)世話人になったんじゃないの?
W:それが、父が倒れて(世話人会に)行けなくなっちゃったんです。父のことだけど、入院したら一晩で痴呆がものすごくひどくなったから、次の日退院させちゃったんです。
Dr.K:いいじゃない。
W:念書書かされたんですよ。何かあっても責任持てないみたいな。
Dr.K:いいじゃない。

隣の人:先生は大規模な無作為くじ引き実験には意味がないと書かれていますが、なぜですか?
Dr.K:治療に効果があれば医者は2,3人で分かる。悪性リンパ腫の治療では昔は10人のうち、3,4人しか治らなかったものが7,8人も治るようになった。そんなもの、誰もくじ引き実験をしようとはしない。効果がはっきりしないから大規模なくじ引き実験をやってわずかな差を見つけようとする。乳がんの温存療法のくじ引き実験でも100人位のものが多い。ひとつ2000人規模のもあるけど。乳房温存と乳房切除で10000人単位のくじ引き実験をやったら1%位の差が出るかもしれない。どっちがどっちかわからないけど。高脂血症の薬の場合も、何万人単位のくじ引き実験をやってわずかな差をみつけ、効果があると言っている。そんなわずかな差では恩恵を受ける人は非常にわずかである。効果がないから大規模なくじ引き実験をやってわずかな差を見つけている。

W:(隣の人は話題が途切れたようなので)友だちが墨東病院で放射線受けて、私たちはこっちとこっちから(胸の前の方と腋の下の方から)一日に2方向からだったけど、彼女は1日目こっちから、2日目こっちからって一日おきにやってたんですって。それってどういうことですか?
Dr.K:それは手抜きだ。

W:え―っ!大丈夫なのかなあ。ところで先生、「自分で決める子育て」という本はどうなりました?(Wが手紙でこういう本を書いてほしいと頼んだ。Drには「あなたが決める乳がん治療」という本があり、イデアフォーでは「自分で決める乳がん治療」という本を出した)。
Dr.K:ぼくは子育てに関しては資格がないから書けないよ。土曜日も日曜日も勉強、仕事だったから。
W:奥さんまかせでした? でも保育園の送り迎えのことなんか書いていらっしゃいましたよね。
Dr.K:関わった時間だけはかわいがったけど。
W:時間(の長短)じゃないですよ。先生は患者を成長させてるんです。それは子育てに通じます。
Dr.K:みんなのことは突き放して見てるからなあ。だから成長するんだ。自分の子どもとなるとそうはいかない。
W:そうだね(といきなりため口になってしまった)。

 ここで私は一度世話人になろうとした者としてマイクを持って話すように頼まれて、出て行った。話し終わってまたちゃっかりとDr.Kの隣に座ったけど、今度はDr.Kが「ぼくにも話させて」と出て行き、もうすぐ出版される本のことを話した。その間に私の隣には別の人が座ってしまい、心の中で「ああ、そこにはDr.Kが戻ってくるはずなのに」と思ったけど……。でも先生はみんなの先生だからなあ、と我慢しました。

 それにしても医者が患者集団を「みんな」なんて言って、患者も医者を「みんなの先生」なんて言う関係って他にはないだろうなあ。Dr.Kと私たちって一種の共同体なんですね。イデアフォーの青木さんが言ってました、「Dr.Kは孤独だからイデアフォーに支えられてるのよ」って。イデアフォーだけでなく、患者ひとりひとりが彼を支えてるんですよ。それにしてもDr.Kって幸せだと思います。医者として患者達にこんなに思われて。私は「医者冥利に尽きるでしょ」って手紙に書いたことあるけど。

 ほんとはこの話は私ひとりの心の中にしまっておきたかったんだけど、Nさんからのご要望があったし、みんなは私の特別の仲良しなので、教えてあげました。

 さあ、また来年を楽しみにしよう。来年までは元気でいなければ。おっと、その前に12月の診察の時に聞く質問を考えねば。とにかくたくさん質問を考えておけば、それだけ長く顔を見ていられるし、声も聞けるんだからね。全くこんなふうに時間を取ろうとしてる患者ばかりでDr.Kも苦労するなあ(でもこれも「質問は好き」って言って自分で招き寄せてるんだよ、と責任を転嫁する)。さあ、勉強、勉強、そして「論壇」にも投稿するのだ(朝日新聞の「論壇」のこと―結局イデアフォーの青木さんが投稿し、掲載されました。効くというデータがある多剤併用の点滴でする抗がん剤(CMF)と効くというデータがない経口抗がん剤(UFT)の臨床試験をするというのです)。

 (後註:この頃はとにかく患者が多かったので何も質問しないと1分で診察が終わってしまっていたので、こういうことを言っている。今はそんなに混んでいないので、1分で終わるということはなく、無理に質問を考えなくても大丈夫)。
 
「K・A会通信№3」2000.10.3より
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by lumokurago | 2010-01-05 10:21 | Dr.K関連記事
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