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『逆転』 伊佐千尋著

 2月にDr.Aの佐藤医院を訪ねたとき、受付に『裁判員拒否のすすめ』(伊佐千尋・生田暉雄編 WAVE出版)があったので、驚いたことはすでに書きました。生田暉雄さんは杉並の教科書裁判を支援してくださっている弁護士ですが、Dr.Aは伊佐千尋さんのお知り合い(飲み友達)だったのです。それで伊佐千尋さんの『逆転』(1977新潮社 大宅壮一ノンフィクション賞受賞・現在は岩波現代文庫)を読みました。1964年の沖縄の陪審員制度のことを書いた分厚い文庫本なので読むのが大変かなと思っていたら、息つく暇もなく読んでしまいました。

 1964年、米軍占領中の沖縄で米兵1人が殺され、1名が負傷。4名の沖縄青年が「共謀共同正犯」(2人以上で犯罪の実行を謀議し、共謀者のある者が共同の意思に基づいてこれを実行したときは他の共謀者もまた正犯とする)で、殺人の容疑をかけられました。この裁判は当時沖縄で行われていた陪審員制度(現在行われている裁判員制度とはまったく別もので、12人の陪審員が有罪か無罪かを判定する。全員一致が求められる。1名でも反対意見があれば、裁判は別の陪審員のもとで何度でもやり直し)のもとで行われ、伊佐さんは陪審員として参加したのです。被告らの供述調書は警察官に誘導されたもので、被告らは内容をまったく確認しないまま、署名捺印させられたのです。12名の陪審員のうち沖縄人はたったの3名、それでなくとも米軍支配下で米軍の力の前に沖縄人は差別されていた状況で、当然のごとく、陪審員たちは4名とも有罪であると判断します。その中で伊佐さん一人が無罪を主張。紛糾した議論の末、「逆転」させるのです。どうやって逆転させたかはぜひ本をお読みください。

 陪審員の判定が(殺人に関して)「無罪」であるにも関わらず(傷害は有罪)、被告人らには執行猶予なしの「懲役3年」という法律家にとって常識外の非常に重い刑が言い渡されました。彼らは「見せしめ」にされたのです。

 占領下の沖縄の状況、陪審員制度について、非常にわかりやすく読みやすく書かれています。裁判記録もなく、調べるのも非常に苦労したそうですが、力のこもった大作で、解説にはすでに古典となったと書かれています。すばらしい作品です。
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by lumokurago | 2010-08-02 19:05 | 本(book)
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