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『なぜうつ病の人が増えたのか』 その2

 日本では1980年代に「脳循環代謝改善薬」と呼ばれる一連の薬が次々と認可され、「高齢者の脳機能を改善させる」という製薬会社の宣伝のもと、1990年代になるとこの一群の薬の売り上げが年間約2000億円に至ったそうです。ほんとうに高齢者の脳機能を回復させる薬が見つかれば大発見だが、欧米ではそのような薬はなく、日本のみで数十種類の薬が認可、販売されたそうです。

 薬害オンブズパースンなどがその薬の有効性について批判を投げかけたが、製薬会社や医学会のリーダーたちは動かず、皮肉なことに売り上げが伸びすぎたため、大蔵省から厚生省に薬の有効性についての疑義が出されたのでした。大蔵省から圧力をかけられた厚生省は製薬会社に有効性を証明する再試験を命じ、再試験の結果、ほとんどの薬の有効性が証明できず、ある薬では副作用で死亡した例も報告されました。その結果、脳循環代謝改善薬は次々と承認を取り消されたが、発売中止となるまでの総売り上げは総額1兆円を超えたそうです。しかし、行政も製薬会社も医学界も誰一人責任を問われることはありませんでした。

 著者はこのエピソードは「効果がない薬でも、営業活動さえしっかり行えば処方薬は売れるということを教えてくれる」と言っています。処方薬の売り上げを決めるのは医師ですが、世界有数の製薬会社ノバルティスの元CEOであるダグラス・ワトソンは引退後に次のように述べています。

 ほとんどの医師は製薬会社を通じて新薬の知識を得る。新薬を理解するため、自分の時間と労力を費やして徹底的に文献を読み、しかるのちに薬を処方する。こんな医者はほとんどいない。

 感想ーつまり医者は製薬会社のいいなりなのですね。Dr.Aも「医者は医療信仰が強いから薬は効くと信じている」と言ってたし。

 著者は脳循環代謝役が残したもう一つの教訓として次のようなことを述べています。

 現在の医療制度は有効性のない薬に対して自浄作用を持っていない。効果の低い公共事業に関する世間の目は厳しくなってきているが、重篤な副作用でもでれば別だが、一般人にとって薬の有効性のなさを実感することはむずかしい。国の歳出に占める公共事業費余地も、医療費の方が圧倒的に大きいことを考えるとそういった見直しも必要だが、実際、有効性のなさが問題となって発売中止となった薬は、脳循環代謝改善薬以外ほとんどない。

 さて、製薬会社の宣伝活動について詳しく知りたい方は本書を読んでいただくとして・・・。

 SSRIの効き目について何と書いてあるでしょうか?

 著者が一番理解してほしいのは、うつ病の経過は多様であり、病院を受診しなくても自然に治り、一生再発しないうつ病がある一方、治療を受けてもなかなか治りにくく再発の可能性の高いものもあるということだそうです。2番目に理解してほしいのは、未受診のうつ病には経過がよいうつ病が多いということだそうです(なぜ未受診で「うつ病」とわかるのかが書いてありませんが)。治療を受けない方が受けるよりも早く回復しているということです。まずこれを覚えておきましょう。
 
 2008年2月に抗うつ薬の有効性に関する論文が、英国のキルシュ教授らによって発表されました。欧米の主要メディアはトップニュースとして大きく取り上げたが、日本のメディアは報道しませんでした。キルシュ教授らは、FDA(米国食品医薬品局)に、今まで米国で行われてSSRIの臨床試験をすべて開示するように要求し、開示されたデータをすべて調査しSSRIと偽薬との比較を行ったところ、その差はわずかしかなかったそうです。キルシュ教授らは「うつ病が改善するのは患者本人の自己回復能力のおかげであり、抗うつ薬による薬理作用の部分は20%以下である。製薬会社は自分らに不都合なデータを隠ぺいすることによって(出版バイアス)、抗うつ薬の有効性を実態以上に強調してきた。その弱い抗うつ薬の効果も、重症うつ病においては比較的認めやすいが、軽症うつ病の場合、抗うつ薬とプラセボの差はほとんどない。軽いうつ病にまで抗うつ薬による治療を勧めることはおかしい」と厳しく批判しました。

 SSRIの一種であるパキシルについて、2002年10月にBBCで18歳未満のうつ病に対してパキシルは有効性がなく、しかもプラセボ群と比較して自殺未遂などが数倍多いという調査結果を報道しました。それを受けて英国、米国では再調査が行われ、英国では未成年者にパキシルなどを禁忌とし、米国では成年も含めSSRIだけでなくすべての抗うつ薬の自殺関連事象を起こす可能性について警告、日本でも06年に厚労省からすべての抗うつ薬に対して自殺衝動への注意が勧告されました。抗うつ薬と自殺の因果関係の証明はむずかしく、いまでも議論が続いているそうです。

 それから著者は副作用が少ないと言われている高価なSSRIと従来の抗うつ薬とは、じつはそれほど副作用や効果に差がないことを説いています。そして日本における精神科の薬物療法の問題点として、抗うつ薬だけでなく、抗不安薬、睡眠薬、抗精神病薬、気分安定薬と多岐にわたって、それぞれ複数処方する医師がほとんどで、抗うつ薬1種類、睡眠薬1種類のシンプルな処方をする精神科医は少数派であると指摘しています。多くの薬を飲み続けると、うつ病のせいで調子が悪いのか、薬の過剰投与で調子が悪いのか、わからなくなってくる患者も現れるということですが、医薬分業も進み、多数の薬を処方しても医師には経済的なメリットはなくなったのに、多剤併用療法はなかなか減らないそうです。

以上  
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by lumokurago | 2010-08-16 10:25 | 本(book)
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