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暗川  


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Dr.Aとのメールより その9

 (中略)の部分は公開に不向きな個人情報等のため省略しています。わかりにくい点はご容赦ください。

渡辺より  8.26

 網野先生、こんにちは。ゆうべはよくお休みになれましたか? 母はなんと8時間以上ぐっすりでした。その後も1時間くらいは朦朧としていました。同じ量を飲んでも日によって効き目が違うようです。

 話は変わりますが、たまたま最近知り合ったスキゾフレニアの患者さんの飲んでいる薬が1日に21錠と聞いて、驚いて処方箋を借りました。

 『なぜうつ病の人が増えたのか』にも書いてありましたが、精神科の薬の出し方がこんなにひどいとは!!ネットで調べたら向精神薬が数種類、副作用止めと思われるパーキンソン症状を抑える薬も数種類、なぜか心臓病の薬にアレルギーの薬(副作用止め?)、睡眠薬も数種類・・・。しかも精神療法に330点もつけていますが、聞いてみたところ、「眠れない」などと話しているだけなので精神療法ではありません。

 ご本人はこれらの薬のおかげで症状が抑えられていると思い込んでいるので、「薬が多すぎてよけい具合が悪くなっているかもしれないよ」などと言っても聞き入れません。(中略)自分で判断できない患者さんにこんなに薬を盛って儲けるなんて、ひどすぎます。たまたま知り合いの知り合いにやはりスキゾフレニアで同じ医院に行っている人がいました。評判のいい精神科だということです。精神科医にはこうやって弱者を餌食にする人がいるのですね。許せません。(中略)なんとかして薬を減らせないかを考えることにしました。一人杉並に「闘う精神科医」がいるので相談に行ってみようと思っています。(中略)

 「知的レヴェルの高い人でも死を受け入れらない」典型は私の本に引いた戸塚洋二氏やスーザン・ソンタグ氏です。完全な科学信奉、進歩主義です。私の印象に残っている「当たり前に死を受け入れた」人は自立援助ホーム(親と暮らせない悪いことをした子どもの施設)の代表だった広岡知彦さん。肝臓がんが発見されたときはすでに余命3カ月で、毎日泣きっぱなしの奥さんに「人間はみんないつか死ぬんだよ」と一言言ったそうです。この話を聞いたとき「広岡さんらしいなあ」と思いました。東大で何かを研究しながら、二足のわらじで家族で憩いの家に住み込んでいたのですが、あるときお父さん(広岡知男氏ー元朝日新聞社社長)に「頭のいい人はたくさんいるよ。ぼくはお父さんの子どもだから頭は良くない」と言って、東大を辞めたそうです。静かで子どもが何をしても叱らず、ただ見守ってていました。死を自然に受け入れる人というのは生きかたも自然体のようです。私はもう広岡さんの亡くなったときの歳を超えました。

 脳梗塞でも薬を飲むのと何もしないのとが変わらないなんて、やはり医療はいらないということ?(後略)

Dr.Aより    8.26

 朝までねむり、昼寝もしました。今日は快調です。

 心臓移植批判で有名な中島みちさんが、癌の手術の後助けられたと思って、現代医療擁護派に変身しましたね。がっかりしましたが、これが人間と言う動物の真の姿でしょう。あれほど知的な彼女であっても医学信仰の虜になってしまう。信仰はインテリジェンスの問題ではないのでしょう。

 schizophreniaの患者さんへの投薬は多すぎます。しかし、患者さんもそこを解っていて、自己判断で減らしているようですね。幻覚があってはならないと言う考え方が間違っているように思います。そうではなく、幻覚は病気なのだからしかたがないとして、幻覚との付き合い方を教えるのがよいとおもいます。

 精神医学は、薬理学が殆どになっていますからね。そこが問題です。そろそろ、変わる時期かと思いますね。私がその道のプロでしたら、何か行動をおこしていたかも。当院にお話するためにだけで通っていたschizoの患者さんが自宅で薬を酒のつまみにして、結局亡くなったのですね。頭の良い人だったので薬についても分かっていたのです。自殺の可能性もありました。当院の催し物にも必ず出席してくれて、普通に付き合えるひとだったのですが、残念でした。

 精神科医に問題があるケースも多いですし。まず、自分を治療すべきであるような精神科医も多いですね。それと、他人の精神を弄ぶいやらしい精神科医もいる。良い精神科医を探しましょう。

 私の脳梗塞は放置でも同じであったのではないかと思っています。発症から3日遅れで入院しましたし、使った薬は効くには遅すぎたのです。頭が狂っていなかったら家にいたと思います。友人が脳外科の教授で、女房がそこへというので、従いました。狂うといろいろな判断ができなくなり他人任せになってしまいます。入院で、することがなくなり、気持ちが楽になり、脳も自然に回復したのに違いありません。いくら友人だとは言え全幅の信頼を置くわけにはいきません。そいつから、医学をみなおした?といわれたが、「ばかやろう。こんな程度で見直すわけないだろ」とは口では言わず、心でいいました。手術を提案されたときは、「死んだっていいんだよ」といい断りましたがね。奴は僕の本を読んでいるね。まあ、現代医学への信仰心がなければ、医学部の教授などできませんね。今飲んでいるくすりは血管の詰まりを抑える作用を持っています。過去に動脈硬化の患者さんに使用して血管が再生した経験があり、これならいいだろうと妥協して手術の代わりに飲み始めました。どうなるか、結果でわかるでしょう。しかし、脳の病気にはなりたくないですね。oh.noです。とにかく患者にはなりたくないな。

渡辺より   8.27

 こんにちは。よく眠れてよかったですね。

 さっき、慶応病院から帰ってきました。腫瘍マーカーのCA15-3が正常範囲内に下がっていました。CEAも下がっていたので、取材の人の「がんが小さくなったということですか?」という質問に、「両方が下がっているので小さくなっているということ」というお返事でした。腫瘍マーカーにも懐疑的な近藤先生がそうおっしゃるのでたぶんそうなのでしょう。一応うれしいけど、それは近藤先生や網野先生や私のことを心から死なないでほしいと思ってくれている友人が喜んでくれるからであって、本人は「まあそんなものか」という程度なのです。この冷め方はなんなのでしょうか? ひねくれ者だなあ。自分でも不思議です。大喜びしてまたすぐに上がるのがこわくて防衛しているのかも。

 でも一応延命されているようなので、来年のお花見はできるな。うちの別荘は桜並木の真ん前にあり、2階の窓枠が額縁のようなのです。

(中略)近藤先生に網野先生が往診を再開なさったと言ったら、喜んでいました。電気自動車(普通自動車を運転できなくなってしまったDr.Aが往診に使っているもので、遠くまで行くために改造しようとしている)の改造はできそうですか? 子猫(Dr.Aの2階のベランダで野良猫が産んだ)のことも言っておきました。近藤先生は子猫のかわいさは特別と言ってました。うちに野良猫が来てえさをあげている話をしたら、ネットを見ていると(近藤先生も猫好き。犬しか飼ってないけど)野良猫がなついて家猫になる例はけっこうあるとのことでした。(なんの話をしているんじゃ。患者が少ないと楽しいです)。

 ところで、先生のスキゾの患者さんに対する考え方は北海道の浦河でべてるの家をやっている精神科医川村敏明さんと同じです。ご存じですか? HPを見たら「妄想幻覚大会」なんかやってておもしろそうです。近かったら一度行ってみたいです。亡くなられた患者さん、残念でしたね。数年前、新潟水俣病などの自主制作映画を撮っていた佐藤真さんがうつ病で、退院した日に飛び降り自殺しました。うつ病は元気を取り戻しかけたときが一番危ないと言いますし、薬の副作用も考えられます。私もうつ病のときは「自殺もその人の決意で、それ以外なかったのだから仕方ない」と思っていましたが、元気になってみるとやはりなんとか自殺せずにすめばそのほうがいいなあと思います。

 脳の病気にはなりたくないという先生の気持ちはわかりますが(がんになる予定がくるってしまったとおっしゃっていましたね)、経験を生かしてよりよい医者になれると思います。(と、押し付けています)。

 ところでがんと脳血管障害と心臓病が日本人の3大死因なのに、なぜがんばかりがこんなに恐れられるのかという話に、今日なりました。がん産業のせいかな?という結論になりました。保険会社はがんになると何千万もかかるので保険に入ろうと宣伝しているそうです。代替療法を受けることを前提にしているのでしょう。脳血管障害や心臓病には代替療法の話はあまり聞きません。なぜなのかなあ?(後略)

Dr.A より   8.27

 こんばんは。(中略)電気自動車の改造はまだまだ時間がかかります。素人の発想が通用するのかどうか、修理工場と相談の段階です。

 浦河の試みはドキュメンタリー番組で放映されていましたね。それを観た時共感しました。いろいろな批判はあるようです。特に精神科医からのが酷く、治らないのに幻想を与えているというようなことでしたかね。患者も社会も変わらなければならないと思うのですが、一歩進んで患者側から変わっていこうと言う考えですね。浦河が精神障害に理解のある地域へと変わっていると素晴らしいですね。

 癌には作られた隠喩がありますね。これは、お嫌いなスーザン・ソンタグが言っていたことかな。私も特に好きではないけれど癌と言うと不治で死を連想させるので特別扱いであることは事実ですね。昔結核、今癌ですかね。渡辺さんがもう一冊書くとしたら、「癌ほど素敵な病は無い」でしょうか。と言うよりも私の場合も含めて病はやむを得ないのです。そして、死も不可避です。患者にはなりたくないが、病むこと、死ぬことは仕方のないことであるという論調が世の中に欲しいと思います。(後略)

by lumokurago | 2010-08-30 19:28 | Dr.Aとの往復メール
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