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『がんサポート』について

 雑誌『がんサポート』についてもうひとつだけ。「がん闘病中の『知の巨人』vs『がん検診の伝道師』」として、立花隆氏と中川恵一氏(東京大学病院放射線科準教授&緩和ケア診療部長)の対談が掲載されています。

 まず、一言。立花隆さんは膀胱がんで初回治療を受けられましたが、いまのところ転移はみつかっていないので、たぶん何もしていないはず(効き目のない経口抗がん剤でも飲まされていれば別ですが)。だから「がん闘病中」という形容はまことに大げさで、人びとにがんに対する不要な恐怖を植え付けるものです。

 「がん検診の伝道師」中川医師は、日本でがん検診を受けている人は全体の2割しかなく、欧米では8割、韓国でも53%で、韓国では国民が総背番号制で把握されており、保健所に行くと、コンピュータにがん検診を受けたかどうかの一覧表がすぐでてきて、あとは受けていない人に電話するだけと言います。日本でもこれをやれと言わんばかりの口ぶり、検診を受ける受けないの自由はどうなるのでしょうか? 検診には被ばくの危険のみならず、検査の事故で死亡する可能性もあるというのに。

 中川医師は「早期発見早期治療」理論(医学的に証明されていない)を信じきっています。くじ引き試験の結果を読めば素人でもわかることなのに、「医者がなぜここまで言うの?」と、それが信じられません。

 正直な医者もいるので紹介します。近藤誠医師との対談で、検診の専門家である大阪府立成人病センター調査部長大島明氏が、(大腸がん検診に関して)検診を受ければ寿命が延びると思うのは「錯覚ですよ」と言っています(『名医の「有害な治療」「死を早める手術」』近藤誠著だいわ文庫P.102)。

 1996年10月19日の消化器集団検診学会関東甲信越地方会では、司会者がのっけから「私は胃がん検診に従事している者だから、中立という立場であることは不可能です」と発言したそうです(『がん専門医よ、真実を語れ』近藤誠著文藝春秋P.227)。この司会者は学会後の懇親会で近藤医師に「近藤さん、10年後、20年後はあなたのものだ」と話しかけてきたそうです(P.185)。

 丸山雅一氏(癌研病院内科部長)は近藤医師へ次のような手紙を書いています。

 「月の水揚げ1800万以上でないと、その存在が危うくなる弱小検診センターの責任者としては、現在、検診・健診などに批判的な言辞を弄することは控えめにしなければならないのですが、先生の論理には敬服しました。病院での立場が変わったら、私も、もう少し本音の発言をしようと思っておりますが」(1994年8月17日) (同書P.228)

 立花隆氏にもあきれます。氏はNHKのがん特集で世界を取材したほどの人なのになぜいまだに「早期発見早期治療」理論を信じているのでしょうか? 神戸酒鬼薔薇事件でも検事調書を週刊新潮に掲載するにあたり、A少年を犯人と断定し、国民に大きな影響を与えた立花氏、評論家ならば何事も疑ってかかり自分の頭で考えるという基本に戻ってもらいたいものです。

by lumokurago | 2010-09-30 11:18 | 医療
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