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『がん専門医よ、真実を語れ』より

 がん検診の問題について、専門家たちにはこんな議論があったのだということを紹介します。(『がん専門医よ、真実を語れ』近藤誠編著文藝春秋1997)

 川端(英孝・東京大学病院第二外科助手:当時):乳がん検診は無作為調査に基づいて、ある特定の年齢(50歳~60歳代)の人に有効だろうといわれている。胃がんは有効とも無効とも証明されていない。大腸がんも有効か無効かはわからない。肺がんは無効だと証明されている。ただし無作為調査も外からの影響が関わってくるので、完璧な証明は成り立ちにくい、ということになるでしょうか。

 近藤:そこで、たとえば肺がんは無効で乳がんは有効というのは、理論的にどう整合させられますか?

 川端:それは、肺がんと乳がんでは検診に向く向かないの違いがあると思います。

 近藤:さきほどのがんのリンパ節を取る手術の話題では、乳がんと胃がんは同じだと言う意見が出たのに、ここで肺がんと乳がんは違うといわれると納得できませんね。どんな臓器に発生したがんも、二分裂を繰り返して増大し転移があって再発もするという性質を持ちます。それらの性質は臓器が変わっても異なりませんから、肺がんで無効だった検診は乳がんでも無効と考えるのが素直じゃないでしょうか?

 (中略ーちょっとむずかしい議論があって)

 上野(貴史・東京共済病院外科医師:当時):内視鏡検査で早期のがんを発見したといっても、それが放っておいたときに致命的ながんになるかどうかはわかりません。そのうえ、症状が出てから治療しても治る可能性もあるわけです。しかし、切り取ってしまっているから証明することはできません。だから、早期がんを発見してもおめでとうということには必ずしもならないですね。

 (中略ーちょっとむずかしい議論があって)

 川端:こうした考え(注:浸潤する能力をもっていないがんは命を奪わない)もあくまで仮説ですが、ただ、現在、外科でいわれているような「がんは順々に広がっていって最後にはあるところまでいくと全身に広がる」というハルステッド(注:乳がんで乳房のみならず筋肉まで切除する拡大手術を考え出した医者・この手術が長い間、乳がんの「標準治療」だった)の考え方は、すでに世界では1970年代に否定されています。にも関わらず、日本では、その理論に基づいて治療をしているところがおかしいんです。それでは、ハルステッド理論に代わるものがあるのかと言えば、全身病理論(ほんもののがんはごく初期から全身に転移しているので全身病である)が有力なのですが、すべてを説明しきれているわけではないです。

 馬場(紀行・東京大学病院総合腫瘍科医師:当時):ちょっと違った視点から検診について意見を述べさせてもらうと、近藤さんの本のなかで、最も反発を買ったのが、「検診はいらない」という説だと思うんですね。なぜかというと、検診はかなりたくさんの人の飯の種になっているという事実があるからです。それを根本的に覆す意見が出てきたんだから、ものすごい抵抗があって当然。いろんな人たちがいかに検診は有効かについて反論していますが、そういう人たちの思惑も多く入り込んでいると思います。

 近藤:そうですか(笑)。それで思い出したのは、この説に対する反論を検討してみると、それぞれの人が有効だといっているがん検診が全部違うんですよ。ある人は胃がん、ある人は乳がんと言うし・・・。

 馬場:そうでしょう。そこに思惑が入っていると思うわけですよ。たとえば胃がん検診に命をかけている人たちにとってみれば、胃の検診をレントゲンでやるのがよいというデータを用意するでしょうし、内視鏡検査がよいと思う人は 内視鏡が有効というデータを持ってくる。しかし、わが国の検診の場に視点をおくならば、検診無用論ではなくて検診有害論を言いたいくらいです。たとえば、乳がんを触ったことのない医者が乳がん検診をやるから、再検査にひっかかる人も多くて、無意味な生検が多くなったり、あるいは乳がん検診の異常なしを鵜呑みにして発見が遅れた患者さんも結構多い。

 上野:無意味な再検査のおかげで病院の外来は混む。しかし、そうしないと病院経営は苦しいでしょう。何かひっかけて再検査をして更に精密検査をすれば病院が儲かるという構図ですよね。無意味な検査をするお金と時間があるなら、それを本当のがん患者さんの治療に回せというのが正論になりますね。

 川端;確かに「早く見つける」というのは理論的に悪くはないのですが、利益があるかどうか難しいところです。

 馬場:検診で見つけなくてもいいような非浸潤がんを見つけて、がん患者の烙印を押されたがために、それこそ、保険や就職で多大な被害を被る。

 (中略)

 馬場:まあ、こうやって検討していくと否定的な要素が多すぎるという気がします。それにしても日本人は検診に過剰に期待しているきらいはありませんか。

 近藤:日本人特有の思い込みでしょう。みんなが検診を受けなければ、検診の問題は生じないんですよ。

 馬場:本当に。現実問題として検診は施設による差が大きく、一般の人が思っているほど期待できる内容でないことを認識すべきだと思いますよ。近藤さんと川端君の激論は、そういう検診が駆逐されてからやってください(笑)。

*****『がん専門医よ、真実を語れ』P.89~94
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by lumokurago | 2010-10-04 21:13 | Dr.K関連記事
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