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『野宿に生きる、人と動物』 関連記事追加しました

 『野宿に生きる、人と動物』(なかのまきこ著・駒草出版2010)読みました。私にとって「野宿者」はある一点でとても身近です。むかし私は、児童養護施設(親と一緒に暮せない子どもたちの施設:そのむかしの孤児院)の子どもたちは都立高校に入れないと中卒で施設をでなければなかったので、なにがなんでも都立高校に入れようと勉強を教えるボランティアをしていたことがあります。(数年後、私立高校でもOKになった)。

 ところが、せっかく入れた高校をすぐに辞めてしまう子どもがいました。もともと彼らは勉強が好きではないし、無理やり入れたのでとても授業についていけないからです。私のみていた子どもたちの学習能力は中3で小学校3年生並です。九九も怪しく、漢字も日常生活に困るほど読めません。なぜそうなってしまったかというと、落ち着いた家庭で育っていないからです。子どもというのは衣食住が保障され、親にかわいがられたり怒られたりしながら育たないと、勉強どころではないのです。

 施設の子どもは帰る家がないので、就職先は寮付のところになります。親と暮らせなかった子どもは学習能力が低いだけでなく、生きる力そのものが身についていないので、就職先をすぐに辞めることになりがちです。辞めてしまうと住むところがなくなってしまいます。友だちの家を転々とした後、次の就職先をみつけても、いずれまた辞めてしまいます。

 彼らのいいところは心がやさしいこと。だけどほかは全部だめ。まわりの人たちが一生懸命に手を貸しても、生きる力を身につけることはなかなか難しいのです。もちろん立ち直って立派に生活している子どもたちもおおぜいいるだろうとは思います。けれどそうできない子どもたちもいるのです。私の関わった子どもたちの中には10代で亡くなった子どもも数人います。シンナー中毒などで。

 私が養護施設の学習指導で最初にかかわった子どもはもう35歳になっています。彼が中卒で就職した(高校に入れたのだがすぐに辞めてしまった)はじめての給料日、母親が来て「病気で手術しなければならない」と彼をだまし、給料を全額持って行ってしまいました。当時は好景気だったので社長さんは夕御飯を食べさせたり、前借りさせてくれ、彼はなんとか暮していました。初めての仕事は1年くらいつづいたのかな。しかし、その後は仕事を転々とし・・・。理解のある社長さんばかりだったのに、次から次へと裏切り・・・。そのたびに私に頼っていたのですが、結局私にも完全に顔向けできない状況となり、ぱったりと連絡が途絶えました。私も彼が私を頼っているといつまでも自立できないと考えるようになっていたので、つきはなしたのです。でも当時は仕事があったのでよかった。いまはどうかな? 中卒の子ども(もう大人ですね)の就職先といったら土木工事しかありません。仕事がなくて野宿者になっているのではないかな? 

 私は彼らとつきあって、「生きてさえいればいい」(それ以上なにも期待しない。もちろん殺人などやっては困るが)と思うようになりました。野宿、もちろんOKです。彼らが小学校3年生程度の学習能力しかなく、生きる力がないのは彼らの責任ではありません。本人の努力が足りないのだと彼らを知らない人は言うかもしれませんが、親に育てられなかったということはそれほど大変なことなのです。

 野宿者がそうなったのにはいろいろな理由があると思いますが、私はこういう子どもと関わっていたというだけで、野宿者がとても身近です。杉並でいえば神田川や善福寺川沿いの遊歩道や公園にあるベンチに、横になれないように(しかも簡単に取ることのできないように頑丈に)障害物を作られてもう5年くらい経つでしょうか。なんて意地悪なんでしょう。こういうことをする行政は例えば親に育てられなかった子どものことをどれだけ知っているのか? 虐待を受けてきた子どものことをどれだけ知っているのか? 怒りがこみあげます。

 今回杉並区でも事業仕分けが行われましたが、虚弱児やぜんそく児のために作られた「南伊豆養護学園」が廃止されてしまいました。この学園は実際には被虐待児の避難先にも使われているのです。虐待が増えていると言われるいまこそ必要性は増しているはずなのに。行政にかかわる人々は何も知らないんですね。また、学童クラブはすでに民営化がすすんでいますが、児童館も民営化(あるいは廃止??)するための検討委員会ができたそうです。児童館は一度民営化の話がでたのですが、そのときは直営でやるということになりました。それがまたでてきたのです。子どもはみんな塾通いしているから、もう児童館などいらないってか! この国の未来は真っ暗です。
 
 ちなみに湯浅誠氏(反貧困ネット事務局長・内閣府参与)は当時養護施設での学習支援ボランティアグループのリーダーで、19歳の東大の学生でした。彼のような人がいると、お先真っ暗なこの国の未来も良くなる可能性があるかなと思えますね。

 本の感想はぜんぜん書きませんでしたが、心やさしい野宿者が見捨てられた動物たちと一緒に生きるさま、それに魅力を感じてつきあっている著者の姿は、生きる希望を与えてくれます。動物が好きな人におすすめです。Dr.Kも喜びそうです。

【関連記事】
<貧困>は自己責任ではない(湯浅さん講演)
養護施設の子どもと今の高校中退の子ども
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by lumokurago | 2010-11-19 09:47 | 本(book)
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