暗川  


写真日記
by lumokurago
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
検索
リンク
ご感想をお寄せ下さいmailto:lumokurago@yahoo.co.jp

嫌がらせコメントは削除させていただきます。

必ずしもリンクするHPの意見、すべてに同調するわけではありません。ご自分で情報を選んでください。

原子力資料情報室

小出裕章非公式まとめ

沖縄タイムス

暗川メインページ
私の下手な絵などを載せています。

杉並裁判の会
私たちの裁判の会です

ポケットに教育基本法の会

「つくる会」教科書裁判支援ネットワーク

もぐのにじいろえにっき
もぐちゃんのページ

プロテア
リリコおばさんの杉並区政ウォッチング

鬼蜘蛛おばさんの疑問箱
松田まゆみさんのページ

熊野古道の路沿い
鈴さんのページ

風に吹かれてちゅちゃわんじゃ
小笠原父島で農業をやっているサエちゃんのブログ

三宅勝久さんのブログ
杉並区在住のジャーナリスト

カテゴリ
以前の記事
ライフログ
人気ジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

「真の主役」に成果を

 最近新聞記事のなかでここに転載したい記事がなかったのですが、これはぜひと思っていたものです。ドライアイがひどく遅くなりました。

 *****以下、東京新聞2010.11.10より

 「真の主役」に成果を    中村安希(ルポライター)

 COP10の会議が続いた10日間、各国の代表は毎日、長いスピーチを繰り返した。その内容は、どの国もほぼ同じで、しかも期間中ずっと変わらなかった。

 まずは議長への挨拶。種の保全の重要性。生態系の維持に情熱を持っていること。その後、途上国であれば、「カネをください、技術移転をしてください。貧困問題が解消されなければ、環境保護はできません」と続く。この点に関して、先進国はしらを切る。議論は平行線を辿り、とてもじゃないけど議定書は採択されないだろうと、私は予想していた。

■資金提供の賜物

 ところが一転、日付も変わった30日未明、名古屋議定書が採択された。これは、集まった国々が最後まで粘り強く議論し、妥協点を見いだした結果であり、名古屋をはじめとする関係者の努力、もてなし、そして日本や先進国が注ぎ込んだ資金の賜物でもある。生物多様性の維持という理想について、延々と繰り返し議論し続けた10日間は、決して時間の無駄ではなかった。関係者はもちろん、日本の納税者として、私たちもこの点に関しては胸を張るべきだろう。議定書の作成は成功した、と。

 けれど、ここで一つ指摘しておきたいことがある。生物多様性と利益の公平な配分に関する議論の真の主役は、実は会議場にはいなかった、という点だ。

 先進国と途上国が、資金と利権をめぐって火花を散らし、常に貧困問題と並行して論じられた会議の主題は、生物の話ではなく南北問題のようにも見えた。けれど、さらに話を聴き進めるうちに、単なる南北問題でもないことに気がついた。ナミビア、ブルネイ、、、ザンビア・・・、多くの途上国政府が利益の分配や助けを求めたが、彼らは本当に「資金がないから」自然が守れないのだろうか? 
 今年、私はブルネイに行った。国は石油と天然ガスで潤っていた。ガイドブックによれば、ギャンブル好きの王子の浪費が160億ドル。王子のトイレットペーパー入れは金でできている、らしい。去年訪れたナミビア、その前に立ち寄ったザンビアも鉱物資源で潤っていた。私たち先進国の庶民など足元にも及ばない贅沢な暮らしと、劣悪な環境下で暮らす貧困層が混在していた。問題は「国にカネがない」ことだけではない。

 一方の先進国は、経済危機などの影響もあって、財布の紐は固かった。日本も多額の財政赤字を抱えている。先進国の懐事情も厳しいのだ。そう思いながら、進展のない各国政府のスピーチを退屈そうに聴いていたが、コンゴ民主共和国の代表スピーチの途中で、私は突然メモを取った。

 「数10億ドルのお金が、国防や安全保障のために使われていますが、人という種の生存のために使わなければいけません」

■異なる優先順位

 先進国も途上国も、問題はカネがあるか無いかではなく、その使い道と、守るべき対象の優先順位だ。国益や利益を守りたいのか、それとも、環境やそこに暮らす人々や種を守りたいのか。結局どっちが大事なのか。結局どっちが大事なのかこの会議の主役は誰なのか。政府なのか、環境なのか、地域住民なのか。COP10とは何なのか。理想を掲げるパフォーマンスか、カネをめぐる政府間の駆け引きごっこか、それとも現実的な行動への第一歩となるのか。

 10日間議論を重ね、生態系維持の理想を語り、日本として1600億円以上を注ぎ込んで、名誉ある議定書を作った。そして、これから日本は干潟を埋め立て、原発を造り、米軍基地を建設しサンゴの海を破壊する、らしい。この矛盾を小学生に指摘されたら、環境大臣はどうこたえるのだろう。

 「議定書にはね、単なる理想が書かれているんだ。でも現実はちがうんだよ。国防、国益のためには仕方がないんだよ」

■見えてない現実
 
 さらに皮肉なことに、世界一の経済、軍事大国アメリカは、会議に参加することなく、環境よりも利益を優先した。そんなアメリカからCOP10にやって来たスーパースター、ハリソン・フォードが注目を集め、その頃、世界各地の漁民や農民や地域住民が、会議場から遠く離れた場所で何をしていたのかを私たちは知らない。ハリソン・フォードが語る理想に耳を傾けることはできても、原発に怯える建設予定地の住民に構うつもりはない。基地建設でこれから消えていく沖縄のサンゴは声さえも持っていない。自然は、助けてくれとも、痛いとも、カネをくれとも言わない。ただ、無言のまま消えていく。

 ここでもう一度、COP10の真の主役を確認したい。主役は政府ではなく。ローカルコミュニティ。利益ではなく環境。巨大グローバル企業ではなく、農民、漁民、ローカルな小規模生産者たち。そして主題は、各国政府のカネではなく、地域住民の生活だ。会議に参加した各国の代表が、持ち帰った議定書と資金を、真の主役に引き渡し、主題と向き合えるかどうか。真価はこれから問われる

 議定書が採択された瞬間、会場総立ちになり沸き起こった拍手と感動の中で、私は手をたたかなかった。いつか真の主役たちと一緒に心から叩ける日が来るまで、拍手は保留しておきたい。

*****

 私はブラインドタッチで打ち込んでいますが、確認するだけで目が痛いです。それでもみなさんに読んでほしかったし、ここに残しておきたかった。読み返さずに終わります。
[PR]

by lumokurago | 2010-12-03 17:58 | 自然 (nature)
<< 猫小屋片づけました 子猫発見! >>