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『しろうとがん入門』 2

がんは末期発見がいい

黒木:話は戻るけど、多数派が「早期発見早期治療」を叫んでいるときに、自分ひとりがんを放置するのは勇気がいると思うけど。

渡辺:それがそうでもないんだ、私の場合は。もともと常識や多数派は疑うものだということが身体にしみついているし、自分が極小少数派だからね。データだけでなく、直感でも近藤先生は正しいと思った。こう言ってもぜんぜん説得力がないけど、同類のにおいがする。『乳ガン治療・あなたの選択』も女性に治療法は自分で決めよう、主体性をもって生きようと呼びかけている本で、その点にも共感できた。
 
 私は最近、本を出版したり、ネットで発信しているので、がん患者さんから相談を受けることがある。何人かみていて思うのは、やはり早期発見理論をすりこまれているので、がんなら早く手術しなくちゃと思いこんでいることと、不安がものすごく大きいということ。そういう人たちは近藤先生の本を読んでも、少しでも疑問があれば早期発見理論を見限ることはできないと思う。だって早く手術すれば治ると言われているものを、それはうそだ、手術してもしなくても結果は同じだと認めるんだから。だから無治療を選択する患者は、早期発見理論は誤りだということを理論的に理解し、もしもあとで転移がでてきてもそれは治療の有無にかかわらず最初からあったのだと納得できる人だと思う。

黒木:うーん、やっぱり勇気あるな。

渡辺:近藤先生が最新刊『あなたの癌はがんもどき』で、無治療の患者のことを取り上げているけど、その患者たちは「不安でたまらないけれど、臓器を取られるのはいやで手術せずにいる」とある。臓器を取られてしまったら、それが消化器だったら食べるに不自由するようになるし、リンパ節を取られればリンパ浮腫で腕や足がぱんぱんに腫れて大変。人工肛門にでもなれば、私は人工肛門の子どもをみていたことがあるけど、袋を貼りつけている皮膚がかぶれるし、1日に何回もパウチの取り換えがほんとうに大変。それが一生つづく。

黒木:そんなに大変になるってことを一般の人は知らないんじゃない? 身近に経験者でもいない限りは。

渡辺:そうなんだよね。こんなに大変になると知ったら患者は手術を断るかもしれないから、医者はそこまでは言わないよね。患者の側は、がんはとにかく怖いから切らなければならないと思いこまされていて、あとのことなど考える余裕もなく切ってしまう人が多い。切って不自由になってもがんだったんだから仕方ないとあきらめてしまう。ほんとうは切って治る(将来的に転移がでない)なら、それはがんもどきだったということだから切られ損なのに。

黒木:そしてほんもののがんなら、あわてて切り取っても、すでに転移しているがん細胞が将来大きくなってでてくるからあせっても仕方ないということか。

渡辺:その通り。

黒木:初歩的な質問なんだけど、がんは転移するとどうして治らないの?

渡辺:大腸がんの特殊な例を除いて、転移というのは1個とか2個と数が限られているということはありえず、体中に多数ばらまかれている。だからそれらを全部切り取ることはできない。臓器をたくさん切り取ったら人間は死んじゃうし、切り取ったところにがん細胞1個でも残せばまたいつか増大してくる。それに抗がん剤でも治らない。抗がん剤は正常細胞もやっつけてしまうし、同じ人のがん細胞のなかにも抗がん剤の効くがん細胞と効かないがん細胞があるから、いっときは抗がん剤で小さくなってもまた増大してくる。

黒木:転移しないがんでも、その場所でどんどん大きくなって命を奪うこともあるんでしょ?

渡辺:ありうるけど、転移しないがんなら、痛いとか食事が通らないなどの症状がでてきたときに治療すれば命に別条ない。だから大きくなるかならないかわからない段階で症状もないのに切ってしまうのは、臓器を失うだけ損ということになる。だから近藤先生は症状のないがんを検診でみつけるのは損だと言っている。同じ意味だけど、在宅医の網野晧之先生はもっとはっきり「がんは末期発見がよい」と言っている。早期に発見されてしまうと、無駄なひどい治療をされて苦しむことになるから。

 早期に発見されても無治療でいくなら末期発見と同じことだけど、現在のように早期発見早期治療が叫ばれている状態では無治療では不安な人が多いよね。それなら、がんができてもなにも知らずに末期になるまで普通に暮らすほうが幸せでいられる。だから私もがんは末期発見がいいと思う。いまは突然末期がんが発見されるのはショックかもしれないけど、がんに対する正しい知識が広まって、普段からそういうこともあることを覚悟するようになれば、人びとの受け止め方も違ってくると思う。

黒木:あらら。極端な話だなあ。転移を防ぐためには早く切らなくちゃいけないし、がんを治すためなら後遺症もいたしかたないというのがいまの一般の考え方だよね。それが無駄なことで、じつは初めから運命が決まっているなんてショックだなあ。患者としてはなかなか受け入れられないよね。

渡辺:そうなんだよね。でも、寿命が延びるという証拠がないのに手術して後遺症を抱えて不自由な人生を送るなんてつまらないよね。その結果がんもどきだったら丸損だし、ほんもののがんだったら、いずれは命を奪われるから手術は無駄だったということになる。

 最近、近藤先生は胃がんで手術を勧められている人のセカンドオピニオンで「(がんと言われたことを)忘れるのが一番。がんには手術する必要のないがんと手術してはいけないがんがある」と言ったんだって。わかる? 前者はがんもどきで後者はほんもののがんだよね。ほんもののがんに対して「手術してはいけない」とまで言うようになった。「無駄」どころではなく手術には害があるということだね。最新刊『あなたの癌はがんもどき』にはスキルス胃がんではないかと思われる胃がんの人が、手術すれば1,2年の命なのに、無治療を選択して10年生きた例が書いてある。

黒木:ほんとう!

渡辺:うん。『あなたの癌はがんもどき』に書いてあるけど、近藤先生は150人もの無治療の患者を診ていてその結論に達したんだって。

黒木:そんなにおおぜい無治療の患者さんがいるんだ。その人たち頭いいんだろうね。命をかけて多数派から抜けて、近藤理論を実践するなんてすごい勇気ある。

渡辺:在宅医の網野先生とも話したんだけど、がんははじめからほんもののがんとがんもどきに分かれていて、早期発見理論は破綻しているということが理解できるかどうかは、知識人であるかとか頭の良し悪しには関係なく、常識の枠を壊せる柔軟な頭をもっているかどうかだと思う。「バカの壁」だと言った人もいる。あとは人生に対する思い切りのよさのようなものがないとね。どうしても治りたいと思いつづけていると受け入れられない。でも、そうやっていると有害で無意味な手術や抗がん剤治療をされて命を縮めたり、後遺症に悩まされることになってしまう。

つづく
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by lumokurago | 2011-01-23 18:12 | がんと闘わない生き方
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