暗川  


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by lumokurago
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いまどきの子どもたちと私 3

『暗川』第29号 1990.3.31より

 今日のできごと
 K君(5年生のワル)が来て、F君(『負けるな子どもたち』にでてきた『情緒障害』っぽい子)の描いた絵を取る。F君「返してよ」とパニックになる。

 私:大丈夫。K君てほんとはやさしいんだから。ちょっとからかってるだけだから。
 K:破いてやる(と言ってクラブ室の前にある公園にでる)。
 F:破かないで!
 K:(私に小声で)破かないから。

 K君は絵を持って藤棚に登る。F君が泣きそうになるので、 
 私:もう返しなさい! etc・・・

 F君が泣きそうになったり叫んだりする姿がおもしろいので、他の子どもたちが笑う。私もつい笑ってしまう。私にはF君の反応がおもしろくて、そうやってからかうK君の気持ちがわかる。私も犬が通ると「犬が来た!」と言ってからかっているくらいだから(F君は犬が恐い)。彼をからかうことが差別であるとは私は思っていない。もちろん彼を傷つけるようなことを言ってからかうのはよくないが、他愛のないことならば、それもまた関係を持ちたいという一つの表現であると思う。

 でもK君は“やりすぎ”になるので、私は「もういいかげんにしなさい」と言って絵を返させる。

 一段落して部屋に入ると、今度はT君(S君の弟)がF君をなぐって泣かせてしまう。その事情を聞き・・・(省略)

 T:Fってシンちゃんだよな。
 K:そう。頭がおかしいよ。
 私;そう思うだろうけど、それは一種の病気だからF君のせいじゃない。
 T:やっぱり病気だって! シンちゃんてことじゃないか!
 私:大人が「身体障害者」って呼んでるから、あんたたちもそう言うんだけど、そんなふうに言ってる大人が間違ってるんだから、あんたたちにはそんなふうに言ってほしくない。同じ人間なんだから。
 T:じゃあなんで頭がおかしいんだ。病院に行けよ。
 私:病院には行ってるよ。でも原因はわからない。生まれつき脳細胞に傷があるというお医者さんもいる。
 T:やっぱりシンちゃんだ。
 私:Fがそうなった原因はわからないし、あなただってそう産まれたかもしれないんだよ。だからそんなふうに言ってはいけない。
 T:おれはそうじゃないから関係ない。
 私:自分はそうじゃなくても、人間は相手の気持ちを思いやることができるんだよ。そうできないなら人間じゃない。
 K:おまえも少しおかしいよな。F,好き?
 私:うん。でも、その「好き」っていうのは特にその人だけが好きっていうんじゃなくて・・・私は人間が好きなの。大人も子供も。大人はそうじゃない人も多いけどさ。
 K:じゃあおれも好きなの?
 私:好きだよ。
 K:やめろよ! おれはおまえなんか大嫌いだぜ。
 N:「ワタハベのバカ」って書いてやろうか?!
 T:おまえ、おれたちがなに言っても傷つかないんだよな。慣れてるから。(いつも「バカ」とか「死ね」とか言う子どもたちに、私はそう言って対抗している)。
 私:「バカ」とか「ババア」とかじゃ傷つかない。F君とか他の子をいじめたり、「シンちゃん」と言ったりすると傷つく。
 K:(Fに)F、わたなべ先生、好き? きらいだろ?
 F:好き。
 T:おまえ、こんなワタナベなんか好きじゃないだろ?
 F:好き。
 K:ワタナベなんか好きな奴、いないよな。
 (ちょうどその時、別の子が通りがかりに「ナベセーン!」と声をかけていったので)
 私;ね、なんでああやって声かけていくと思う?
 K:なんでだよ。
 T:「好きだから」って言うんだぜ。
 私:・・・
 K:答えろよ。
 私:まじめに聞いてくれないから答えたくないけど…好きだからだと思うよ。嫌いな人に声かけたりしないもん。
 K;(声をかけた子に)おまえ、ワタナベ、嫌いだろ?
 その子:嫌い。
 私:(「全部反対言葉だ」と言いたいが言わない)。
 K:ほら、ワタナベって頭悪いな。
 私:私、頭いいよ。ほんとに。
 K:自分でそんなこと言うなんておかしいんじゃん! (と砂のかたまりを投げてくる。ここまでした子ははじめてだわい)
 私:やめて!
 T・N:(砂を投げてくる)
 私:やめなさい! どうしていつも大事な話をぜんぜん聞かないの! まじめになるときはまじめにならなくちゃだめ!
 T:(そばで見ていた子に)この先生、こわくないでしょ?
 K:ぶんなぐればいいじゃん。
 私:ぶんなぐって言うことをきかせるんじゃなくて、まじめに話を聞く気になってほしいの。
 N:おれ、いつもお母さんにぶんなぐられてるから、きかない。
 K:おれのお母さんはぶんなぐっても痛くないけど、お兄ちゃんにぶんなぐられると超痛い。
 私:なにしろFいじめないでね。
 K:おまえなんかもうあっち行けよ。
  (突然)また雪降らないかなあ。前、雪降ったとき、おれたちでおまえに雪投げたとき、おもしろかった?
 私:(こう答えるとますますつけあがると思いつつ)おもしろかった。
 K:またやりたいね。

 春休みになって、毎日彼らが来ている。S君がクラブを卒業して以来、F君をかまう子はほとんどいなかった。いじめもしないかわり、かまうこともなく、興味がないのである。ここでK君がF君をかまうようになり、F君は喜んでいる。彼はS君を好きだったようにK君も好きで、「K君、K君」と名まえを呼んだりする。

 今、『負けるな子どもたち』の最後の章の再来のようなことになっていて、「こんなこと繰り返してどうなるのかなあ?」と思っている。こんなに子どもになめられっぱなしでいいのかなあ? S君に、今の、そしてあのころの気持ちを聞いてみたい。
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by lumokurago | 2011-05-07 13:38 | 昔のミニコミ誌より
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