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山木屋(計画的避難区域)

山木屋(計画的避難区域)_c0006568_17125521.jpg
 手前は元イングリッシュガーデンだが、草ぼうぼうになってしまった。つる性植物が伸びて花をおおってしまっている。向こうが草地(枯れたように見えるのは稲が実るのと同じで実をつけている。例年は夏の間に刈り取って冬用の牛のエサにする)
山木屋(計画的避難区域)_c0006568_1794988.jpg

山木屋(計画的避難区域)_c0006568_17104933.jpg
 浪男さんが作ったツリーハウス
山木屋(計画的避難区域)_c0006568_17113599.jpg
 同じく池
山木屋(計画的避難区域)_c0006568_17115579.jpg
 左に登っていくと放牧場

 いまは川俣町の町内に避難している菅野浪男さんの山木屋の家に2泊してきました。避難した当初は1年経ったら帰宅しようと思っていたが、草の伸び方があまりに早く、週に1度草刈りに通ってもとても追いつかず伸び放題になってしまい、気力がなくなってしまったこと、電気・水道はそのままだがガスがプロパンで配達もされない、また、そんなふうにして帰宅しても、子どもも孫も里帰りできないということで、他に家を探そうかという気持ちになっているとのことでした。しかしこの住めなくなった土地を国が買い上げるか借り上げてくれなければお金もない。山木屋でも線量の低いところは除染して帰宅することになるだろうが、ここは線量が高いので無理だと思うとのこと。

 拙著『乳がん 後悔しない治療』を読んで、治療を自分で決めると同じだなあと思ったとのこと。いまは志賀直哉の『清兵衛とひょうたん』の心境で、自分がよって立つもの(大切にしてきたもの)を失って、その代わりを何にするか考えているとのことでした。

 この話を聞いて、原発事故で故郷や家、精魂こめてきた田畑を失ったことと、がんで死にそうなことや脳梗塞でいままでできていたことができなくなったことは同じことだと思いました。徐京植さんが「根こぎ」という言葉を使っていましたが、原発事故の被害者も私もDr.Aもいままでの自分の人生を程度の差こそあれ、「根こぎ」されたのです。「死」はその最たるものなのですね。

 私はこの牧場に「骨をぶん投げてほしい」(福島市の老人保健施設にいる兄弟で一人生き残った叔父の言葉)と思っているので、もう一度見ておきたかったのですが、同行した友人に浪男さんは「何しに来たんだ。来てもらっても自分には何のメリットもない」とまず叱りつけました。視察に来た民主党の議員団も町の施設に泊めたが宿泊費も払わず、33人も来て3万円のお礼しかくれなかったそうです。

 私たちは基本的には何もできないのですね。何かしてあげたいと思うこと自体、驕りなのではないでしょうか。福島第一原子力発電所の電気がすべて東京に送られていることすら、ほとんどの東京人は知らなかったのです。東京の繁栄(?)のために文字通り犠牲にされた。利益を享受していた東京こそが汚染されるべきだったのです。もちろんいつか事故が起こったときのために東京ではなく福島に建てたのですが・・・。

 もちろんできることがあれば何かしたいのです。しかし放射線汚染に対してできることはありません。加害者が取り返しのつかない犯罪を犯し(これは犯罪です)、贖罪したいと思ったらやはり賠償するしかないのでしょう。でもまずは謝罪ですね。みんな東電や政府に対して責任を追及しています。それは当然のことです。しかし東京人にも責任があると思います。小出さんは原発に反対し続けてきた研究者として、原発事故が起こってしまったことには自分にも責任があるとして謝りました。私たちも福島の人たちに謝りませんか?

by lumokurago | 2011-09-06 17:54 | 原発
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