暗川  


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ガダルカナル(五味川純平)

 『ガダルカナル』(五味川純平 文春文庫)を読みました。400ページもあるうえ、わからない軍隊用語があったり(調べもせずわからないまま読み進んだ)、当時の片仮名交じりの文章があったりして、読みにくく、読み終えるのはたいへんでした。

 日本人の(特に男性?)の気質からして、日本が戦争に勝つということはこれから先もあり得ないとつくづく思いました。原発事故をみても以下はいまも本質的には変わっていないと思います。

 1、メンツに囚われ、臆病と思われたくないというだけで正直な考えを言わないため、いつも精神主義のみで物量の圧倒的に優勢なアメリカに向かっていき、自滅する。
 2、いつも敵の力を過少評価し、楽観的に考えるため、作戦とは名ばかり。地形もわからず地図もなく、ジャングルのなんたるかも知らず、行き当たりばったりなので、いつも自滅する。
 3、率直に失敗を認め、そこから学ぶことができない。同じ失敗を際限なく繰り返して自滅する(ノモンハンの指揮官がガダルカナルで同じことを繰り返している)。
 4、階級的に下の者のいうことであっても、いい考えがあるのに、相手にしない。などなど、きりがない。

 つまり、頭が悪い。冷静になれない。自分の頭で考えない。ほんとうのことを口にだす勇気がない。合理的判断ができない。ないないづくしですね。

 戦争に勝つためには気質のみならず、こんな軍隊制度では絶対に無理です。一言で言うともっと民主的な組織が必要です。メンツを捨て、部下の意見もきちんと聞き、率直に話し合い、相手の力も冷静に分析し、負ける戦いは挑まない。

 *****以下引用

 「大本営が信じた日本空軍の優越は夢でしかなかったのだ。当然である。天皇制下に、その絶対性に依拠し、合理性を排除してはびこった軍部官僚主義に、現実的な認識も、柔軟迅速な対応処置も、可能であるはずがなかったのである」

 「軍隊の指導的立場にある者の大部分は、物事を軽易に考え、過早に楽観視し、予想される困難を会えて無視することが、勇敢、積極的であるという錯誤に陥っていたようである。裏返せば、用心深く、慎重である者は臆病者とされたのである」

 「天皇がどれだけ真相を知らされていたか、知ろうとしていたかは、窺う由もないが、本格的な攻撃再開の見込がもはやなくなった時点でも、まだ、如何にして敵を屈服させるかの方途を知りたいというのである。天皇は、ガダルカナルやニューギニアの前線で、「天皇の赤子」が日に日に何十人となく餓死してゆくことなど、想像出来ないかのようである」

 「昭和17年以降、第17群のガ島総上陸人員は3万140名。交戦中に後送した患者は740名。ガ島における損耗は2万800名。上陸人員の66%である。ただし右は海軍や設営隊や船員を含まないので、不完全な数字である。
 戦死は5000乃至6000と推定され、内輪にみても1万5000前後が戦病で斃れたと思われる。死因は、栄養失調、マラリア、下痢、脚気等に因るが、そのほとんどは補給の甚だしい不足に責を帰すべきである」

 (中略)

 「稿を結ぶにあたって、もう一度前掲吉田嘉七『ガダルカナル戦詩集』から引用したい。

 国の為だと信じ込み
 ジャングルの落ち葉の下で朽ちてゆく
 米も食わずに戦って
 ぼろぼろになって死んだ仲間達
 
 遠い遠い雲の涯に
 たばにして捨てられた青春よ
 今尚太平洋を彷徨する魂よ
 俺達の永遠に癒えない傷あと

 死地にあった身を生きながらえた者が語りつがねば、米も食わずに戦ってぼろぼろになって死んだ男たちの死は、その理不尽とむごたらしさを、みずから語ることはない。だが、生きながらえた者が、何故そのような経験を強いられたかを詮索しきれないうちに、ぼちぼちと人生を終る順番がめぐって来る。

 ガダルカナルに限らない、どれだけ夥しい青春がむざむざと使い捨てにされたか。けれども、時が経ち、人は遂に知る必要を覚えないかのようである。

 過去のことは過去の人間のしたことでしかない。所詮は見知らぬ他人事なのである。昔、青春がいくら使い捨てにされようが、いまの自分には関係ない。そう思っているかのようである。

 過去が現在に関係がなければ、歴史も戦史も、その醜いはらわたを暴く必要はないのである」


 明日、「あとがき」を載せます。
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by lumokurago | 2011-09-15 17:52 | 平和
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