暗川  


写真日記
by lumokurago
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
検索
リンク
ご感想をお寄せ下さいmailto:lumokurago@yahoo.co.jp

嫌がらせコメントは削除させていただきます。

必ずしもリンクするHPの意見、すべてに同調するわけではありません。ご自分で情報を選んでください。

原子力資料情報室

小出裕章非公式まとめ

沖縄タイムス

暗川メインページ
私の下手な絵などを載せています。

杉並裁判の会
私たちの裁判の会です

ポケットに教育基本法の会

「つくる会」教科書裁判支援ネットワーク

もぐのにじいろえにっき
もぐちゃんのページ

プロテア
リリコおばさんの杉並区政ウォッチング

鬼蜘蛛おばさんの疑問箱
松田まゆみさんのページ

熊野古道の路沿い
鈴さんのページ

風に吹かれてちゅちゃわんじゃ
小笠原父島で農業をやっているサエちゃんのブログ

三宅勝久さんのブログ
杉並区在住のジャーナリスト

カテゴリ
以前の記事
ライフログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

鍼灸治療への見解です

 このブログの読者には鍼灸師のかたもいらっしゃるし、関係者もいらっしゃいます。また、私の高齢の親友が、50代で離婚して鍼灸師になり、20年以上治療をつづけていました。私自身も26歳で変形性股関節の手術をしており、手術前、なんとか手術せずに治らないか試していたときと、手術後は後遺症(腰痛、膝の痛み)のため長期に渡って、鍼治療を受けていました。近所の治療院をはしごしたり、親友の治療院に通ったりしていました。私の実感としては、痛みが和らいだときもあり、正直なところ、効かないときもありました。

 がんになって、「科学的根拠に基づいた治療(Evidence based medicine)」という考え方を知り、鍼治療には科学的根拠がほとんどなく、効果があると感じるのは、プラセボ(偽薬)効果のせいだということを知りました。プラセボ効果はどんな偽薬でも30%程度あると言われています(その中にはもちろん自然治癒が混ざっている。複雑ですが、鍼灸師は「鍼は自然治癒を助ける」と言う)。

 私が「痛み」に関して「この鍼師の治療は効く」と確信しているのは、11月ころに通っていたU市の鍼灸師一人です(申し訳ありませんが重症者が全国から泊まりがけで通ってきて、1年中休日もなく、夜遅くまでやっているので、新患はご紹介できません)。彼はこう言います。「鍼灸師というのは生まれつきの才能とでもいうべきものが必要で、鍼灸師の資格を持っている者で、それでご飯を食べている者は1割もいない。ぼくが訓練した弟子もいまは鍼灸はやっていない。体力がいるので女性には無理。うちは娘しかいないから、ここもぼくの代で終りになる」。ちなみに彼は、「ツボ」に鍼を刺しているのではなく、指先で患者の体を強く押し、自分の指の感覚でここぞというところに鍼を深く刺します。刺されると痛いですし、神経がピリピリすることもあります。彼のお父さんは鍼灸師で、彼は3歳のときから鍼を持っていたそうです。

 しかし、彼の魔法の手(指)によっても、がんの骨転移を治すことはもちろんできず、ある程度の痛みは取ってもらいましたが、結局いつも放射線治療に突入し、放射線でがん細胞を殺したことで、痛みが取れました。

 日本鍼灸会のHPには「こんな症状に効果があります」として、ありとあらゆる(と思える)症状が載っています。それはWHOで認められたものとされています。

 しかしここで根拠とされたWHOの報告書には問題があります。第一に、いままでに行われた鍼治療に関する臨床試験の質を吟味せずに、すべての臨床試験の結果を取りあげたこと。

 第二に、中国で行われた多数の臨床試験を考慮に入れたこと。中国で行われた臨床試験では西洋で行われた同じテーマの臨床試験では否定的な結果となったものも、肯定的な結果を得ている。東西のどちらかが間違っているということになるが、鍼は中国にとって大きな威信の源だから、鍼は効果がないという研究結果は発表されずに終る可能性が高い。効果があるという研究結果は発表されやすいが、その反対の場合は発表されにくいという「発表バイアス(publication bias)」である。そのためWHOの報告書には発表されなかった否定的な臨床試験の結果が、まったく考慮されていなかったのである。

 第三に、WHOの専門委員会には鍼に批判的な人物はただの一人も含まれず、鍼の効果を信じる人たちだけで構成されていた。特に、報告書の起草、および改訂にあたったのは、さまざまな病気の治療に鍼を用いることを全面的に認めている、北京大学統合医療研究所名誉所長、謝竹藩(シェ・ジューファン)医師だった。

 WHOへの反論の部分は『代替医療のトリック』(サイモン・シン他著新潮社)から要約したものです。

 この本の鍼灸についての「まとめ」には次のように書かれています。

 鍼――この治療法については、いくつかのタイプの痛みや吐き気には効果があるという、わずかな科学的根拠が得られているのみです。それらの症状に効いた場合も、効き目は長く続かず、非常に小さなものとなるでしょう。通常医療の治療にくらべて費用がかかり、効果は小さいとみてまず間違いありません。この治療法の主な効果はおそらく、痛みや吐き気に対するプラセボ効果でしょう、それ以外のすべての病気に対して、鍼にはプラセボを上まわる効果はありません。鍼は、訓練を受けた施療者に打ってもらえば、かなり安全な治療法といえます。


 しかし、『容子からのメッセージ』にでてきてくれた「無治療」の桜沢ちほさんは、私よりも困難な「神経因性疼痛」を抱えており、なんの薬も効かないのですが、鍼治療にエヴィデンスがないことを知りながら、彼女の痛みには鍼治療が効くと言って、治療を受けています。彼女は先ほどの日本鍼灸会ではない鍼灸師の会のHPに「鍼治療にはエヴィデンスがない」と書かれていると言っていました。

 私は、それを承知のうえで、または知らずとも、自分には鍼が効くと言って治療を受けている人を否定するものではまったくありません。私の意図を理解くださり、この記事に気を悪くされるかたがいらっしゃらないことを願っています。

【追記】

 「palliative medicine(緩和医療)」の索引を調べたところ、「嘔気と嘔吐」の「薬学的なアプローチ以外では何を薦めるか」という質問の回答に、次のような記述がありました。

・鍼または指圧はそうしばしば薦められることはないが、難治性の嘔気では考慮されるかもしれない。鍼を使うことを支持するいくつかのエヴィデンスがある。指圧は鍼よりも研究されていないが、いくつかのケースでは、手首の圧力バンドが助けになるかもしれない。

 以上です。


 
[PR]

by lumokurago | 2012-01-21 13:35 | 医療
<< 安斉あきら最新記事(プロテア) 私の肝転移のダブリングタイム(参考) >>