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中村哲さんの講演会報告

中村哲さんのお話を一度聞きたいと思っていました。勝手に私の「同類」だと感じました。簡単に報告します。

・アフガニスタンと日本はかけ離れている。アフガニスタンは山の国で、9割以上が農民。6000m級の山の雪と夏に溶ける氷河のおかげで暮らしている。日本ではカーブルしか報道されないが、カーブルは特殊なところで、首都で何が起きようと地方には関係ない。谷が深く容易に行き来できず、中央集権ではない。99.99%の人は何百円どころか何十円がなくて死んでいくが、金持ちはちょっとした病気でロンドンや東京に飛んでいく。

・いかに現地のことを理解するかが一番大切であり、それは今でも大きな課題である。理解できない文化や風習(ex.女性のかぶりもの)を善悪や優劣とみてしまうのは間違い。人間はそう自由ではなく、制約された中で患者が少しでも幸せになれるようにと考えている。そこの文化が間違っているかの議論はしない。

・始まりは1984年5月でライコントロール5カ年計画で入ったが、ハンセン病だけ診ているのでは成り立たなかった。というのはハンセン病のあるところにはあらゆる感染症があるから。ハンセン病は貧しい山の中に多く、パキスタンから無数にある間道を抜けてアフガニスタンに入り、アフガニスタン山村部の医療確立をめざした。当時で1週間以上歩いていくような村が普通にある。外国人が来たのは初めて、村長が知っていた外国が唯一フランスだったせいで、「フランス人か?」と聞かれたこともある。日本人というとそれだけで、みんな協力的になった。アフガン空爆からイラク戦争以降はそうはいかなくなった。

・1998年現地に土着化することになった。この頃から干ばつがひどくなり、「世紀の大干ばつ」「人類がかつて経験したことのない干ばつ」と言われた。数日で村そのものが消えていくのだった。医療より先に「生きること」そのもののために、井戸掘りと灌漑用水(カレーズ)つくりに力を注ぐことになった。

・2001年の国連制裁により、徹底的な外国不信になった。9.11以来のアフガン空爆の犠牲者は女性、子ども、老人を含む市民で、その数は数万人に及ぶ。数が問題なのではなく、ニューヨークで亡くなった2000数百名には世界中から悼みの声があがった。それなのにアフガンの犠牲者数万人には悼みの声はない。想像力があまりに欠けていると思う。「ブルカを脱ぐ女性」などの「解放」の報道はいんちきで、情報操作の結果だ。実際はタリバンの頃より悪くなった。少なくともタリバンは麻薬をつぶしていたのに、たちまち復活した。「ブルカを脱いで売春する自由」「外国人にへつらって自分だけ金持ちになる自由」「餓死する自由」などはあるようになったが、人々はますます貧乏になった。

・日本に帰ってくると、「アフガニスタンはだいぶ落ち着きましたか?」と言われるが、最悪だ。アメリカ、イギリス、NATO軍は兵力を増やしており、戦火は拡大している。米軍が入ると誤爆があり、犠牲者が出る。山奥の診療所ふたつを閉鎖せざるを得なかった。反米感情は高まるばかりで、今後ますます泥沼化していくだろう。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は200万人の難民のうち150万は帰ったと言っており、そうすると残りは50万のはずだが、現在300万人の難民がいる。大干ばつをわざと隠しているのではないか。

・タリバンは非常に特殊な宗教勢力で、国粋主義に近い。タリバンはその地域の価値を代表するおじさんのようなもので、主な指導者を皆殺しにしても、新たに出てくる。ビンラディンは生きているのか死んだのかわからないが、決して見つからないだろう。死んだことがわかれば大義名分がなくなるし。自分はわからないが、一般的には米軍は中央アジアをめぐる戦略としてアフガニスタンにとどまっているとの見方だ。

・ペシャワール会が灌漑用水を作っているすぐ脇でトルコ軍が道路を作っていたら、何人もが誘拐された。その後インドに変わったが、誘拐は続いている。ペシャワール会は丸腰で現地のために本気でやっている。そのことは何か伝わっている。銃剣に守られた復興支援はありえない。

・日本に帰ってくると人々の表情が暗い。閉塞状態だと言う。では何人位が餓死したのかと聞くと、それはないと言う。その代わり自殺者が3万人もいるそうだ。アフガニスタンの子どもたちは生きることさえ大変だが、笑顔はすばらしい。日本の子どもはどうか?
日本にはいらないものが多すぎる。金さえあればなんとかなるというのは迷信だ。
自分は人殺しをしてまで「豊かさ」を守ろうとは思わない。人間が最後の最後まで失ってはならないものは何なのか、日本の人々に考えてほしい。

感想
飢えて泥水まで飲まずにいられず、感染症にかかって死んでいくアフガンの子どもたちはもちろんのこと不幸です。それに比べ、日本の子どもには「生物として生きる」ための苦労はありません。それだけでも「幸福」なのでしょう。しかし、精神的にはどうでしょうか?私は30年近く子どもたちを見てきて、日本の子どもはどんどん不幸になっていると確信しています。特に最近(と言ってももう10年近くになります)は子どもを見ているだけでつらかったです。
いらないものばかり与えられ、真の愛は与えられず、コントロール(支配)されるだけ。自然はなく、本物は見たことがないのに、映像でばかり見せられる。子どもたちは自然の中で遊ぶことこそ大事なのに・・・それでストレスでいっぱいなのです。それは大人が想像できないくらい・・・だからいじめる、切れる、引きこもる・・・

大人たちに言いたいです。本当に大切なものはなんですか?それは多くはないはず。本当に大切なものを大切にするように、よくよく考えてください。

by lumokurago | 2005-12-10 00:12 | 社会(society)
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