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いじめ問題「アルパカから学ぶもの」

「いじめ」についてやっと共感できる文章に出会いました。(ちょっと違うところもあるけど根本的な部分で)朝日新聞12月20日付「私の視点」より。

最近、親しい日系ペルー人のおばあちゃんが口癖のように言う。「日本は素晴らしい国だったのに、いじめとか虐待のニュースばかり。どうなっちゃったの」

「いじめ連鎖社会」の将来を思うと暗然たる気持ちになる。現状への麻痺が怖い。対症療法と管理強化が悪循環を生んでいるのは明らかだ。ならば、大胆な発想の転換が必要だろう。

私の専門の牧畜を例にとろう。アンデスの動物アルパカは紀元前4000年頃に家畜化された。根拠の一つは、ある洞窟遺跡でその時期の堆積層の幼畜骨が急激に増加したことだ。野生動物が人為的に集められ管理されると(家畜化の初期段階)、ストレスが高まり、免疫の弱い幼畜の死亡率が急激に上がるからだ。

やがて「家畜囲い」のローテーションや季節的移動など牧畜民の工夫で死亡率が抑えられる。家畜の方も適応し、人為的環境に合うよう性質を変化させる。

人類の場合は、進化の過程で、家や都市空間や道具で人為的環境を作り、自らを適応させてきた。それを人類学で「自己家畜化」と呼ぶ。人も、学校など人為的な群れで画一的に管理されればストレスが生じるのは当然だ。急激な情報化など「体外進化」への不適応がそれに拍車をかける。

社会には反抗や逸脱の仕組みも必要で、それが柔軟さや変化を生む。強圧的に管理すれば、ストレスは弱者に向かう。今の日本は、事故家畜化が講じた自縄自縛状態にある。社会の中に「野生」を少しはとりもどす必要があるだろう。

夏のモンゴル草原では、家族で家畜の乳搾りに精を出し、隣でじいさんと孫が相撲に興じる。しかし厳寒の冬には、吹雪が襲う。総出で子羊の群れをゲル(移動式住居)に導きいれ、火を焚いて皆で温まる。子どもは大人たちの強さと優しさを知り、「共同」を学ぶ。

日本でいまかけているのは、そうした幼児期からの「学習」だ。欠如が世代を超えて連鎖する。自然も家庭も地域も「学習」の場を提供できないのが現実なら初等教育にその機能の一部を持たせたらどうか。

例えば、都会と田舎の学校が一時期生徒を交換する「遊牧システム」はどうだろう。農作業体験や野外の自炊体験もいい。都会の学校には「実験農場」や「自然遊園」がほしい。擬似自然でも無いよりましだ。

日本では個性的な子がいじめに遭いやすい。外国人児童もそうだが、あるブラジル人集住地域の学校で、先生がポルトガル語で授業をしてみると、落ちこぼれていたブラジル人の生徒が自信をとりもどした。日本人生徒は「言葉の壁」を体験して、外国人生徒の苦悩を知った。以後、いじめが消えた。発想の転換が「問題」を異文化理解の「好機」に変えた好例だ。

先生も多様性への包容力を持ってほしい。社会人採用と民間施設やアジア諸国への研修は有効だろう。

いじめや虐待による子どもの死は、人間社会の最悪の病の兆候だ。人間を育む豊かな自然と多様な文化を大切にする「共生社会」、すなわち、子どもたちが生きる楽しさを実感できる「あたりまえの社会」の再構築にこそ知恵と税金を最優先に投入すべきだ。

稲村 哲也   愛知県立大教授(文化人類学)
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by lumokurago | 2006-12-21 11:35 | 子ども・教育
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