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生田弁護士講演会記事

こちらはひらのゆきこさんのJANJANの記事です。
ひらのさんいつもありがとうございます。とてもいい記事でうれしいです。

主権の実現は“等身大”の裁判で~日本は裁判“後進国

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 講演会の様子=筆者写す

 5月16日(水)午後6時30分より杉並区産業商工会館(東京都杉並区)で、生田暉雄弁護士による「主権実現の手段としての裁判」と題する講演会がありました。(主催:杉並の不当な教科書採択取り消し裁判の会)

 生田暉雄さんは元裁判官で、各地で行われている教科書裁判(本人訴訟)を手弁当で支援している弁護士さんです。

●生田暉雄弁護士のお話

 生田さんは、主権実現の手段として選挙があるが、選挙の場合はマインドコントロールを受けやすく、利権も絡んでいることから選挙では主権を実現することは難しいこと、また、選挙はお金がかかる上にポスター1枚貼るにも困難が伴うので政党などの強力なバックがないと当選しないという現実があることを考えると、「選挙ではどうしようもない。そこで、裁判となる」と述べました。

 デモや座り込みなども有効的ですが、短時間で終わるものは効果がないので、やるなら寝袋や簡易トイレを持ち込み、要求が通るまで何日でも座り込むといったことをしないと、効果は期待できないそうです。効果的なデモや座り込みなどに加え、裁判と選挙を組み合わせてやることがよい、との考えを示しました。

 『論語』に「これを知る者はこれを好む者にしかず、これを好む者は楽しむ者にしかず」とあるように、楽しみながら裁判をやることがもっとも力強い、との認識を示しました。実際、裁判をやってみると面白く、病み付きになる人もいるそうです。安倍総理大臣になにか言いたいことがあっても、普通は口を聞くことはできませんが、裁判となると平等であり、「安倍さん。あんたのやってることはおかしいでと言える。どんなえらい人でも対等に口をきけるのは裁判しかない」と述べ、自分の考えを伝える手段として裁判を活用することの有効性を説きました。

 日本の為政者はできるだけ裁判を起こしてほしくないため、裁判は大変だというイチャモンをつけていますが、生田さんは「裁判は本来そんなものと違う」と言いました。たとえば、ドイツでは行政訴訟が年間50万件あるそうです。日本の場合は2000件。ドイツの人口が8000万、日本の人口が1億2000万なので、人口比にすると70万件ぐらいあることになります。もし日本でもこれだけの訴訟数があれば主権の実現ができると生田弁護士は語りました。

 アメリカや韓国などと比べても日本の訴訟の件数は少なく、その理由は、行政訴訟をやっても勝てる見込みがない(勝率約10%)からだそうです。日本の場合、相手側の手持ちの証拠を出させる方法がないため、公務員は訴訟を起こされても嘘をついて逃げ切ることができるそうです。よその国は情報開示の制度が確立されており、アメリカではディスカバリーによって相手に証拠を出させることができるし、最近では中国でもディスクロージャー(情報公開)という制度が設けられているそうです。

○ドイツと日本の裁判の違い

 諸外国とのこの違いは裁判に対する考え方の違いがある、と生田さんは指摘しました。ドイツなどでは裁判は真実発見のための手段とする考え方があるので、原告が要求して相手側から証拠を出させることができますが、日本の場合はそのような考えはなく、門前払いをする。ドイツやヨーロッパでは門前払いの制度はなく、この違いはどこからくるかというと、日本の裁判官は国民ではなく政府と最高裁だけを見ているからである、と生田さんは指摘しました。

 上だけを見ている裁判官を「ひらめ裁判官」というそうですが、生田さんは、最高裁が意図的にこの「ひらめ裁判官」を作っているのではないか、と述べ、背景に司法における行政の関与を指摘しました。基地のある地域の住民訴訟や戦後補償などで住民が勝っては困るため、行政にとって都合のいい判決を出してくれる裁判官を養成する。同じ敗戦国でありながらドイツは民主的な方向に努力しているのに、日本の司法が戦前と同じような体制を維持しているのは、日本は戦後も戦前の体制が残ったため仕組みもそのまま残ったからである、との認識を示しました。

 生田さんが住んでいる愛媛では、去年の暮に成立した「教育基本法改正」は違憲であるとして、この法案に賛成した内閣を代表する安倍晋三総理大臣と愛媛選出の国会議員7名を、憲法遵守義務を怠ったとして損害賠償を求め、裁判に訴えるそうです。生田さんは原告287人の訴訟代理人として裁判を支援するそうですが、裁判についてはクリアしなければならない問題があるそうです。

 それは、法律を違憲としてよいかどうか、ということです。憲法81条(憲法81条:最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である)の規定が曖昧なため、最高裁が憲法裁判所なのか、普通の裁判所なのか、見解が分かれるそうです。生田さんは、81条は憲法裁判所でもある、と述べ、過去の判例で、警察予備隊(自衛隊の前身)は違憲だとする訴えで、最高裁が「最高裁は憲法裁判所ではない」として訴えを棄却したことに対し、「最高裁の判決はおかしい」と反論しました。

 「81条は司法裁判所として定めたものであると言っているが、具体的に事件が起きてから審理をするから司法裁判所なのか。その理屈はおかしい」と述べ、「(判決は)世界を納得させるものでないとおかしい。恥かしい判決であり、無効にすべき」との考えを示しました。

 「最高裁の判決でもおかしいものはおかしいと言っていかなければならない。納得のいく正当な判決なら従うが、そうでない場合は最高裁が言ったからといって従ってはいけない。そういう世の中になってしまう」と述べ、最高裁が言ったからといってただ諾々と従うのではなく、自分の頭で考え、自分の頭で判断して行動することの必要性を訴えました。

 最高裁が27億円ものカネを出し、違法な「やらせタウンミーティング」をやったことが明らかになっています。また、違法な遡り契約や、調書を作る契約書で新聞社と契約を結んでいたこともわかりました。最高裁のずさんなやり方に批判の声があがりましたが、生田さんは、27億円がどのような種類のカネであったかに言及しながら、最高裁は多くの人が考えているような公明正大な場所ではないことを明らかにしました。

 日本の戦後の仕組みについてドイツと比較し、徹底的に叩き潰され、木っ端微塵にやられた国と、無条件降伏をして天皇制がそのまま残り、戦前の仕組みをそのまま引く継ぐことになった国とでは、戦後処理1つとっても大きな違いがあると、生田さんは指摘しました。たとえば、ドイツは戦後補償の予算を1年間8兆円使っていますが、日本の場合はODAも入れて1兆円だそうです。マッカーサーが天皇を使って戦後処理をしてきたために、ますます日本の戦後処理がおかしくなり、裁判官は戦争責任を問われることなく占領軍にゴマをすって生き延びてきた、と語りました。

 このような日本の現状にあっては、主権者として考えを新たにし、腹をくくってやることが重要であると述べ、主権の実現として選挙だけではなく、裁判をどんどんやることの必要性を訴えました。「主権者として主権が実現すれば世の中は変わる」と述べ、社会の変革のために裁判をすることを呼びかけました。生田さんは「裁判は楽しい。面白い」と述べ、裁判はお金がかかると言われているが、弁護士をつけない本人訴訟なら印紙代だけなのでお金がかからないと語りました。

 日本の場合、諸外に比べて印紙代が高いので、賠償金が大きいと印紙代も高いが、少なければ安いので、自分たちで裁判をやればお金はほとんどかからないそうです。もしわからないことがあれば裁判官に聞きながらやればいいそうです。裁判官は公務員なので、教える義務があるそうです。「裁判官の協力を得ながら、楽しみながら主権実現をする。それが世の中を楽しくする」と述べ、主権実現の手段としての裁判を活用することを呼びかけました。

 生田さんのお話のあと、質疑応答がありました。

●質疑応答

質問 仕組みをどのように変えていけば裁判所が真実を審理する場となるのか。裁判所が正しい判断をしていけば、国民の意識も変わるのではないか。そのための仕組みをどう変えればいいのか」

生田 要求していかないと通らない。裁判で意見陳述を毎回やっていくなど、努力が必要。裁判所がおかしな判決を出したら、裁判所を訴えることができるかどうか。難しいが、やらなければなにも変わらないので、おかしな判決が出たらどんどん訴えたほうがいい。あきらめてはダメ。西松建設の戦後補償の裁判も、判決がおかしいので裁判所を訴えたほうがいいのではないか。ドイツの例を出しながら、公務員としてどうあるべきかを追求していく。裁判所には嫌われるかもしれないが仕方がない。

 裁判官が少ない。裁判官の数がヨーロッパの10分の1。それでやれるはずがない。裁判官は手抜きせざるを得ない。そのツケが国民にくる。日本の裁判はおかしいことがいっぱい。どう変えていくか。おかしいものはおかしいと言っていく。気がついたところからやっていく。傍聴人は裁判を聞かせてもらいにきているのではなく、監視にきている。国民として裁判を監視する。そういうつもりで、意見を言って裁判所を変えていく。裁判所が正しい判断をすれば社会通念として国民の意識が高まる。

 ドイツではスーパーの2階に裁判所があるところもある。市民に開かれている。日本の場合、コンクリートの塊のような最高裁の建物に象徴されるように、裁判所が国民と乖離している。国民が利用しやすいのが根本。だれのための裁判所か。なんのためにあるのか。選挙と同じように、国民に開かれた裁判にしていかなければ主権の実現はない。

質問 改憲手続き法が強行採決された。改憲まで暴走する危険を感じている。教育基本法改正は違憲だと思う。訴訟を起こすということだが、今後どんな展開を考えているのか。

生田 今回の訴訟は、憲法に違反している教育基本法改正案を、違法な「やらせタウンミーティング」で世論を誤操作、誤誘導したことに対し、被告ら(安倍晋三総理大臣と愛媛選出の国会議員7名)は憲法99条(憲法擁護義務)及び内在的違反、国家公務員法違反等により法的責任があるとして損害賠償を求める訴えをした。現在、東京、栃木、愛媛、横浜などで、訴訟に向けて活動している。準備中のところや、手紙で問い合わせがきているところもある。改憲手続き法については、裁判に馴染むならやっていくことを考えていきたい。

質問 裁判官をもっと増やしたらどうか。

生田 人を増やすということは自分が無能だということになるので、増やしてくれと裁判官は言わない。人より早くやろうとするのが裁判所の実態。毎月成績表が回り、何件落としたか聞く。ある裁判所にいたとき、月末になると所長が人を集めて「今月はこれぐらいしか判決が出ていない。赤字になる。和解で頑張ってほしい」と言った。その発言は問題だと言うと、生田君、お前が問題だと言われた。

 そのような状況の中でやっている。大変だから人を増やせとはだれも言わない。日本の裁判は世界の中でも遅れている。日本は人権後進国として有名。条約の批准について国連から注意されている。政府はそのことを国民に明らかにしない。国際社会で日本の地位は低い。国際社会から見たら日本はホリエモンと村上だと思われている。

●筆者の感想
 裁判というと敷居が高い感じで一般に馴染みのない人が多いと思いますが、生田さんのお話を伺い、よその国はスーパーの2階に裁判所があるところもあるなど、裁判所が市民に開かれていることを知りました。行政訴訟の件数などもドイツと日本では雲泥の差がありますが、その理由の1つに、日本の場合は相手側が持っている証拠を出させる仕組みがなく、裁判をしても勝てる見込みが少ないことがあるようです。

 裁判所が真実発見の場としての認識が確立されているドイツなどと比べ、日本の場合は、裁判官が国民ではなく政府や最高裁を向いているために、前近代的なやり方が続いているというお話も、元裁判官の生田さんのお話だけに説得力がありました。行政や最高裁によって「ひらめ裁判官」が養成されているということですが、主権実現の手段としての裁判をするためにも、このような前近代的な裁判所の在り方を変えることの必要性を強く感じました。
(ひらのゆきこ)
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by lumokurago | 2007-05-20 19:30 | その他裁判関係
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