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力ずく「強制退去」執行

6月1日に行われた安倍裁判第3回口頭弁論の報告記事がJANJANに掲載されました。
ひらのさん、臨場感溢れる記事をどうもありがとうございます。

読者として客観的に読むと、当事者であった時よりも、何倍も怒りを感じるというのも不思議です。

強制退去~「杉並の不当な教科書採択取り消し裁判」第3回口頭弁論

 6月1日(金)午後1時15分より東京地方裁判所で「杉並の不当な教科書採択取り消し裁判(平成18年〈ワ〉第20396号 安倍晋三等に対する損害賠償請求事件)」第3回口頭弁論が行われました。

 今回、原告のみなさんはヒラメの絵柄のついたお揃いのピンクのTシャツを着て法廷に入廷しました。松井英隆裁判長ほか裁判官2名、原告9名、被告指定代理人2名、書記官2名、司法修習生4名。傍聴人約30名が見守る中、弁護士のいない本人訴訟の裁判が始まりました。まず、松井裁判長から右陪席が変わったとの報告がありました。次いで、原告、被告双方に準備書面等の確認をしたあと、今日の審理の時間は全体として15分を予定していることを伝えました。準備書面の陳述に先立ち、原告側から「録音はダメですか?」との質問がありましたが、松井裁判長から「ダメです」との答えがありました。原告が「『議員の会』結成趣旨自体が改定前の教育基本法第10条違反とする」とする準備書面(14)を読み上げました。

『議員の会』は教育基本法違反

 「被告は準備書面(2)で『若手議員の会』とは『中学校歴史教科書に従軍慰安婦の記述が載ることに疑問を持つ』若手議員が集り、『歴史教育のあり方について研究・検討すると共に、国民的議論を起こし、行動することを目的として発足した国会議員有志の研究会である』と述べている。たしかに『議員の会』の結成趣旨は被告の述べた通りであるが、この『議員の会』結成自体が教育基本法第10条に違反する違法行為である。『従軍慰安婦』については、92年、吉見義明教授によって防衛研究所図書館から資料が発見され、政府は92年、93年の2回に渡って調査結果を発表し、軍・政府の関与と強制性を認めた。93年に『河野談話』が発表され、以後この談話が日本政府の公式見解となっている。

 さらに15年に渡って争われてきた『慰安婦』裁判では、軍の関与・強制性・被害事実があったことが明らかとなっている。『従軍慰安婦』問題は日本政府として事実認定したものであり、それが気に入らないという理由(自虐史観)で歴史教科書から『慰安婦』記述を削除させ、『新しい歴史教科書』普及を目的とした『議員の会』を結成したのだから、結成趣旨自体が改定前の教育基本法第10条違反であることは明らかである。政治家が教育に口出しをすること、ましてや戦争教育の根幹に関わる歴史教科書を、その圧力をもって思いのままにすることは、教育基本法第10条が禁じた『教育への不当な介入』以外の何ものでもない。裁判所は良心に基づき、公正な判断をされるようお願いする」。

 続けて「被告安倍等の行ってきた『議員の会』による『圧力・恫喝』は改定前の教育基本法第10条に違反する」として、準備書面(15)を読み上げました。その要旨は、「議員の会」の国会議員が政治権力を背景に「圧力・恫喝」をしてきた事実を具体的に示し、裁判所においては被告安倍等の行ってきた「議員の会」による直接的な「圧力・恫喝」はすべて改定前の教育基本法10条違反であるとする判決を求めたい、というものです。これらの準備書面を原告の女性が読み終えると傍聴席から拍手が起こりました。それに対し、松井裁判長から「(拍手は)やめてください」との注意がありました。

 また、原告が準備書面(16)(17)をまとめて陳述したいと伝えると、松井裁判長が慌てながら、「ちょ、ちょっと待ってください」と言い、書記官となにか話をし、(書面に原告の押印が必要だったらしく)原告に印鑑を押してもらったあと、陳述を許可しました。その作業に少し手間取ったので、ほかの原告が「この分は時間に入っていないんですか?」と確認すると、松井裁判長が「入っていません」と答えました。時間については再三注意を受けているので、遵守すべく原告側は努力しており、「貴重な時間」を大切に使いたいとの発言が原告からありました。その後、後ろに座っていた原告の女性が、準備書面(16)(17)を読み上げました。

『議員の会』は自民党有志の政治団体

 「『議員の会』は『研究会』ということですが、学術論文を学会等に発表しているとはついぞ聞いたことがありません。この研究会は、とくに『従軍慰安婦』問題については高い関心を示していますが、その研究テーマに基づく調査や論文が学術的に評価されたという報道も耳にしたことがありません。議員の会の論文が掲載された学会誌を示してください。一般に知られている『議員の会』の主な活動は、政府、学会、メディア等への『提言』と称する圧力行為です。歴史教科書や『従軍慰安婦』の記述について、『議員の会』は、文部省や総理大臣、大学入試センター等へ、一方的な見解を猛烈な勢いで『提言』しています。論文の発表とか、そういう穏やかな方法ではないんです。このほか、被告安倍はNHK番組『問われる戦時性暴力』への政治介入事件で東京高裁において『相手方の発言を必要以上に重く受け止め、その意図を忖度』されたと事実認定されました。

 『議員の会』は研究会や同好会なんかじゃありません。『従軍慰安婦はなかった』ことにするための政治団体なんです。さらに、被告らはおかしいことを言っています。『議員の会』は自民党と何の関係もないと言っているのです。こんなおたまじゃくしと蛙は何の関係もないという議論を私たちはしなければならないんでしょうか。どのメディアが取り上げるときも、『自民党有志の議員の会』と最初に『自民党有志』とつきます。しかも、自民党本部で会合をひらくんですよ。被告らの自民党とはなんら関係ない、という主張は明らかに失当です。したがって、『議員の会』『国会議員有志』と述べていますが、『自民党国会議員有志』と訂正してください。

 最後に、被告人陳述によると、『政治家がよりよい政治を行うために意見等を政府に申し入れることは正当な議員活動にほかならず』ということですが、この言葉は教育にはあてはまらないことはみなさんもよくご存知だと思います。教育基本法10条は、『戦前教育は教育行政が教育内容の面にまで立ち入った干渉を可能にし、遂に時代の政治力に屈して、極端な国家主義または国家主義的イデオロギーによる教育・思想・学問の統制さえ容易に行われるに至らしめた制度であった』と記述しています。被告安倍は『戦後レジウム』からの脱却を目指していますが、『戦後レジウム』とは日本国憲法に代表される、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重であり、民主主義です。被告安倍が『戦後レジウム』から脱却して行き着く先は戦前であり、国家主義、軍国主義、思想統制にほかなりません。私たち原告は、そんな被告安倍に加担することは絶対できません。そのような道に、私たちの子どもをゆかせるわけにはいきません。そんな、戦前に戻るわけはないとお考えですか? (つくる会の教科書を示しながら)この教科書には、それが書いてあります。教育勅語が載っているんですよ。

 この祝祭感あふれるページを見てください。子どもたちに教育勅語が示す道にゆかせるように書かれているのです。松井さん(裁判長)は自分のお子さんをゆかせることができますか? 内田さん(新しい右陪席)、大倉さん(左陪席)はいかがですか? 被告のいう『戦後レジウムからの脱却』すなわち、日本国憲法の理念を捨て、『教育勅語への回帰』に加担しますか? 私たちはこの裁判でまさにそのことを問いかけています」

 原告の女性が、去年の4月から杉並区の中学校で採用されている歴史教科書を手にしながら、熱のこもった口調で訴えると、ほかの原告も「そうそう。本当」と賛同し、傍聴席からも大きな拍手が起こりました。松井裁判長が「拍手はやめてください」と注意しました。また、NHK判決には政治家の圧力があったとする判決の一部を読み上げると、松井裁判長が「異なる意見の立場の人を尊重するのがあなたたちの意見であると思います。(NHKの判決については違う見方をしている人もおり)傍聴人の方々にもいろんな意見があると思います」といった趣旨の発言をすると、すかさず、原告の女性が「だから(傍聴人の人たちは原告に)共感して(拍手をして)くれているんです」と言うと、傍聴席から笑いが起こりました。

裁判所の弁論調書は小学校のPTA便り以下

 次に、準備書面(21)で、争点を整理するために以下の4項目を読み上げました。

(1)『従軍慰安婦』問題は日本政府として事実認定したものである。それに対して被告安倍、自民党有志は従来の歴史教科書を排除し、歪曲された歴史観をもつ『新しい歴史教科書』を普及する目的で『議員の会』を結成した。『議員の会』の『結成趣旨』自体が、改定前の教育基本法10条違反である。

(2)『議員の会』は自民党政治団体であり、教育への不当な介入の急先鋒となった圧力団体である。

(3)被告安倍が事務局長を務めていた『議員の会』が準備書面(5)に書いた面々を呼び出して浴びせた『激しい』言葉・発言は「圧力・恫喝」と認定される。

(4)政治家が教育に関連する事柄に対してこのような『圧力・恫喝』を加えることは改定前の教育基本法10条違反である」

 続けて、原告の女性が、準備書面(22)で、第2口頭弁論調書に対する異議申立と要求を行いました。裁判所の弁論調書は内容について記載されておらず、なにが審議されたかわからないこと、これでは小学校のPTA便りのほうがもっと記録がしっかりしていること、原告側の記録に基づいて第2口頭弁論で審理された内容を列挙するので調書に付け加えてほしいこと、などの要望を伝えた上で、次回からは原告の手を煩わせることなく、このような仕事は本来の職務である書記官が担うべく裁判長は指導してほしい旨、要請がありました。原告の訴えに対し、松井裁判長は苦笑しながら聞いていました。原告側が要望していた準備書面(12)について、松井裁判長が陳述を許可すると、原告席から拍手が起こりました。原告の女性が「真実を選ぶことはポジティブな行為」とする準備書面(12)を読み上げました。

 「市民運動に人生を捧げているのでもなく、戦後補償問題の専門家でもない派遣労働者の私の『意見』を聞いてください。私が改正前の教育基本法10条の存在を知ったのは、つい昨年でした。もし、『つくる会』の教科書がすばらしい教科書で真実しか述べていないのであったとしても、政治家が圧力をかけて特定の教科書を採択させるは不当なので裁判をする意義はあると思いますが、自分自身が裁判に関わるかどうかについてはためらいがあったと思います。日本政府が『慰安婦問題』に関して国際法論争で、国連人権委員会やILOの『日本政府に法的責任あり』という判断に反論を繰り返してきている事実を、無知な私は最近知りました。衝撃的な事でした。
 『自分の所属する国家の戦争責任を認めることは自分とかつての国家との連続性を断つことによって他者の信頼を回復していくポジティブな行為』と哲学者の高橋哲哉さんが言っています。この裁判の被告(特に安倍氏)も『自分の所属する党、議員の会、の教科書への不当介入を認めることは、自分と党・議員の会とのつながりを断つことによって原告の信頼を回復していくポジティブな行為』だということをわかってくれるとよいかと思います。それには裁判官の皆様が、行政の圧力に屈せずに真実を選ぶことは、たとえその道は困難をきわめても裁判官生命を蘇らせるポジティブな行為、つまりそれぞれの方々が、ご自身で後日この裁判を振り返ったとき、決して悔やむことのない正しい行為であったと思えるかどうか、そのことを考えていただくことに関係してくると思います」

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 本件を担当する3名の裁判官。左から、内田さん、裁判長の松井さん、大倉さん。原告は、市民と裁判官は対等の立場として裁判官を「さん付け」で呼んでいる。(画/原告の渡辺容子さん)

混乱のなか、強制退去

 原告の女性の訴えに対し、ほかの原告から「そうだ」という声があり、傍聴席から大きな拍手がありました。松井裁判長からまた「ちょっとやめてください」との注意がありました。そのあと、松井裁判長がよく聞き取れない声で、突然「口頭弁論を終結・・・次回期日は8月……」と言って立ち上がり、退廷しました。原告席から「ちょっと待ってください!」という声が上がり、すぐに「(裁判官を)忌避します」「忌避します」という声が複数の原告からあがりました。原告の女性の1人は松井裁判長が終結の発言をする前に、これは結審だと思い、「忌避申立」をしたそうです。傍聴していた男性もそのことを確認しているそうです(女性は松井裁判長が「口頭弁論を終結……」といった直後にすぐに「忌避します」と発言し、そのあとに松井裁判長が次回期日を告げた)。松井裁判長の声が小さく、全部言い終わらないうちに立ち上がっているような感じだったので、驚いている間にすべてが終わってしまい、傍聴人はことの次第をよく飲み込めないうちに気がついたら裁判官がいなくなっていたという感じでした。

 傍聴席からも次々に抗議の声があがりました。書記官の男性が、松井裁判長は終結の挨拶をしたこと、次回の期日は8月31日午前11時30分からであること、忌避については裁判が終結した後に申立をするので、忌避の申立をするなら書面でやってほしい、といった説明がありました。原告の女性が「(自分は)終結前に忌避をしました」と告げると、書記官は(忌避は全員)終結した後だとする主張を繰り返し、押し問答になりました。原告からは「なんですか、このやり方は」「ここまで誠実にやってきたのに、逃げるのは許せない」との激しい憤りの言葉が投げかけられました。小学生のお子さんのいる原告の女性は「子どもの命がかかっているんだよう。裁判所が止めなければ戦争になってしまう」と必死に訴えましたが、書記官や裁判所の職員は「これで終わります。退席してください」の一点張りでまったく聞く耳を持ちませんでした。

 納得のいく説明をしてほしいという原告と傍聴人の訴えに対し、書記官たちは「裁判は終わりました。退廷してください」と繰り返すだけなので、原告と傍聴人はそのまま傍聴席に留まりました。次の裁判が終わるのを待って、松井裁判長に説明責任を果たしてほしいとの要望をすると、松井裁判長は「傍聴席、静かにしてください」と注意をしました。これまでの2回の口頭弁論のときと同じように、ほかの裁判では次回期日を決めるとき、原告と被告の都合を聞いてから決めているので、そのことについても抗議をすると、松井裁判長は「傍聴席、静かにしてください」との注意を繰り返しました。松井裁判長と2人の裁判官が退廷したあとも、裁判所の説明を求め、電気の消えた暗い法廷の中に数名の原告と傍聴人が残り、裁判所の職員に訴え続けていました。「終わっていないのに終わったことになっているのはおかしい。そのことを説明してほしいだけです」という原告の訴えに対し、裁判所の職員は、法廷を閉めるのであとは民事43部の書記官室で説明をするのでここを退去してほしいと説得していました。「裁判は終わっていないのだから、説明ならこの法廷でしてほしい」とする原告の声が、法廷の外の戸口に立っている筆者の耳に聞こえてきました。

 膠着状態が続き、裁判所の職員が慌しく無線で連絡を取り合い、警備員らしい屈強そうな男性がたくさんやってきて、廊下の向こうの法廷の前に待機しているのが見えました。法廷の中にいる裁判所の職員と外にいる職員が目で合図をし、「最後の警告です。すみやかに退廷してください」と中の職員が警告を発し、次いで外の職員の「執行」という掛け声のもと、待機していた警備員たちが一斉に法廷に入り、午後2時47分、原告と傍聴人数名が強制退去させられました。

筆者の感想

 強制退去というのをはじめて見ました。ごく一般の市民が、政権与党とその代表である総理大臣に対し、中学校の歴史教科書採択において「(権力による)不当な介入」があったとして、改定前の教育基本法10条に違反にすると訴えた裁判で、このようなことが起こるとは予想もしていませんでした。これまで2回の口頭弁論では、弁護士のいない本人訴訟ということで、審理の進め方など松井裁判長の指導を仰ぎながら大変な労力を伴う準備書面も用意し、真摯に対応してきた原告の熱意に対し、誠実に対応してくれていたように思われた松井裁判長が、突然、一方的とも思えるようなやり方で、結審を告げたことは驚きを禁じ得ませんでした。

 しかも、書記官以外、ほかのだれにも聞こえないような小さな声で、裁判終結と判決期日を言い渡し(と書記官が主張している)、逃げるように法廷を立ち去ったことは、大変残念であるとの感想を持ちました。さらに残念だったのは、裁判所の対応です。裁判の当事者である原告が、いつ裁判が終わったのか教えてほしいと訴えているだけなのに、屈強な男性たちが大勢やってきて女性たちを取り囲み、力ずくで強制退去させたことは大変問題があると思いました。

 「執行」という声を合図に、近くで待機していた裁判所の警備員たちが大勢やってきて女性たちを連れ出す光景は、見ていて恐怖感を伴うものがありました。強制退去された原告の女性たちは、目に涙を浮かべている人や、青ざめている人たちもいました。当事者として、ただ裁判がいつ終わったのか教えてほしいと訴えているだけなのに、犯罪者のように扱い、強制退去をさせる裁判所の対応を見ながら思ったのは、裁判所はいったいなんのためにあるのか、ということでした。
(ひらのゆきこ)
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by lumokurago | 2007-06-03 11:52 | 安倍裁判
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