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『若者の労働と生活世界』を読んで

『若者の労働と生活世界』を読んで

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 編者:本田由紀 出版社:大月書店 定価:2400円+税

 この本は30歳前後の若手研究者たちによる9章に渡る論文から成る。各章の終わりの「注」に、非常に多くの書籍や論文が載っていることからわかるように、かなり専門的な論文集であり、筆者が読みこなすにはむずかしかった。しかし、彼らの、コンビニや介護現場、ストリート……いわゆる「フィールド」に出て若者たちの生きている現実を捉えようとする試みは真摯であり、「過食症」「援助交際」といった「病理(逸脱)」とされる対象に新しい視点で関わっていく姿勢も好ましく思えた。

 グローバル経済競争の激化によって、雇用不安をはじめとし、長い間続いてきた経済や社会のしくみ、ありようが激変した。先の見えない不安と混沌に、人々は毎日をただ忙しく走るのみで、疲れきっているように見える。30年前、40年前を知る者から見ると、こんなに大変な世の中がかつてあっただろうか、と思うばかりの生きづらい世の中である。

 そんな中で若者たちは社会が生み出したさまざまな困難や矛盾にさらされてもがいている。彼らは未熟であり、狡猾な世渡りとは程遠いからである。しかし、いや、それだからこそ、この社会を作り変えていく萌芽が若者の中にこそあるのではないか。そのことを若い研究者たちのしなやかな感性やとらわれない手法に感じることができる。そしてそれはまたこの本に登場する若者たちの中にもほのかに感じることができるのである。

 この本の編者の本田由紀さんは、若者にこだわる理由として、「彼らにおいて日本社会の変貌が、凝縮されたかたちで表れているからである」とする。同感である。そして年長者は彼らを「共感をもって理解することができず、批判的に記述したり、自らと同種で共感可能な存在へと強制しようとしたりすることがしばしばである」と述べる。「しかし、このような年長者の姿勢は不毛である」。全く同感だ。「若者に先鋭的に表れている変化は、いずれは年長者をも―先に老いて死ぬという手段でもって逃げ切らない限り―巻き込むものであり、それを直視し正面から機敏に社会全体で対処しなければ、この社会とそのなかで生きる個々人の将来にわたる存在さえ危ぶまれるかもしれないからだ」。

 引用が長くなったが、“変わった”のは社会であり、若者(や子どもたち)はその社会の中で真摯に苦しんでいるのである。そして社会を変えたのは(若者ではなく)年長者一人ひとりである。

 社会人としての私たちは、最終章の湯浅誠さん(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい)、仁平典宏さん(共著)の論文が提起するように、現在の政治は社会全体から、「社会保障」的な役割をはぎとり、いわゆる「自己責任論」へと収束させる方向に加速度的に向かっているのであり、このままでは若者がいくらがんばっても社会に押しつぶされてしまうであろうことを考えなければならない。この社会を作り変えていくのは若者も年長者も含めた私たち一人ひとりなのである。
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by lumokurago | 2007-08-10 17:52 | JANJAN記事
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