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「世界中を『南極』にしよう」を読んで

『世界中を「南極」にしよう』を読んで

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 著者:柴田鉄治 出版社:集英社 定価:680円+税 

 1965年、30歳の時、朝日新聞記者として第7次観測隊に同行した著者が、2005年、40年ぶりに南極を訪れ、昭和基地で71歳の誕生日を迎えた。私も著者と一緒に南極の旅を楽しみ、一気に読んでしまった。テーマごとに70歳の著者と30歳の著者の対話があり、興味深い。

 著者の持論は「南極条約によって、南極は国境もなければ軍事基地もない、地球上で人類の理想を実現した唯一の場所となった。地球と人類が生き延びるためには、世界中を『南極』にしなければならないのだ」である。

 著者は小学校に入った年に太平洋戦争が始まり、子ども心にも二度と戦争はごめんだという思いが強く、「平和と人権を守る」ジャーナリズムの仕事に入った。このテーマについても70歳の著者と30歳の著者の対話が行われているが、70歳の著者は40年前のベトナム戦争の時、日本のメディアはそろって反対したのに、イラク戦争ではそろってバグダッドから記者を引きあげてしまい、「戦争に反対する姿勢が弱まっただけでなく、ジャーナリスト精神まで衰退してしまった」と暗い気持になっている。それに対して30歳の著者は「新聞記者のOBとして後輩たちにガンガン言うべきですよ」と励ますが、70歳の著者は「最近は朝日新聞の幹部たちから煙たがられて、がっくりしてしまう」と言っている。そこでもう一度南極に行って元気を取りもどそうという旅でもあったのである。

 今回も各国の協力による見事な連係プレーで病人を日本に送り返したり、怪我をしたドイツ隊員の治療を行ったりと、著者は「国境のない南極」のすばらしさを体験した。著者は南極旅行中、終始、「人間の理想を先取りした国際的枠組み」としての南極条約の意味、そしてそもそも「国家ってなんだろうか」ということを考え続けたそうである。私もこの本を読みながら、著者と一緒に「国家ってなんだろうか」と考えた。

 その結論は出ないが、「戦争をなくすにも、地球環境を守るにも、各国が自国の『国益』ばかり考えていたら解決しない」という筆者の結論はその通りである。人類が地球で生き延びていくためには、「夢物語」だといわれようとなんだろうと、「国益にとらわれず、地球をまるごとひとつに考える視点」を持つことが必要である。筆者はそのために南極をもっと利用しようと提言している。

 かわいいペンギンの描写や隊員たちの南極での生活など、読み物としてもおもしろく、南極についての入門書ともなっている。筆者の体験に基づいた南極論は決して夢物語ではないし、これが夢物語とされてしまえば人類に未来はないのではないだろうか。
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by lumokurago | 2007-08-17 23:51 | JANJAN記事
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