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ミーニシ吹く島から

森口豁さんの「ミーニシ吹く島から」は忘れられない本です。乳がんになっていつ死ぬかわからないからと、荷物を整理し、本も大部分は処分してしまったのですが、これは残してある本の中の大事な1冊です。副題が「極私的沖縄論」です。裏扉に私の字で「あきさみよう大和ぬ世 語やびら沖縄世 1982.4.25」とあります。28歳の私はこんな集会に参加し、この本を買ったようです。今回持参して読み返しています。

本の題名についてちょっと解説すると、「ミーニシ」は沖縄に吹く冬の一番風。「北」とは「ヤマト」のことです。以下引用・・・

「沖縄の近代史は絶えず〈北〉からの風、冷たいミーニシに吹き曝された歴史であった。〈新北(ミーニシ))はあたかもそれが季節風であることそのままに、あるときは政治の季節に、あるときは経済の季節にと、勝手気儘に吹きつける。そのミーニシの巻き起こるところ、海を隔てた北のあそこに、島びとたちのいう(ヤマトウ)は在る」

少しだけ抜書きします。以下引用・・・

****
「私たちがいちずに待ちつづけた復帰がこんなものだったのかと思うと、もう空しくて、辛くて、やりきれなくて・・・なんともいいようのない気持ちになるんです・・・」

こう静かに語りだすのは仲宗根政善氏、62歳、琉球大学教授です。24年前の春から夏にかけて教えた子たちと連れだって沖縄南部の山野をかけまわったこの人。額に刻まれた1本1本のしわに、ひめゆり部隊として散った乙女たちの面影が刻み込まれているかのようです。

「私たちが夢にまでみた祖国復帰、それは、とりもなおさず、戦争とは全く無関係な沖縄に戻ることなのです。それがどうでしょう。基地はそのまま、だいたいあの〈本土並み〉という言葉は、国民をあざむくにもほどがあります。いったい、あの人〈佐藤さん〉はどれだけ私たち沖縄の人たちの気持ちをわかってくれているのでしょうか」

表情一つこわばらせることなく物静かに語りつつある老教授の視点は、本土の国民にも向けられます。

「沖縄が還った、沖縄が還った、と大さわぎをするんでしょうね。それがまた私にはたまらなく情けないんです。沖縄には日本全国にある米軍基地と同じだけの基地があるのです(引用者注:その後もっと増やされ、日本全国にある米軍基地の約75%が沖縄にある)。本土に比べて百倍も二百倍もの基地の密度があることをそのままにして、〈本土並み〉、それは結構、とはなにごとですか。むしろ、本土は、沖縄にある基地を全部、抱き取ってくれるぐらいの親ごころがあってもよいではありませんか。基地多いがゆえの、あらゆる悲劇を知らないでおいて、〈本土並み)で返還されたのだからいいことではないかなどと・・・なんで沖縄だけがこんなに不幸でなければならないんでしょうか。ああ・・・」

ためいきのあとにつづく沈黙、額を覆うようになでまわすその両手の間から、悩み、苦しみ、そして耐え抜こうとする、疲れた目がのぞきます。

ここまで引用

つづく・・・

by lumokurago | 2007-10-01 17:10 | 社会(society)
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