人気ブログランキング | 話題のタグを見る

暗川  


写真日記
by lumokurago
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
検索
リンク
ご感想をお寄せ下さいmailto:lumokurago@yahoo.co.jp

嫌がらせコメントは削除させていただきます。

必ずしもリンクするHPの意見、すべてに同調するわけではありません。ご自分で情報を選んでください。

原子力資料情報室

小出裕章非公式まとめ

沖縄タイムス

暗川メインページ
私の下手な絵などを載せています。

杉並裁判の会
私たちの裁判の会です

ポケットに教育基本法の会

「つくる会」教科書裁判支援ネットワーク

もぐのにじいろえにっき
もぐちゃんのページ

プロテア
リリコおばさんの杉並区政ウォッチング

鬼蜘蛛おばさんの疑問箱
松田まゆみさんのページ

熊野古道の路沿い
鈴さんのページ

風に吹かれてちゅちゃわんじゃ
小笠原父島で農業をやっているサエちゃんのブログ

三宅勝久さんのブログ
杉並区在住のジャーナリスト

カテゴリ
以前の記事
ライフログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

「ミーニシ吹く島から」つづき

以下写します。
*****

10年余り前、<わが>国の総理大臣・岸信介を乗せた飛行機が東南アジア諸国からの帰途、那覇の飛行場に立ち寄った。日本の総理大臣が(たとえ滑走路であろうとも)戦後この島にやって来るのは初めてだ。新聞記者がわっとつめかけた。だが飛行機からはいっこうに降りてこない。現地のジャーナリストには、沖縄を分け隔ておく日本の宰相に聞きたいことはいくらでもある。

岸信介首相は機内で雑誌を読んでいた。しびれをきらした記者たちはその席の周囲を取りまいたのだが、この日、<わが>国の総理大臣は、とりすがる現地の記者らに声をあらげてこういったものだ。

「オレは疲れているんだ。ここからすぐ出ていってくれ。・・・おい、パーサー、この人たちを外へ出してくれ!」

社会党の故浅沼稲次郎がやはり那覇空港で新聞記者のインタビューに対して、「沖縄には日本語の新聞があるのか?」とやった話は本土の革新に期待しつづける沖縄の人たちの忘れることのできない心の痛みだし、近年訪れた公明党の沖縄調査団が、空港からまっすぐ<琉球政府>主席を訪ね、開口一番「主席、祖国復帰というけれど、どこにも赤旗1本立ってなければ、デモもしてないじゃないですか!」と切り出して、時の自民党主席をして怒らせた話もまた忘れ得ない。




中略・・・

沖縄の問題は多くの場合<沖縄>と<本土>という相対峙する形でとらえられ、考えられるが、それは本質なのかどうか―。私の13年間はその多くを<本土>に向って、声を発し、作品を発表し、ニュースを送りつづけているのだが、このごろ自分にとってそういうことが疑問にさえなってくるのだ。いったい<他人(ひと)>を信じつづけてよいことなのか―。(信じねばいけないのだろう)。だが頼ってはいけない、頼ってはならないということを、<本土>は過去25年の歴史の中で<沖縄>に教えたから。

4.28沖縄返還デーを翌日にひかえて、共にプラカードを書き、共にデモをした新聞社の友が、この島の南端・喜屋武岬の木立の中で首を吊って死んでから、もう12年になる。その友が絶望したそのころの<本土>と今日の<本土>に、いったいどれほどの違いがあるのか。13年の歳月は長いはずだが、その長い過去をふり返りつつ、私はこの沖縄での歩みをもう少し先へ進めなければならない。

<本土>は何も変わっていないのだから。(1971年)

*****

ほんと何も変わっていません。私たちみんなが岸信介です。

by lumokurago | 2007-10-10 22:56 | 社会(society)
<< 沖縄タイムスコラムより 乳がん検診は有効か? >>