暗川  


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控訴理由書その1 書いてみました!

平成20年(行コ)第51号公金支出無効確認等(住民訴訟)控訴事件
控訴人  渡辺容子 外36名
被控訴人 杉並区 外1名

控訴理由書( )
― そもそも私たちはなぜこの裁判を提訴したのか ―

2008年3月13日

東京高等裁判所御中

            控訴人(選定当事者)  渡 辺 容 子

            控訴人(選定当事者)  T.M.


1、「つくる会」教科書とはどんな内容なのでしょうか?

2005年8月12日、東京都杉並区は中学校で使う歴史教科書として「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版歴史教科書(以下、「つくる会」教科書という)を採択しました。私たちはその採択に関わる公金支出が違法であるとして、その無効確認などを求めて、この裁判を提訴しました。




裁判官の皆様はおそらく「つくる会」教科書をお読みになったことはないと存じますので、まず、同教科書がどんな教科書なのか、ご紹介したいと思います。中学校の歴史教科書は8社から出版されていますが、他の7社に比べて、「つくる会」教科書のみがポーンと抜きんでて特徴的な内容となっています。以下にその例を述べます。(詳細は準備書面(2))

「つくる会」教科書は原爆について「8月6日、アメリカは世界最初の原子爆弾(原爆)を広島に投下した」「アメリカは長崎にも原爆を投下した」と原爆投下の事実を2行しか書いていません。それに対して、大阪書籍版は「アメリカは、戦争の早期終結と戦後のソ連に対して優位に立つことをねらって、1945(昭和20)年8月6日、広島に世界で始めて原子爆弾を投下しました。9日には長崎にも投下され、両市はともに数千度の高熱と爆風を受けて一瞬のうちに壊滅し、大量の放射能のなかで多数の一般市民が犠牲になりました。その人数は数週間のうちに広島で14万人、長崎で7万人にのぼりました。その後も犠牲者は増えつづけ、この残虐な兵器によって、半世紀後の今でも放射能による障害に苦しんでいる人が大ぜいいます」と書いています。他7社もコラムなども使って、原爆の被害の大きさと悲惨さについて書いています。

原爆の記述がこんなにも貧弱であるのに対して、「古代」の「読み物コラム」3つのうち、2つに神話がとりあげられています。一つが「神武天皇の東征伝承」です。もう一つは「日本の神話」で、イザナギ・イザナミの命、天照大神とスサノオの命などについて、計3ページも使っています。その上、扶桑社版のドリルには、次のような問題が載っています。

*「日本書紀」で伝えられている、初代天皇とは誰か?
                        (正答:神武天皇)
*その天皇は誰の直系であると伝えられているか? 
  (正答:天照大神)
*その天皇が東征しているとき、道案内をして助けたと伝えられるものはなんであったか?                (正答:カラス)

他7社で神話をこのように取り上げている教科書はありません。

さらに「つくる会」教科書は、侵略戦争であったことを日本政府も認め、それが世界の歴史認識となっているアジア太平洋戦争を自存自衛の戦争だったとするなど、誤った歴史認識に基づいて書かれており、真実を学ぶべき子どもたちの教科書としてふさわしくありません。

扶桑社のドリルにはこんな穴埋め問題があります。

「日本の緒戦の勝利は、( ① )アジアや( ② )の人々に独立の夢と勇気を育んだ。( ① )における日本軍の破竹の進撃は、現地の人々の協力があってこそ可能だった。日本軍の捕虜となったイギリス軍( ② )人兵士の中から( ② )国民軍が結成され、日本軍と協力して( ② )に向けて進撃した。インドネシアや( ③ )でも、日本軍の指導で軍隊が作られた。」
              解答は ①東南 ②インド ③ビルマ

次は生徒自身に答を書かせる問題です

①日本は、占領した東南アジアの各地で軍政をしいたが、東南アジア各地の指導者たちはなぜ日本の軍政に協力したのか。 
(答:欧米諸国からの独立を達成するため)

②数百年にわたってオランダの植民地とされ、『今に北方からやって来た人々によって、われわれは解放される』という伝説のあったインドネシアでは、日本軍をどのような軍ととらえたか。 (答:解放軍)

自分からこのような答を書かせられる子どもたちは、日本が東アジアを侵略し2000万人もの人々を殺戮した事実を知ることはないでしょう。裁判官の皆様は、このような教科書についてどう思われますか?

2、なぜ、このような誤った歴史観を持つ教科書が採択されたのでしょうか?

それは1993年、故橋本龍太郎元首相、森善朗元首相ら自民党幹部が多数参加して結成された「歴史・検討委員会」が端緒となっています。1995年に同委員会が行った「大東亜戦争の総括」は次の4点でした。

① 大東亜戦争(アジア太平洋戦争)は侵略戦争ではなく、自存・自衛の戦争であり、アジア解放の戦争であった。
② 南京大虐殺、「慰安婦」などの加害はデッチあげであり、日本は戦争犯罪を犯していない。
③ 最近の教科書は、ありもしない侵略や加害を書いているので、新たな「教科書のたたかい」が必要である。
④ このような歴史認識を国民の共通認識、常識にするために、学者を使って国民運動を展開する必要がある。

1997年にはこの「総括」を若手議員たちに継承させるために、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(のちに「若手」を名称から削除する。以下、「議員の会」という)が結成され、当初、安倍晋三幹事長(当時)が事務局長を務めました。
 
先の「大東亜戦争の総括」を受ける形で1996年から教科書の「従軍慰安婦」や南京大虐殺をはじめとした加害の記述を「反日的・自虐的」と誹謗し、「教科書から排除せよ」と主張する「自由主義史観」研究会やその他の右派による攻撃が行われました。その中心人物が、西尾幹二氏、藤岡信勝氏、高橋史朗氏、小林よしのり氏らで、現行教科書を「自虐史観」と攻撃するだけでなく、自分たちで教科書を発行するとして、「新しい歴史教科書をつくる会」を結成したのです(1997年1月)。

このように「議員の会」と「つくる会」は双子の兄弟姉妹として共通の目的のために結成され、共に行動してきたのです。2001年3月21日、「議員の会」は自民党本部で総会を開き、教科書の「公正な採択を求め、前面で戦っていく」ことなどを方針として決定しました。

「つくる会」登場以前は、教科書採択は実質的に学校現場の教員の意見を尊重し、教育委員会は教員が選定した教科書を追認して採択していました。ところが、「議員の会」は自民党総がかりで「つくる会」教科書を採択させるために、文部省、内閣外政審議室、歴史学者、中曽根弘文文部大臣(当時)、教科書会社、大学入試センター、河野洋平官房長官(当時)などに圧力をかけました。その様子は「議員の会」自らが編集した『歴史教科書への疑問』(展転社1997)に詳しく書いてあります。

その結果、文部省は「つくる会」教科書を検定に合格させ、「つくる会」「議員の会」の望むとおりに教科書採択制度を「改善」してきたのです。

これらは教育への政治の介入を禁じた47年制定教育基本法第10条に違反する不法行為です。教育がこのように政治の思うままに動かされてしまえば、あの忌まわしい戦前戦中の国家主義・軍国主義教育に転落していくことは火を見るよりもあきらかです。それを反省して政治の教育への介入を禁じたのが教育基本法であったはずなのです。

余談になりますが、「戦後レジームからの脱却」をかかげ、教育基本法を改悪した安部晋三元首相は「議員の会」事務局長であり、「つくる会」教科書推進の中心人物です。安倍晋三元首相の祖父はA級戦犯でありながら、戦後首相の座についた岸信介氏です。岸信介氏は戦争中満州で暗躍した大物ですから、ここには祖父の悪事を孫がなかったことにするという構図が見られます。

さて安倍元首相らの推進によって検定に合格したものの、全国の各採択地区において、法を守って適正に採択を行えば、このような誤った歴史観を持つ教科書は採択される可能性が皆無なため、この教科書を採択させるためには数々の不法行為が積み重ねられています。ゆえにこの教科書が採択された愛媛県、栃木県大田原市でも、採択の違法性を問うた裁判が行われています。杉並区でも採択の裏には数々の違法行為があったのです。

3、なぜ私たちは裁判を起こしたのでしょうか?

私たちは子どもや孫を持つ祖父母、父母であり、子ども相手の仕事をしている者です。子どもたちが中学校でこの誤った歴史認識に基づく教科書を使って勉強するということは、誤った歴史観を植え付けられ、戦前戦中のようにお国のために命を捧げることを尊いとする教育を押し付けられることになる恐れが少なからずあります。私たちは子どもたちを戦争に送り、彼らが相手の国の人たちを殺し、また子どもたち自身も殺されるかもしれないと考えると、その精神的苦痛は余りあるものがあります。

私たちは教育委員会に対して、これが明らかに戦争に向かっていく教科書であることを説き、なんとかこれを採択しないようにしてほしいと意見を言い続けてきました。しかし区は私たちの意見など聞こうとはしませんでした。責任のある教育長は一度も会おうともしませんでした。それではこの上、何ができるだろうかと私たちは考えました。もう裁判しかないと思いました。こうなったら裁判ですべてを明らかにし、この採択が公正なものだったのかどうか、判断を仰ぐしかないと思いました。私たちはこの時まで自分が裁判を起こすとは夢にも思ったことはありませんでした。しかし、せっぱつまって止むに止まれずこの裁判を起こしたのです。

私たちは素人の集まりですが、子どもたちのためにがんばって勉強し、区の違法行為を明らかにする準備書面をたくさん書きました。証拠もたくさん集めました。裁判所ならば、私たちが会うことも叶わなかった教育長や区長を呼び出して尋問し、真実を明らかにし、公正な判断をしてくれるものと信じていたからです。ところが・・・

4、実体的真実究明を行わないばかりか原告に全く誠意のある態度を示さないまま結審した大門匡裁判長

原審第2回口頭弁論において原告らは次の19通の準備書面を陳述し、3名の証人喚問を要請する証拠申出書を1通提出しました。争点をわかりやすくするためカッコ内に補足しておきます。

(5)官製談合の司令塔・山田宏杉並区長(区長は「つくる会」支持者) 
(6)と(7) 教育委員会に採択権限はない(採択権限は教員にある) 
(8)臨時警備における随意契約手続きの違法性 
(9)「つくる会」と自民党の採択への違法な介入(教育基本法10条違反) 
(10)採択規則の恣意的改定(扶桑社版が採択されるよう規則を変更)   
(11)扶桑社版採択は内定していた(教育委員会事前秘密会議の存在)
(14)教科書調査報告書の書き換え問題
     (扶桑社版の評価を180度変えた公文書偽造) 
(15)採択は独禁法違反の官製談合(「天の声」は区長) 
(16)被告側答弁の「原告が主張する無効確認は不適法」への反論 
(17)調査報告書における扶桑社版への評価は最低だった 
(18)調査報告書は恣意的に無にされた(採択規則「公正な採択」違反) 
(19)教育委員会2回開催の違法性
     (韓国との交流行事のための採択引き伸ばし) 
(20)過剰警備の違法性
(区民の意見を聞かず、まるで暴徒扱い。民主主義に反する行為)
(22)「つくる会」と杉並区は一体だった(藤岡信勝氏が傍聴席に) 
(12)(13)(23) 訴訟指揮への意見
(21)弁論調書への意見

第3回口頭弁論においては、原告らは更に13通の準備書面、補助参加人準備書面と9人の証人喚問を求める証拠申出書を提出しました。新たに、教科書を執筆した「新しい歴史教科書をつくる会」と出版元である扶桑社が絶縁という新事実も提示しました。

これまでに原告の出した争点は10項目以上であり、第3回口頭弁論までに36通の準備書面、103の書証を提出しました。証拠申出書においては12名の証人喚問を要請しました。それに対して被告の出してきたのは準備書面はたった1通、書証は16です。被告準備書面は第2回口頭弁論で原告が陳述した準備書面の内容に全く答えておらず、答弁書のレベルの主張を繰り返すのみのものでした。

裁判所が法の番人であるならば、当然ながら原告が求めた証人喚問を行って、実体的真実を究明し、被告にさらなる反論を述べるように命令し、両者の主張が出揃ったところで、判断すべきものです。原告らは裁判がそのように進むことを求めて、準備書面(35)で進行協議も求めていたのです。

第3回口頭弁論において、大門匡裁判長は準備書面(35)に対して「これは進行協議についてですね。これは別の機会に対応します」と発言し、原告にまだ裁判が続くと思わせました。その上、原告が提出した証人喚問要請については、「検討します」と答え、原告に期待を持たせました。

大門裁判長は原告の陳述が一通り終わった時に「言いたいことはそれだけですか?」と聞いたので、原告は被告にきちんと反論するよう命令してほしいこと、進行協議を行ってほしいことを繰り返し主張しました。大門裁判長はそれには答えず、もう一度「言いたいことはそれだけですか?」と聞いたので、「今、言いたいことはそれだけか」と聞いているのだと思い、原告は「はい」と言いました。すると大門裁判長は被告に「さらに主張・立証の意向はありますか」と聞き、被告が「これ以上、主張・立証の意向はありません。速やかな結審を求めます」と言いました。不審を感じた原告K.S.が「忌避よ」といい、原告S.K.が忌避を申し立てましたが、大門裁判長は被告の言を受けて「それでは本件はこれをもって、口頭弁論を終結・・・」と言い出し、原告S.K.の忌避申し立てを無視して言葉を続け、「判決言い渡しは8月・・・」とだけ言って、逃げるように退廷しました。「8月・・・」の日付から後は聞こえませんでした。閉廷の言葉、挨拶もありませんでした。

私たちは突然の結審にびっくり仰天しました。やっと争点が出そろい、原告側からの証拠も出して、これからようやく真実を究明していくという場面だったからです。大門裁判長が「検討します」「別の機会に行います」と述べたその舌の根も乾かぬうちの一瞬のできごとでした。原告らが開廷後すぐにテープ録音の許可を求めましたが、大門裁判長は拒否したので、裁判官が自らの発言すら守らないという証拠となったはずの録音テープはありません。大門裁判長は主権者である原告を虚偽の発言で裏切ったのです。

被告は原告の出した準備書面や書証に対して、何ら反論していない状態で、また原告の証人喚問要請にも応じず、本件の実体的真実究明への努力もせず、裁判体は被告のたった1通の準備書面をほとんどまる写ししたに等しい判決を出したのです。これほど主権者を無視した話があるでしょうか?

大門匡裁判長、吉田徹裁判官、小島清二裁判官は、民事訴訟法243条1項に規定されている「裁判所は訴訟が裁判をするのに熟したときは、終局裁判をする」に違反しています。また、憲法76条3項「すべて裁判官はその良心に従い独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」に違反しました。そして控訴人らは憲法32条「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない」に保障されている「裁判を受ける権利」を奪われました。

よって、原判決を取り消し、裁判のやり直しを求めます。

「つくる会」教科書を採択したのは全国でたった0.39%です。この教科書を出版した扶桑社自体が「内容が右寄りすぎて採択が取れない」として、「つくる会」とは決別したのです。出版社自体がこの教科書をいいとは思っていないのです。そんな教科書を杉並区は子どもたちに使わせ続けています。どうか裁判官の皆様、こんな非常識なことをやめさせるために、子どもたちが真実の歴史を学ぶために、本件の真実を究明し、公正な判断をされますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
 
以上
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by lumokurago | 2008-02-27 00:19 | 杉並教科書裁判
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