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2012年 01月 24日 ( 1 )


「僕のお父さんは東電の社員です」 その2

 昨日、この本のことを書いていたら頭がくらくらしてきた。森達也、いったいどうしちゃったの? 吉本隆明のように気づかずに「老醜」をさらす歳でもないでしょう?

 (私は吉本は詩以外読んだことがありませんが、ある時代に一世を風靡していましたね。私はあのようなむずかしい文章は本人もなにもわからずに書いているのだと思うので(自分がわかっていればもっとわかりやすく書けるでしょう!)、読む気はしません。突然ですが、最首さん、ごめんなさい! でも最首さんは、話しながら、書きながら思索しているのであって、それを自覚しているし、わかりやすい文章(本ー例:「痞」という病からの)もあります。話がそれた。吉本の詩は好きだったのですが、今回の発言は「老醜」ではなく、所詮こんな奴だったということだと、私は思います。森達也も)。

 血圧を下げるために続きを書かせていただきます

 「会社ってなんだろう」

 森達也は東電で働く社員の責任を回避するために、水俣チッソを引きあいにだしている。「原因が廃液とわかってからも、国とチッソは、廃液がそれほどに有害とは知らなかったし、知らなかったことに罪はないと主張した。でも住民たちが訴えた裁判は、国とチッソに責任があることを認定し、チッソの幹部社員2人が有罪判決となった。もちろんわざとやったわけじゃない・・・」

 だとさ。ずいぶんチッソの肩をもつじゃないの。実際にはたしか(すみません。詳しい年代まで覚えていませんが、おおよそはこうです)、昭和30年代には、チッソには水俣病の原因は、自分の工場廃水のなかのメチル水銀だとわかっていた。それを隠し通し(ここにも御用学者がいたもよう)、被害は大きく拡がったのである。つまり被害が拡大することを知っていながら「わざと」隠したのである。たぶん隠していた期間は十年以上だったと思う。メチル水銀が原因だとわかってすぐに手を打てば、こんなに被害は拡大しなかった。廃水を飲んでも大丈夫だと言って、社長(だったかな)が飲んで見せたり、悪の限りをつくしたのだ(誰かみたい)。

 ここにありました。

 水俣病センター相思社 水俣病の歴史 より転載

*****

 Q1-2-13 国はチッソが有機水銀を排出(はいしゅつ)しているのをわからなかったんですか?

A1-2-13 遅くとも1959(昭和34)年はわかっていました。
Q1-2-14 排水が原因とわかったとき、すぐに海に流すのをやめたのですか?

A1-2-14 チッソは水銀の入った廃水を流し続けましたし、国や熊本県もとめませんでした。

Q1-2-15 排水の中に有毒な物質が含まれていないか、なぜ検査しなかったのですか?

A1-2-15 検査というか、調査・実験はしていました。有毒であることがわかったあとも、そのことを隠して流し続けたのです。

Q1-2-16 水俣病の原因がわかったとき、水俣市民はどう思ったんですか?

A1-2-16 水俣病の原因がチッソであることは昭和32年頃にはチッソ工場の人だけではなく、水俣市民も気がついていたようです。チッソ工場は水俣で一番大きく重要な工場です。チッソがあったから水俣は村から町、そして市への大きくなっていきました。チッソがあやしいとわかったときからチッソ工場の人たちだけではなく、市役所の人もそれ以外の市民も水俣病のことを言わなくなっていきました。市民の多くはチッソを守りたいと思っていました。水俣にはチッソ工場で働いている人やその家族も多かったからです。だから、チッソ工場に漁民が押しかけたときも、かん者が座り込んだときも、漁民やかん者を応援する人はほとんどいませんでした。

*****

 子どもにウソを教えるな。おまえはチッソの手先か! さすがに良心がとがめたらしく、本書の最後のほうに、これよりはまともなことが書いてあります。

 森氏はチッソはわざとやったわけじゃないが、結果的には責任を負わなくてはならない、と書いている。そのあと、東電についてこう書いている。

 ――つまりどう考えても東電には責任がある。・・・「とつぜんですが、ぼくのお父さんは東電の社員です」。だからゆうだい君にとっては、東電への批判や悪口は、自分のお父さんへの批判や悪口に聞こえてしまう。・・・企業の責任と、そこで働く人たちの責任とを、絶対に一緒にすべきではない。

 組織で生きること

 次に森氏はホロコーストの例をあげ、人は組織の一員となったとき、子どもを愛するよき夫、よき父親が残虐なことをしでかしてしまうと指摘している。これは日本軍や同時多発テロ、アメリカによる報復、ルワンダでの虐殺も同じで、個人ではなく組織が行っているとしている。心理学のテストでも、多くの人は特殊で閉鎖的な環境に置かれたとき、たとえそれが自分の良心に背くような内容であったとしても、権威者やその場のリーダーの指示や命令に従ってしまうということが明らかになっているそうだ。

 そのあと、「人は群れる生き物だ」とかなんとかいいだし、「日本の集団力」が日本を経済大国にしたと述べている。そして最後のほうは、適当にお茶をにごして、「もしも『何か変だな』とか『大丈夫だろうか』と思ったら、リーダーや多くの人の意見とは違っても、『何か変だよ』と発言すること。いきなりは難しいかもしれないけれど、少しずつでもいいから声をあげること」などと書いている。自分のことを棚にあげて・・・。

*****

 ああ、疲れた。

 私は水俣病や原発事故に関して、チッソや東電・行政に責任があるだけではなく、それらの組織の一員にも責任があると思っています。チッソにも第二組合ができて、第一組合の活動を邪魔しました。第二組合の組合員は自分に責任がないと考えていたのでしょう。誠実な第一組合は会社の責任を自分の責任としてとらえて、患者の側に立つのです。

 東電で言えば、だいたい東電に入社したということに、将来原発事故が起こったら自分も責任を免れないという自覚が要求されると思います。高給目当てに入社すべき企業ではありません。事故が起こったら取り返しのつかない責任を負っているからです。そういう自覚のもと、仕事をすべきです。

 話は飛びますが、裁判所でも裁判官ばかりではなく、書記官や警備員にも責任があると思います。まえに書いたように、書記官にも国民の主権実現に協力してくれる人もいるのです。一人ではとてもできない勇気ある行動だと思います。まわりの理解があってできることでしょう。彼の行動を支えているのは組合だと想像します。

 文科省の係長にも責任があります。国民の役に立ちたいと思う係長がいるとすれば、国民が意見を求めれば、少なくとも自分の仕事、知っていることについて、誠実に答えようとするでしょう。区役所の職員だって、区民の質問に対して、大物議員や区の意向に逆らうことになったとしても、一人の人間として誠実に答えるでしょう。それが自分の仕事に責任をもつということです。お上のいいなりになって、国民を平気で適当にあしらうということは、実に不誠実な態度であり、彼の人格そのものが疑われるということです。

 ゆうだい君のお父さんは、事故が起こって、自分が日々どういう態度で仕事をしてきたかを問われています。もちろん東電という会社の責任は重大ですが、会社は社員一人ひとりで成り立っています。一人ひとりの仕事の積み重ねが事故を防ぐのです。一人が危険性を知らせたら、もみ消すべきではなく、全員でそれを取りあげて考え、危険性をなくしていくべきです。東電でそれが行われていなかったのは明白でしょう。

 しかし、お父さんにも責任があるからといって、ゆうだい君にはまったく責任がありません。このことでゆうだい君をいじめるなどもってのほかです。東電に勤めているのはゆうだい君ではありません。親子といえども、人格は違うからです。

 会社や役所などだけではなく、会社員、職員個人にも責任がある。そのことをはっきりさせなければ、日本社会は決してよくはならないと思います。

 
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by lumokurago | 2012-01-24 21:40 | 原発