暗川  


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by lumokurago
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カテゴリ:原発( 204 )


真実を知らせろ

 みなさんもあきれはてていると思いますが、この数日(もう1週間になるか?)の東電、政府、マスコミには驚いてしまいます。

 ★ まず、工程表の第一段階=安定的冷却達成!(7月17日)

 おめでとうございます! ウソ! あり得ないだろ! 燃料は溶けて格納容器からも抜け出て下のコンクリートにめりこんでいるというのに(後藤さん、小出さんの話)。どうしてここまで平気で大ウソをつけるのか? それとも本気だったりして。おおこわ。

 ★ それとともに避難民を家に返すことを検討!

 避難民は半永久的に家に帰れないのだ。人間の寿命を考えれば、一生帰れないことになる。その真実を早く知らせ、「避難」ではなく「移住」するように促すべきである。(危険性を理解したうえで帰りたいという人や高齢者には帰ることを認めるべきであり、地元での彼らの生活を保障すべきであるーー50歳以上には放射線の影響はほとんどない)。

 ★ 汚染牛ばかり気にして福島の子どもの被ばくは無視

 チェルノブイリでの避難の基準は5ミリシーベルト/年。毎時0.6マイクロシーベルトのところは5.256ミリシーベルト/年となる。文科省発表の線量でも福島市、郡山市、本宮市などではこの線量を超えている。福島の子どもを早く避難させなければ。汚染牛のことなどより、よほど大事なことなのに、政府もマスコミも知らんふり。日本は旧ソ連よりもひどい国なのである。

 政府ではないが福島で毎日被ばくしている子どもに比べれば、汚染牛など1回、2回食べてもなんでもない。この報道の過熱はいったい何? (もちろん汚染食品の問題は大切だが、比較の問題として言っている)。

 ★ 不思議なのは○○シーベルトと言っているが、その線量を被ばくした場合、どの程度の危険があるのかをなにも言わないこと。例の三角の図で言ってるつもりなのか? 

 東京新聞は「こちら特報部」では「反原発」の立場を明確にした記事がほとんど毎日掲載されているが、ほかでは「100ミリシーベルト以下は安全」など言っていて、紙面が統一されていない。ま、そこがいいところともいえるのかもしれないが、「100ミリシーベルト以下は安全」などという完全に間違った記事はなくすべきではないのか。

 私が「放射線被ばく CT検査でがんになる」(近藤誠著)のデータをもとに計算したところ、子どもが20ミリシーベルト/年の汚染地に10年住み続けたときのがん死亡率は約18%上昇。5ミリシーベルト/年では4.5%上昇することになります(1ミリシーベルトでも0.9%上昇)。しかしこのデータは外部被ばくのみなので、内部被ばくを考慮すれば数字はもっと上がることになります。

 1ミリシーベルト/年の外部被ばくでも、10年住み続ければ1000人に一人の子どもがよけいにがんで死亡するということです。


  「国が安全と認めた所には留まって頂く」 霞が関役人の冷酷
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by lumokurago | 2011-07-22 10:41 | 原発

森の展覧会2日目 

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 チャリティで演奏してくださったシーザーズのみなさんです。沖縄の歌はもちろんごぜさんの歌、東北の民謡と盛りだくさんで、最後にはみんな立ちあがってカチャーシーを踊りました。私は踊りが大好きなのに残念! 踊れませんが、楽しかったです。シーサーズのみなさま、お客様がた、ありがとうございました。

 明日は福島県川俣町からのお客様のお話もあります。お近くのかたはぜひいらしてください。

 音楽演奏 午後2時から

 お話 午後3時から

 (後ろの「ばかやろ」の絵は父の作品です:1955年。いまにぴったりだということで展示されました)。
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by lumokurago | 2011-07-17 21:00 | 原発

涙がでます

 原発廃止は「区民」さん一人を説得できなくて、できるわけないと思いつづけ、コメントにお返事してきました。でも、下のコメントを読んで、やはり通じないことが突きつけられました。どうしてここまで自分勝手なのでしょう? 「自分さえよければ」

 私は人間性悪説です。自分勝手な人間にとって原発は必要なのですね。ほんとうは原発ムラの利権のためなのに。あなたが原発を必要なのではない。あなたは汚染を引き受けさせられるだけ。だまされているだけなのに。

 これから汚染されていない食べ物はなくなるのです。特に魚ですね。「区民」さんは魚は食べなくていいのですか? 

 以下が「区民」さんのコメントです。かなしいですね。眠れなくなってしまいました。人間には2種類ある。人の痛みを自分の痛みとして感じる人間と、自分さえよければ他人は死んでもなんとも思わない人間と。そして残念なことに、だまされている部分もあるけれど、後者が多数派なのです。

*****


> 原発を容認するということは原発で誰かが働くことを
> 容認することであり、それは必然的に被ばくを容認することです
例えば、トンネルや鉱山で掘削を行なっていた方には塵肺
林業従事者のチェーンソーによる白蝋病など
手話通訳者に起こる頸肩腕症などがあります
いわゆる職業病というやつです。

被ばくとやらも職業病の1つです。
それが嫌なら原発で働かなければいいのです。

そんな劣悪な環境に落ちないため、学力が必要なのです。
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by lumokurago | 2011-07-13 21:44 | 原発

原田正純さんインタビュー(朝日新聞)

教訓生きなかった福島原発の事故 専門家とは誰か

■インタビュー 3・11 水俣から

 半世紀以上前に熊本県で起きた水俣病から、私たちはいったい何を学んできたのだろうか。福島第一原子力発電所の事故から日を追うごとに、水俣で問われ続けたこの国の「病巣」が次々と浮かび上がる。専門家とは、安全とは、賠償とは。現場主義を貫き、水俣病の患者に寄り添って問題提起を続ける医師、原田正純氏に聞いた。

 ――福島第一原子力発電所の深刻な事故を、どう受け止めましたか。

 「懲りてないねえ」

 ――懲りてない、とは。

 「水俣病では、政府も産業界も学者も、安全性の考え方を誤ったんです。その後のいろいろな薬害でも、カネミ油症でも、危険が起きる前に危険を予測し、対策を立てられるはずだった。50年たっても教訓は生かされていない」

 「今回、最初はぼくも天災だと思った。でもだんだんわかってくると、やはり人災だった。大地震が起きたり大津波が来たりしたら原発は危ない、と予告した科学者はいた。だから科学が無能、無力ではなかった。ただ、その指摘を無視してきたわけですよ」

 ――警鐘を鳴らした学者に対し、原発推進派の学者たちは「原子力学会では聞いたことのない人だ」などと言っていました。

 「水俣病でも同じ。行政や企業を批判する学者は非難されました。初期には、学界の権威が有機水銀説を否定する珍説を次々に出して混乱した。その後も国の認定基準を巡って対立が続き、専門家や学界の権威とは何なのか、ずいぶん問われました。国の意を受けた学会がどんな役割を果たしたのか。同じことが今回も繰り返されている」

 「原発には賛否両方の意見があることを、公平に出しておくべきでした。『原発危険論なんて少数派で過激な活動家』みたいなレッテルが張られた時代が続いた。でも、日本が本当に民主的で科学的な国なら、彼らが議論する場を公平に保障するのが政府の役目だと思いますけどね」

 ――原田さんが考える専門家とは誰を指すのですか。

 「本当に原発の専門家であれば、当然、今回の事態を予測しなきゃいけなかったはずですよね」

 「ぼくは専門家の存在そのものを否定するわけじゃない。でも『何が専門家なのか』があいまいだと言いたい。いわゆる『専門家』(学者)の言うことだけをうのみにすると危ない。魚の専門家とは誰か。大学にもいるだろうが、水俣の海で毎日魚を取って暮らす漁師も専門家です」

 「水俣で、生まれてきた子が発症しているとわかった時、医学者はみんな、『母親の胎盤を毒物が通るなんてありえない』と考えた。でも、お母さんたちは『私から水銀が行ったに違いない』と一発で言い当てた。胎児性水俣病の発見です。母親は専門家と言っていい。それを『あなた方は素人。俺たちは専門家だから正しい』という風にやってきた」

 ――そうした反省から提唱したのが「水俣学」だったのですね。

 「水俣学は従来の専門家の枠を一度外してしまおうという試みです。水俣病は、社会的、経済的、政治的な側面があるきわめて複合的、総合的な事件です。それを『病気だから』と医学者に丸投げしてしまった。だからいまだに解決できない」

 「一番大事なのは、地元の住民とか被害者、あるいはチッソの工場で働いていた労働者です。彼らの知恵とか経験を見直そう、採り入れようというのが水俣学です。本当は『学』なんてつけたくないんだけど」

 ――福島第一原発の原子炉を冷却した水による海洋汚染は、水俣病を連想させます。海で薄めようという考え方が繰り返されました。

 「チッソは、海は広いから有機水銀も薄まると考え、水俣の海に捨てたわけでしょう。確かに薄まりましたよ。ところがそこにはたくさんの生物がいて、食物連鎖によって毒をどんどん濃縮してしまった。自然界には希釈と濃縮の両方があります。裏と表なんです。人間は自分たちにとって都合のいいことだけを考えがち。今度もそうじゃないですか」

――放射性物質の安全基準が問題になっています。どこで線を引き、住民にどう説明するべきでしょう。

 「注意してほしいのですが、安全基準とはあくまでも仮説に基づく暫定的な数値であって、絶対的なものではありません。そもそも『安全基準』という言葉がよくない。どこまでなら我慢できるか、『我慢基準』と呼ぶべきだという人もいます」

 ――それでは安心できません。

 「そう。それはものすごく気になっている。住民にしてみたら、自分たちは安全なのかそうでないのか。なぜ避難しなければいけないのか。なぜまだ戻れないのか。その根拠は何なのよ。そういう疑問はまったく当然です」

 「テレビの報道でも『政府は根拠を示せ』と言っているでしょ。ところが、実際には絶対的な根拠なんてない。それなのに(政治もメディアも)あるはずだと決めてかかるからおかしなことになる」

 「ただし、根拠を示せないからといって政府が口をつぐんだらだめ。『現時点では十分な科学的根拠はありません。でも今後こういう危険が考えられるので、政治的な判断で実施します』ということを、ていねいにていねいに説明することです。もちろん住民の不安をあおったらいけないけれど、放射線の影響には未知の部分があることもしっかり押さえておかないといけない」

■健康を長期管理し賠償基準の協議に被害住民入れよ

 ――事故全体が解決するには長い時間がかかりそうです。住民の将来にわたっての健康問題も気になります。すぐに取り組むべき方策は。

 「水俣では実現できていませんが、関係する地域の住民全体の健康調査を行い、記録台帳をつくることが大事です。放射線は全身の影響を考えなくてはならないし、神経症状が主だった水俣病よりも大変です。長期にわたって管理し、体に何か起きたときはすぐに対応する、そういう態勢が必要です」

 「ただ、それを今やってすぐに何かの結果が出るわけではない。調査したという既成事実だけが先行して、『やったけど、影響はなかった』などと幕引きに利用されないように注意が必要です。また、調査結果が新たな差別につながらないよう十分気をつけなくてはなりません」

 ――政府は現在、被害住民への損害賠償の基準を作ろうとしています。考えるべき点は何ですか。

 「どういう賠償をどこまで行うか、それをいわゆる専門家だけで決めないこと。協議の場に被害の当事者を入れるべきです」

 ――どういうことでしょうか。

 「カナダの水俣病が参考になります。補償委員会というのがあって、医者だけでなく法律家、そして被害住民も入っているんです。びっくりしました。医者だけで構成した日本とは全然違う。これはいい方法だと思いました。被害者にどう納得してもらえるかは、実際にどれぐらいの被害があったかということ以上に大切ですから」

 「ましてや今回は複雑です。物が売れない、家に住めないなどの被害ならある程度計算できる。でも、心の痛みとか発がん性とかになると、なかなか計算できない。精神的なトラウマも深刻です。だから、賠償の枠組みや方法を決める段階で被害者が納得する方法が必要じゃないですか。一方的に、お上や専門家が決めるのではなく」

 ――水俣から学べることは。

 「賠償の枠組みは、最初にすべてを決めてしまわないこと。水俣病の新救済制度の場合、政府が『いつまでに打ち切る』なんて期限を決めるから人々が不安になった。『何かあったらいつでも相談に応じます』と言って窓口を残しておけば、多くの人がひとまず安心するでしょう。政府や電力会社は早く終わらせたいでしょうが、水俣の苦い経験を、今度こそ、学んでほしいですね」

■はらだ まさずみ 34年生まれ。熊本大大学院時代に水俣病と出合い、一貫して患者の立場から研究を続ける。著書に「水俣が映す世界」など。2010年度朝日賞。

■取材を終えて

 「ちょっと偉そうに言わせてもらった」。インタビューの直後、席を立つ原田さんの口から漏れた言葉だった。ちっとも偉そうじゃない人からそう聞くと、言葉の一つ一つが深みを増す。「想定外の津波で……」と繰り返した原子力の専門家たちの偉そうな言葉が、空しく聞こえる。

(西部報道センター長・野上隆生、安田朋起)

 〈水俣病と水俣学〉 チッソ水俣工場(熊本県水俣市)の排水が原因の有機水銀中毒。国の公式確認は1956年だったが、公害病と認めたのは68年。今も国の認定基準をめぐって訴訟が続く。認定患者は約2300人、未認定患者は5万人以上。さらに多数の潜在被害者がいる。

 水俣学は、半世紀以上も混迷を続ける水俣病問題を通してどのような教訓を導き出せるかを探る、学際的な取り組み。原田氏が2002年から熊本学園大で開講した。従来の学問の枠にとどまらず、被害の現場や当事者から学ぶことが特徴だ。患者も講師になる。栃木県の足尾鉱毒事件で強制破壊された谷中村に住み、被害民から学んだ田中正造の「谷中学」をヒントにした。

*2011.5.25朝日新聞 朝刊
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by lumokurago | 2011-07-12 09:29 | 原発

森住卓さんのブログより

 飯舘村から シーザーのその後

 飯舘村から 乳牛最後の競り(本宮市)

 Dr.Aの言っていたように牛も連れて北海道に移住できなかったのだろうか?
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by lumokurago | 2011-07-09 15:49 | 原発

福島の子どもたち 放射線の影響と健康状態は?



 ゲストは山田真さん(小児科医)です。聞き手は上杉隆さん。山田さん登場まえの上杉さんのコメントも貴重です。山田さん登場は4分ころから。(3)まであります。福島の子どもの被ばくについて具体的に話されています。いま一番ほしい情報だと思うので、要点だけ書きとめました。

 山田:私はこの事故のまえ1年間ほど、「母の友」という雑誌に医療被ばくについて連載してきました。日本ではもともとレントゲン被ばくが多く、とくにCTが始まってからの医療被ばくはたいへん多く、欧米から批判されています。広島・長崎の経験があるのにあんなに放射線に無防備なのはなぜだろう、レントゲンの取りすぎでがんになる人がかなりでるだろうと言われている。それに対して日本の医学者たちは広島・長崎の被ばくとレントゲンの被ばくはまったく違うので、広島・長崎を根拠に言われても取り上げる必要はないと言っていた。そのことを連載していた。

 そんなときに事故がおこり、非常に残念。原発を推進している人たちはあまり反省もせず悔やんでもいないのに、反対していた人間のほうが落ち込むというのもへんな話だが、ぼくもかなり落ち込んでちょっとうつ状態。なにかしなければと思うが、なにをすればいいか。そんなときに福島から子どもたちの状態をみにきてほしいという話があった。個人ではしょえないくらい大きな話なので、ネットワークを立ち上げて、できるだけ多くの人が福島へ行き、子どもたちや親たちの実情をみて、全体に伝えていきたいということでやってきた。
 
 一番びっくりしたのは福島の人たちがものが言えなくなっていること。不安だけれど口にだしてはいけない雰囲気が広がっている。近所の医者に行って子どもの調子が悪いけど、放射能のせいじゃないかというと、笑い飛ばされたり、いやな顔をされる。それは医師会全体でやっていることかわからないが、原発安全神話はくずれたが、県が一丸となって放射能安全神話をアピールしている。そういう状態では、どんなに不安でも言いにくい。

 日本がチェルノブイリのようになるかどうかは、実際にいまどのくらいの放射能がもれ、どのくらい被ばくしているのかがわからないので予想が立てにくい。少なくとも子どもたちに影響がないはずはない。心配な状況ではある。ぼくらが心配しているのは晩発性障害で、急性障害はほとんどないだろうと思っている。しかし先入観を持ってはいけないので実情を見ようとした。肥田先生が鼻血と下痢に気をつけろと言ったので、心配になるのはわかるが、鼻血で心配なのは30分も40分も止まらないとか、口からもでる異常な「出血傾向」と言われるもの。白血病の前兆となるもの。でも今回はなかった。例年鼻血のでる季節。心配な鼻血ではないし、急性障害はないだろう。

 放射線障害は治療法がない。甲状腺がんはがんのなかでは治療がうまくいくがん。早くみつければかなり助かる。白血病もかなりの率で治る。個々の病気についていえば早期発見すればある程度の治療はできる。予防する方法はない。(渡辺注:近藤誠医師によれば、甲状腺がんは「がんもどき」が多い。チェルノブイリの子どもの甲状腺がんもそうなのかどうか今度聞いてきます)。

 外へでるのがこわくて窓を閉めて閉じこもっている状態が数カ月つづいている。たいへんな状況で子どもたちはよく耐えている。大きなストレス。外部被ばくはある程度避けられないし、いろんなデータを信じれば被ばく量は少なくなっているだろうから、雨などに気をつけながらある程度外にでて、内部被ばくを気をつけようと。それがいいと言っているが、福島産のものを福島で一番食べている。自分たちが食べてみせるしか安全と証明する方法がないので、自分たちががんばって食べている状態。給食についてほかのところで取れたものを使ってほしいと言うと、白い目でみられる。いままで公害で患者さんが地域の恥みたいにいじめられてきたが、今度は総体が被害者というなかでみんな被害者じゃないというふうにふるまわなければいけない状態、非常にきつい。牛乳飲ませたくないというお母さんが保育園などでそう言うとすごくおこられる。ふだんから牛乳栄養神話があって、一般的に牛乳を飲まないと言うとバッシングされる傾向はあるが今回はそれがひどい。

 普通検査で大人と子どもでは基準を変えるのに、そういうことがまったく言われていない。ということは子どもを守る気はまったくない。(チェルノブイリでも3ミリ、日本は20ミリ、WHOは1ミリ。子どもを守るために食べ物で気をつけなければならないことは?)

 福島のものは食べない。法律で決めるわけにもいかないが、危険なものは60歳以上が食べるようにとか、この範囲の人はこの程度の汚染は大丈夫とか発表すべきである。うちでも孫には気をつけるが自分は福島のものを食べるようにしようと思っている。

 本来はだれでも安全なものを食べたほうがいいが、いまみたいな状態だからこういうことになる。福島の人でも野菜をつくってみて汚染しているから売れないとか、安全だと言っても買ってくれないという不安がありながらしょうがなくて作っている。作らなくても生活できるように保障するとか買い上げるとかが必要。

 (自分たちが将来被ばく者として保障を受けるために必要なことは?)

 私が小児科医として関わった最初の運動が森永ヒ素ミルクで、そのあと水俣病などをみてきた。健康診断は保障を少なくするため、被害を少なくみせるためにやっている。被害者と認定されるためには記録を取っておくことが必要。ネットワークで生活手帳を作った。3.11から始まっている。所在地、行動、体調、食事メモ。自分の身は自分で守る。

 ツイッターでの質問:イギリスではけがや病気をしない限りレントゲンなど一生やらないときいた。海外では健康診断をやらないのか?

 やらない。やっているのは日本ぐらい。人間ドックも日本ではじまった。日本には健康診断神話がある。

 質問:子どもたちの髪の毛を取っておくのはどうか?

 証拠になると思う。
 
 質問:ほんとうのことを言ってくれるお医者さんはどうやって探す?

 ネットワークに連ねてもらっているが、当面急性症状はでてこないと思うので(いまは医者はいらない)、なるべく被ばくをしないように気をつける。国が言っている基準値などを信じられなくなっている人が非常に多い。こんなにいいかげんに基準値を変更しているのも、それほどたいへんなことが起こった証明ではある。ちゃんとした値をきちんとだしてほしい。みんなが自分で測らなければほんとうの値はわからないと思っているのは異常。国がきちんとだして何が危険かを言ってほしい。

 参考 被曝した福島の子供たちが東京で健康診断
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by lumokurago | 2011-07-06 16:03 | 原発

玄海原発再稼働に関する抗議および申し入れ

 長崎大学の講師、土居智典さんが「玄海原発再稼動に関する抗議および申し入れ書」を佐賀県知事・および佐賀県議会議員に提出します。土居さんは、全国から「申し入れ連名者」を募集されています。申し入れ書の内容に賛同される方は、ぜひ、連名者になってください。

*****

6月26日に、佐賀県知事宛に、玄海原発再稼働に向けての「説明会」のやり方に抗議を申し入れ、以下の二点を要求しました。


① 県知事・経産省の原子力政策担当者・九州電力の関係部局担当者出席の上での地元住民主催の説明会の開催に協力すること。 

② 九州ブロックの知事・原発近隣市町村長と協議、および理解を得る形で原発に関する政策を議論すること。

(全文はこちら。html版:http://www.tomodoi.sakura.ne.jp/genpatsu/20110626saga.html  word版:http://tomodoi.sakura.ne.jp/genpatsu/furukawa01.doc )


 現時点に至るまで回答はない上、海江田通産省との会談の内容や、県議会でのやりとりを見ると、全て受け入れるつもりはないようです。

 そこで、知事が玄海原発再稼働を最終判断すると見られる11日まで日がないことから、回答を待たずに、次なる抗議文の提出を行いたいと思います。


 今回も、広く申し入れ連名者を募集します。

 連名者には、街頭で行われる署名などと違って、文書の提出行動を共有するだけでなく、知事・および県議からの回答も、一味同心の執筆者として共有する仲間になってもらいたいと思います。

 ですので、連名される方は、必ず抗議文に目を通して頂き、納得の上で連名に賛同の連絡を頂きたいと思います。


(抗議文全文のブログ版:http://ameblo.jp/tomodoi/entry-10941780870.html  
word版:http://tomodoi.sakura.ne.jp/genpatsu/furukawa02.doc

 要求の要旨は以下の4点です。
① 玄海2号機3号機の再稼働容認撤回。
② 玄海1号機の定期点検後の再稼働拒否。
③ 県知事・経産省の原子力政策担当者・九州電力の関係部局担当者出席の上での地元住民主催の説明会の開催に協力すること。
④ 九州ブロックの知事・原発近隣市町村長と協議、および理解を得る形で原発に関する政策を議論すること。

 なお、今回は連名賛同人が殺到することに備えて、申し込み専用のアドレスを用意しました。私が普段使っているアドレスに大量のメールが殺到すると、通常の連絡業務が困難になりますので、必ず下記のアドレスの方に申し込みのメールを下さい。

saga@tomodoi.sakura.ne.jp


注意

①前回は、賛同人記入の欄に、「在住県」だけしか設けていませんでしたが、今回は「住所」をお願いします。住所を書くのがどうしても不都合な場合は、お住まいの都道府県名とメールアドレスをお書き下さい。必ず、知事からのリアクションを共有できる連絡先を頂きたいと思います。もちろん、頂いた個人情報は、抗議申し入れ以外の用途には用いません。

②必ず実名でお願いします。

③前回、団体名で申し込まれた方がおられましたが、今回は個人名にしぼりたいと思います。

④連名者の募集は7月7日24時までにしたいと思います。7月8日に提出予定です。

⑤本記事のコピー・拡散大歓迎です。どんどん拡散お願いします。


もとはこちらです。
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by lumokurago | 2011-07-05 18:05 | 原発

『福島原発事故における被ばく対策の問題-現況を憂う』(その2/2)

独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター 
院長(放射線治療科) 西尾正道
2011年6月21日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

●内部被ばくの問題
白血病や悪性リンパ腫などの血液がんの治療過程において、(同種)骨髄移植の前処置として全身照射が行われているが、その線量は12Gy/6分割/3日である。しかしこの線量で死亡することはない。全身被ばくの急性放射線障害は原爆のデータから、致死線量7Sv、半数致死線量4Sv、死亡率ゼロの『しきい値』線量1Svの線量死亡率曲線を導き出し、米国防総省・原子力委員会の公的見解としている。しかしがん治療で行われる全身照射12Gy(Sv)では死亡しない。また医療用注射器の滅菌には20,000Gy(=Sv)、ジャガイモの発芽防止には150Gy(=Sv)照射されている。こうしたX線やγ線の光子線照射では放射線が残留することはない。

しかしα線やβ線は粒子線であり、飛程は短いが身体に取り込まれて放射線を出し続ける。人体に取り込まれた放射性物質からの内部被ばくでは、核種により生物学的半減期は異なるが、長期にわたる継続的・連続的な被ばくとなり、人体への影響はより強いものとなる。このため、被ばく時当初の放射線量 (initial dose)は同じでも人体への影響は異なると考えるべきであり、早急に預託実効線量の把握に努めるべきである。

したがってパニックを避けるためにCT撮影では6.9mSvであるなどと比較して語るのは厳密に言えば適切な比較ではない。画像診断や放射線治療では患者に利益をもたらすものであり、また被ばくするのは撮影部位や治療部位だけの局所被ばくであり、当該部位以外の被ばくは極微量な散乱線である。内部被ばくを伴う放射性物質からの全身被ばくとは全く異なるものであり、線量を比較すること自体が間違いなのである。

臨床では多発性骨転移の治療としてβ線核種のSr-89(メタストロン注)が使用されているが、1バイアル容量141 MBqを健康成人男子に投与した場合の実効線量は437mSvであるが、最終的な累積吸収線量は23Gy~30Gy(Sv)に相当する。一過性に放射線を浴びる外部被ばくと、放射線物質が体表面に付着したり、呼吸や食物から吸収されて体内で放射線を出し続ける内部被ばくの影響を投与時の線量が同じでも人体への影響も同等と考えるべきではないのである。

現在の20mSv問題は、より人体影響の強い内部被ばくを考慮しないで論じられており、飛散した放射性物質の呼吸系への取り込みや、地産地消を原則とした食物による内部被ばくは全く考慮されていないのである。通常の場合は、内部被ばくは全被ばく量の1~2%と言われているが、現在の被ばく環境は全く別であり、内部被ばくのウエイトは非常に高く、人体への影響は数倍あると考えるべきである。早急にホールボディカウンタによる内部被ばく線量の把握を行い、空間線量率で予測される外部被ばく線量に加算して総被ばく線量を把握すべきである。全員の測定は無理であるから、ランダムに抽出して平均的な内部被ばく線量の把握が必要である。また排泄物や髪毛などのバイオアッセイによる内部被ばく線量の測定も考慮すべきである。
現在の状況は、自分たちが作成した『緊急時被ばく医療マニュアル』さえ守られていないのである。

さらに飲食物に関する規制値(暫定値)の年間線量限度を放射性ヨウ素では50mSv/年、放射性セシウムでは 5mSv/年に緩和し、しかも従来の出荷時の測定値ではなく、食する状態での規制値とした。呆れたご都合主義の後出しジャンケンである。これではますます内部被ばくは増加する。ちなみにほうれん草の暫定規制値は放射性ヨウ素では2000Bq/kg、放射性セシウムでは500Bq/kgとなったが、小出裕章氏によると、よく水洗いすれば2割削減され、茹でて4割削減され、口に入る時は出荷時の約4割になるという。しかし、調理により人体への摂取は少なくなるとは言え、汚染水が下水に流れていくことにより、環境汚染がすすむことは避けられない。生体に取り込まれた放射線は排泄もされるため生物学的半減期や実効半減期があるが、元素の崩壊により発生した放射線は物理的半減期の時間のルールでしか減らないのである。
現在、膨大な量の汚染水を貯蔵しているが、これも限界があり、長期的には地下や川や海へ流れることになるため、日本人は土壌汚染と海洋汚染により、内部被ばく線量の増加を覚悟する必要がある。

●今後の対応について
現在、医療従事者の約44万人が個人線量計(ガラスバッジ)を使用しているというが、千代田テクノル社の24万4千人の平成21年度の個人線量当量の集計報告では、一人平均年間被ばく実効線量は0.21mSvである。そして検出限界未満(50μSv)の人は全体の81.5%であり、年間1mSv以下の人は 94.5%である。ガラスバッジの生産に数カ月要するとしたら、1mSv以下の23万人分の線量計を一時的に借用して、原発周辺の子供や妊婦や妊娠可能な若い女性に配布すべきである。移住させずにこのまま生活を継続させるのであれば、塵状・ガス状の放射性物質からの被ばく線量は気象条件・風向き・地形条件だけでなく、個々人の生活パターンにより大きく異なるため、個人線量計を持たせて実側による健康管理が必要である。それは将来に向けた貴重な医学データの集積にもつながり、また発がんや先天性異常が生じて訴訟になった場合の基礎資料ともなる。当然、ランダム抽出によりできるだけ多くの人の内部被ばく線量の測定も行い、地域住民の集団予測線量も把握すべきである。

低線量被ばくの健康被害のデータは乏しく、定説と言い切れる結論はないが、『わからないから安全だ』ではなく、『わからないから危険だ』として対応すべきなのである。
また環境モニタリング値を住民がリアルタイムで知ることができるような掲示を行い、自分で被ばく量の軽減に努力できる情報提供が必要である。また測定点はフォールアウトし地面を汚染しているセシウムからの放射線を考慮して地面直上、地上から30~50cm(子供)用、1m(大人用)の高さで統一し、生殖器レベルでの空間線量率を把握すべきである。

土壌汚染に関しては、文科省は校庭利用の線量基準を、毎時 3.8μSvとしたが、この値も早急に低減させる努力が必要である。そもそもこの値は、ガラスバッジを使用している放射線業務従事者の年間平均被ばく量の約100倍、妊娠判明から出産までの期間の妊婦の限度値2mSvの10倍であり、見識のある数値とは言えない。
学校の校庭の土壤の入れ替え作業も一つの対策だが、24時間の生活の中で被ばく低減の効果には限界がある。

1990年のICRP勧告が日本の法律に取り入れられたのは2001年であり、11年も世界の流れに遅れて対応する国なので、多少のデタラメさは承知しているが、法治国家の一国民として為政者の見識なき御都合主義には付き合いきれない。

最後に、私の本音は移住させるべきと考えている。原発事故の収拾に全く目途が無い状態では長期化することは必至であり、避難所暮らしも限界がある。このままでは年金受給者と生活保護者も増え、汚染された田畑や草原では農産物も作れず畜産業も成り立たない。放射線の影響を受けやすい小児や子供だけが疎開すればよいという事ではない。住民の経済活動そのものが成り立たない可能性が高いのである。

また放射性ストロンチウムの濃度は日本では放射性セシウムの一割と想定しているため除外され、核種の種類に関する情報も欠如している。ストロンチウム -89の半減期は50.5日だが、ストロンチウム-90の半減期は28.7年である。成長期の子供の骨に取り込まれ深刻な骨の成長障害の原因ともなる。

メンタルケアの問題も、毎日悪夢のような事態を思い出す土地で放射能の不安を抱えながら生活するよりは、新天地で生活するほうが精神衛生は良い。移住を回避するという前提での理由づけは幾らでもできるが、健康被害を回避することを最優先にすべきである。5月26日の新聞では土壌汚染の程度はチェルノブイリ並みであると報じられたが、半減期8日のヨウ素が多かったチェルノブイリ事故と異なり、半減期30年でエネルギーも高いセシウム-137が多い福島原発事故はより深刻と考えている。

政府は土地・家屋を買い上げ、まとまった補償金・支援金を支給して新天地での人生を支援すべきである。先祖代々住んでいた土地への執着も考慮して、住める環境になった時期には、優先的に買い上げた人達に安価で返還するという条件を提示すれば、住民も納得する。
また、70~80歳を過ぎた老夫婦が多少の被ばくを受けても「終の棲家」として原発周辺で住むのも認めるべきである。老人の転居はむしろ身体的にも精神的にも健康を害するからである。お上のすべきことは正確な情報を公開し、住民に選択権を与え、支援することである。

今までの政府・東電の対応を見れば、馬鹿かお人好し以外の国民は「絵に描いた餅の行程表」など誰も信用していない。将来、発がん者の多発や奇形児が生まれたりして集団訴訟となる事態を回避するためにも、政府は多額の持ち出しを覚悟すべきである。長い眼で見れば健康で労働できる人を確保することが、国としての持ち出しは少なくなるのである。なお今後の復興計画の策定に当たっては、高齢社会の医療・介護の問題も考慮して医療関係者も参画した地域再生計画が望まれる。

●これを機に、ラディカルに考えよう
今回の地震・津波・原発事故は日本社会のあり方に問題を提起した。医療の場面でもここ数年の医療崩壊とも言える事態は社会崩壊の一部であるという認識に立って対応する必要があるが、そうした視点でなお議論され対策が行われていない。

原子力利用による電力確保は国策民営として勧められ、地域住民には多額の原発交付金を与え懐柔してきた。こうした、札束で人心を動かす手法で、54基の原発を持つ原発大国となった。約30%の電力を原子力発電で賄い、今後50%までその比率を上げようとしていた矢先の事故により原子力行政は根本から見直しを迫られている。そもそも原子力を含めたエネルギー政策が真剣に日本で議論されたことはない。政官業学の原子力村の人達は目先の利益で結びつき、「原発の安全神話」を作り上げ、また不都合な真実の隠蔽を繰り返してきた。それどころか、使用済みウランの処理の問題も絡んで、一度事故が起こればより深刻な事態となるMOX燃料を使用した原発まで稼働させている。 
 
しかし原子力発電の廃炉後の管理や使用済み燃料の保管や事故が起こった場合の補償まで視野に入れた場合、コスト的にも原発が優位性を持つものではないことが明らかになった。しかしIT社会や電気自動車の普及など今後の電力需要は増すばかりであり、節電だけでは対応できないことも事実である。脱原発の方向でソフトランディングする施策を根本的に議論すべきであろう。米国も1979年のスリーマイル島事故以来、新たな原発は稼働させていない。

がん医療においても治療成績やQOLの向上ばかりではなく、国民の死生観の共有の議論を通じて、効果費用分析の視点を導入して、高齢社会を迎えて枯渇する年金や医療費の問題も議論されるべきである。診療報酬の配分の議論だけではなく、根本的に考え直すべきである。再生医療も臨床応用の段階となってきたが、生殖医療がそうであったように医学的な問題や技術的な課題だけが議論されて、「命」とは、「生きる」とは、といった「生命倫理」の哲学的な問題は回避されたまま医学技術だけが独り歩きしている。このままでは原発事故と同様に日本は自然の摂理から取り返しのつかない逆襲を受けるような予感を持つこの頃である。この大震災を期に色々な課題に対してラディカルに考え直す機会としたいものである。我々医療従事者も改めて、放射線利用の原則である、正当性・最適化・線量限度に心掛け診療すべきである。

こうした原子力災害を機に、閣議決定や総理大臣の思いつきでも結構であるから、『がんの時代』を迎えた緊急事態として、(1)放射線治療学講座の設置による放射線治療医の育成と、(2)医学物理士の国家資格化と雇用の義務付け、などを発言して頂ければ私の心も少しは治まるかもしれない。    

2011年6月5日 記
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by lumokurago | 2011-07-05 10:06 | 原発

小出さんが毎日新聞に!

特集ワイド:研究の前線で反原発 住民支える「異端」--京大原子炉実験所・小出助教

 内容はすでにみなさん御存じだと思うので、無断転載はしません。リンクが切れるまえにお読みください。
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by lumokurago | 2011-07-04 20:09 | 原発

『福島原発事故における被ばく対策の問題-現況を憂う』(その1/2)

独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター 
院長(放射線治療科) 西尾正道 (注:「『がんと闘うな』論争集」で近藤誠医師と対談しています)
2011年6月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

●はじめに
2011年3月11日は日本の歴史上で忘れられない日付となった。大地震とそれによる津波被害だけでも未曾有の事態であるが、福島原子力発電所の全電源喪失による事態により原発の「安全神話」は崩壊し、今なお震災復興や事故対策の目途が立たない状況が続いている。関係者は全力で対応しているが、情報開示不足や指揮の不手際や事故収拾に向けた不適切な対応もあり、今後の健康被害が憂慮されている。

原発事故による放射性物質の飛散が続く中、地域住民は通常のバックグランド以上の被ばくを余儀なくされて生活している。私は事故直後に風評被害を避けるために、3月14日に『緊急被ばくの事態への対応は冷静に』と題する雑文を短期収束を前提に書いて配信させて頂いた。しかし事故の全容が明らかになり、放射性物質の飛散が長期的に続くとなれば、全く別の対応が必要となる。6月5日現在の情報をもと、原発事故を通して見えてきた【放射線】を取り巻く社会的対応や健康被害についてに私見を述べる。

●原発事故で判明した「放射線」に関する社会の無理解
原爆被ばく国であり本来は最も「放射線」に対して知識を持っているはずの日本人の原発事故への対応は、なお混迷している。
事実の隠蔽と会社存続に固辞して画策する東京電力、文系技官が中心で正確な知識を持ち合わせていない行政、指導力と緊張感を欠如した政府首脳、政争の具に利用しようとする政治家達、今まで原発の安全神話を作り上げてきた御用学者や業界人、こうした原子力村の人々の姿を見れば、日本に明るい未来を感じることはできない。なんとも悲しい現実である。

多くの報道機関からも取材を受けたが、社会部などの担当者の知識が乏しいため、5分でおわる電話取材でも30分となる。これでは詳細な情報や真実は国民には伝わらない。本当の使命は真実を伝えることなのだが、パニックとなりかねないことは決して報道しないジャーナリストや報道機関。本当にこれでいいのだろうか。しかし現実の超深刻な原発事故の収拾には、多くの犠牲を払っても実現しなければならない。

●作業員に対する被ばく対応の問題
この2カ月余りの経過を報道で知る限り、住民や原発事故の収拾に携わる作業員の健康被害について極めて問題がある。事故発生後、早々と作業員の緊急時被ばく線量の年間限度値を100mSvから250mSvに上げたが、この姿勢はご都合主義そのものである。250mSvは遺伝的影響は別として、臨床症状は呈しないと言われる線量である。「ただちに健康被害は出ない」上限値である。しかし作業員の健康被害を考慮すれば、やはり法律を順守した対応が求められる。そのための法律なのである。

また作業員への衣食住の環境は極めて劣悪であり、人間扱いとは思えない。誰が被ばく管理や健康管理を担当して指揮しているのか、そのデタラメさは目に余るものがある。
自衛隊ヘリによる最初の注水活動「バケツ作戦」では、被ばくを避けるために遮蔽板をつけ、飛行しながら散水した。遮蔽板を付けるくらいならばその分、水を運んだほうがましであり、最適な位置に留まって注水すべきなのである。この論理でいえば我々は宇宙から注ぐ放射線を避けるために頭には鉛のヘルメットをかぶり、地面からのラドンガスを避けるために靴底にも遮蔽板を付けて、常に動きながら生活することとなる。

医療で部位を定めて照射する直接線(束)からの防護と、空間に飛散した放射性物質からの防護の違いを理解していない。必死の覚悟で作業している自衛隊員が気の毒であった。
また、白い独特の服装を防護服と称して着用させて、除染もしないで着のみ着のままで就寝させている光景は異常である。放射線に対する防護服などはない。安全神話の一つとして、ヨード剤を放射線防護剤と称して、あたかも放射線を防護できるような言葉を使用してきたが、防護服も同様な意味で名称詐欺である。着用すれば、塵状・ガス状の放射性物質が直接皮膚に接触しないだけであり、防護している訳ではない。防護服を着たまま寝るよりは、通常の衣服を厚めに来て皮膚面を覆うことが重要であり、毎日新しいものに着替えたほうがよほど被ばく線量は少なくなる。放射線防護の基本的なイロハも理解していない対応である。また通常は13,000cpm(4000Bq/m2)以上を除染対象としていたが、入浴もできない環境下で、いつのまにか除染基準を100,000cpmとした。13,000cpmの基準では全員が除染対象となるからであろう。作業当日の被ばくからの回復には高栄養と安静が最も重要なことであるが、プライバシーも無い体育館のような免震重要棟に閉じ込めておくのは、逃げられないためなのであろうかと疑いたくない。30分もバスで走れば、観光客が激減して空いているホテルで静養できるはずである。

被ばく線量のチェックでは、ポケツト線量計も持たせず、またアラームが鳴らない故障した線量計を渡すなど、下請・孫請け作業員の無知に付け込んだ信じられない東電の対応である。さらに作業中のみ線量計は持たされても、それ以外は個人線量計も持たせていないのは論外である。寝食している場所も決して正常範囲の空間線量率の場所ではないのである。被ばく線量を過小評価してできるだけ働かそうという意図が見え見えである。また放射性物質が飛散した環境下では最も重要な内部被ばくもホールボディカウンタで把握し加算すべきである。これでもガンマー線の把握だけなのである。

原発周辺の作業地域は中性子線もあるであろうし、プルトニウムからのアルファ線もストロンチウムからのベータ線も出ているであろう。線質の違いにより測定する計測器や測定方法が異なるため、煩雑で手間暇がかかるとしても内部被ばくの把握は最も重要なことである。インターネット上の作業員の証言では通常よりは2桁内部被ばく線量も多くなっているという。このような対応の改善が無ければ、まさに「静かなる殺人」行為が行われていると言わざるを得ない。

5月24日には1~3号機の全てで原発がメルトダウン(炉心溶融)の状態であることが発表されたが、ガンマー線のエネルギーを調べればコバルト-60も放出されていたはずである。ウランの崩壊系列からは出ないコバルト-60の検出は、燃料ペレットの被覆管の金属からの放出であり、メルトダウンしていることは想像できたことである。

今後は膨大なマンパワーで被ばくを分散して収拾するしかない。そのためには多くの作業員を雇用して、原発建屋や配管などの詳細な設計図や作業工程を熟知させて作業に当たる必要がある。しかしその準備の気配もない。現在は5千人前後の人達が原発の収拾に携わっているらしいが、作業員の線量限度を守るとすれば、百倍、千倍の作業員が必要となる可能性がある。不謹慎であるが、低迷する日本経済の中で、皮肉にも被ばくを代償とした超大型雇用対策となった。

3号機はMOX燃料であり、ガンマー線の20倍も強い毒性を持つα線を出す半減期2万4000年のプルトニウム-239も出ている作業環境である。ガンマー線の測定だけでは作業員の健康被害は拡大する心配がある。揮発性の高い核種であるセシウムやヨウ素は遠くまで飛散するが、事故現場周辺はウランや中性子線もあるであろうし、被覆材からのコバルト-60も出ている。6月4日の報道では1号機周囲で4千mSv/hが測定されており、人間が近づける場所ではなくなっている。

作業員に対して事前に造血幹細胞採取を行い、骨髄死の可能性を極力避ける工夫も提案されたが、原子力安全委員会や日本学術会議からは不要との見解が出され、事の深刻さを理解していないようだ。

また放射性医薬品を扱っている日本メジフィジックス社は事故直後にラディオガルダーゼ(一般名=ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸鉄(Ⅲ)水和物)を緊急輸入し無償で提供した。この経口薬はセシウム-137の腸管からの吸収・再吸収を阻害し、糞中排泄を促進することにより体内汚染を軽減する薬剤である。作業員にはヨウ素剤とともにラディオガルダーゼの投与を行うべきである。このままでは、いつもながらの死亡者が出なければ問題としない墓石行政、墓石対応となる。

●地域住民に対する対応の問題
地震と津波の翌日に水素爆発で飛散した放射線物質は風向きや地形の違いにより、距離だけでは予測できない形で周辺地域を汚染した。高額な研究費を費やしたとされるSPEEDIの情報は封印され、活用されることなく3月12日以降の数日間で大量の被ばく者を出した。SPEEDIの情報は23日に公開されたが、時すでに遅しである。公開できないほどの高濃度の放射線物質が飛散したことによりパニックを恐れて公開しなかったとしか考えられない。郡山市の医院では、未使用のX線フィルムが感光したという話も聞いている。また静岡県の茶葉まで基準値以上の汚染が報告されているとしたら、半減期8日のヨウ素からの放射能が減ってから23日に公開したものと推測できる。

菅首相の不信任政局のさなか、原口前総務大臣はモニタリングポストの数値が公表値より3桁多かったと発言しているが、事実とすれば国家的な犯罪である。情報が隠蔽されれば、政府外の有識者からの適切な助言は期待できず、対応はミスリードされる。

「がんばろう、日本 !」と百万回叫ぶより、真実を一度話すことが重要なのである。3月23日以前の国民が最も被ばくした12日間のデータを公開すべきである。
後に政府・東電は高濃度放射能汚染の事実を一部隠蔽していたことを認めたが、X線フィルムが感光するくらいであるから、公表値以上の高い線量だったことは確かである。全く不誠実な対応であるが、その後も不十分な情報公開の状態が続いている。
そして現在も炉心溶融した3基の原子炉から少なくなったとはいえ放射性物質の飛散は続いているが、収束の兆しは全く見えてこない。

日本の法律上では一般公衆の線量限度は1mSv/年であるが、政府は国際放射線防護委員会(ICRP)の基準をもとに警戒区域や計画的避難区域を設け、校庭の活動制限の基準を3.8μSv/hとし、住民には屋外で8時間、屋内で16時間の生活パターンを考えて、「年間20mSv」とした。文科省が基準としたICRP Publication 109(2007)勧告では、「緊急時被ばく状況」では20 mSv~100 mSv/年を勧告し、またICRP Publication 111(2008)勧告では、「緊急時被ばく状況」後の復興途上の「現存被ばく状況」では1 mSv-20 mSv(できるだけ低く)に設定することを勧告している。
政府は移住を回避するために、復興期の最高値20mSvを採用したのである。しかし原発事故の収拾の目途が立っていない状況で住民に20mSv/年を強いるのは人命軽視の対応である。

この線量基準が諸兄から「高すぎる」との批判が相次いだ。確かに、年齢も考慮せず放射線の影響を受けやすい成長期の小児や妊婦にまで一律に「年間 20mSv」を当てはめるのは危険であり、私も高いと考えている。しかし私は、「年間20mSv」という数値以上に内部被ばくが全く計算されていないことが最大の問題であると考えている。

政府をはじめ有識者の一部は100 mSv以下の低線量被ばく線量では発がんのデータはなく、この基準の妥当性を主張している。しかし最近では100mSv以下でも発がんリスクのデータが報告されている。

広島・長崎の原爆被爆者に関するPrestonらの包括的な報告では低線量レベル(100mSv以下)でもがんが発生していると報告2)され、白血病を含めて全てのがんの放射線起因性は認めざるを得ないとし、被爆者の認定基準の改訂にも言及している。
また、15カ国の原子力施設労働者40万人以上(個人の被曝累積線量の平均は19.4mSv)の追跡調査でも、がん死した人の1~2%は放射線が原因と報告している3)。
こうした報告もあり、米国科学アカデミーのBEIR-Ⅶ(Biological Effects of Ionizing Radiation-Ⅶ、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告, 2008)では、5年間で100mSvの低線量被曝でも約1%の人が放射線に起因するがんになるとし、「しきい値なしの直線モデル」【 (LNT(linear non-threshold)仮説 】 は妥当であり、発がんリスクについて「放射線に安全な量はない」と結論付け、低線量被ばくに関する現状の国際的なコンセンサスとなっている。

さらに、欧州の環境派グループが1997年に設立したECRR(欧州放射線リスク委員会)は、国際的権威(ICRP、UNSCEAR、BEIR)が採用している現行の内部被ばくを考慮しないリスクモデルを再検討しようとするグループであるが、先日の報道では、ECRRの科学委員長であるクリス・バスビーは ECRRの手法で予測した福島原発事故による今後50年間の過剰がん患者数を予測している。原発から100kmの地域(約330万人在住)で約20万人 (半数は10年以内に発病)、原発から100Km~200Kmの地域(約780万人在住)で約22万人と予測し、2061年までに福島 200km 圏内汚染地域で417,000人のがん発症を予測している。しかし計算の根拠とした幾つかの仮定や条件が理解できない点も混在しており、予測値は誇張されていると私は感じている。ちなみにICRPの方法では50年間で余分ながん発症は6,158人と予測されている。さてこの予測者数の大きな違いはどう解釈すべきなのか。

また、震災前の3月5日に、米国原子力委員会で働いたことのあるJanette Sherman医師のインタビュー4)では1986年4月のチェルノブイリ事故後の衝撃的な健康被害が語られている。彼女が編集したニューヨーク科学アカデミーからの新刊 "Chernobyl : Consequences of the catastrophe for people and the environment"によると、医学的なデータを根拠に1986~2004年の調査期間に、98.5万人が死亡し、さらに奇形や知的障害が多発しているという。また、ヨウ素のみならずセシウムやストロンチウムなどにより、心筋、骨、免疫機能、知的発育が起こっており、4000人の死亡と報告している IAEAは真実を語っていないと批判している。これは、(1)正確な線量の隠蔽、(2)低線量でも影響が大きい、(3)内部被ばくを計算していないため、といった原因が考えられる。この大きな健康被害の違いについても、私は内部被ばくの軽視が最大の原因だと考えている。
しかし低線量でも被害が大きいことが隠蔽されている可能性も否定できない。ちなみに原発事故の翌日に米国は80Km圏内からの退避命令を出しており、低線量被ばくの被害の真実の姿を握っていて対応した可能性もある。

(その2/2に続く)

文献
(1)Amy Berrington de Gonzalez, Sarah Darby: Risk of cancer from diagnostic X-rays: estimates for the UK and 14 other countries. Lancet 363:345-351, 2004.
(2)D.L.Preston, E.Ron, S. Tokuoka,et al: Solid Cancer Incidence in atomic Bomb Survivors;1958-1998. Radiation Res.168:1-64,2007.
(3)Cardis E, Vrijheid M, Blettner M, et al: Risk of cancer after low doses of ionising radiation: retrospective cohort study in 15 countries.BMJ.9:331(7508):77,2005.
(4)http://www.universalsubtitles.org/en/videos/zzyKyq4iiV3r/
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by lumokurago | 2011-07-04 10:13 | 原発