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カテゴリ:杉並教科書裁判( 45 )


リハーサル

明日の口頭弁論に向けてリハーサルを行いました。
うーん、安倍裁判と違って中味が濃いだけに、むずかしいです・・・
結審の可能性も視野に入れながら、どれだけ裁判官とかけひきできるか?!

まだまだ初心者ですが、がんばります!
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by lumokurago | 2007-06-27 23:47 | 杉並教科書裁判

扶桑社への公開質問状

本日、扶桑社へ公開質問状を送りました。

株式会社扶桑社社長 片桐 松樹 様

2007年6月18日

杉並の不当な教科書採択取り消し裁判の会

公 開 質 問 状

当会は貴社出版の「新しい歴史教科書」を2005年に採択した杉並区の関係者、教育委員会を被告とした裁判をしている者です。

6月1日付の報道によれば、「新しい歴史教科書をつくる会」は同会執筆の検定教科書を発行してきた貴社との関係を絶ち、次回の教科書を発行する別の出版社を公募すると5月31日に発表しました。その理由は「教科書発行に関する『つくる会』の見解」によれば、貴社が別途、教科書発行専門の子会社を設立し、新たな組織体制を作り、新たな教科書の製作・発行を目指しているためとしています。

これによると貴社は現在杉並区で使われている「新しい歴史教科書」を否定し、新たな教科書作りに1から取り組むつもりであると解釈できます。

そこで以下の通り質問しますので、6月末日までにご回答下さるようお願いいたします。

1、1年数か月しか使われていない「新しい歴史教科書」を否定し、新たな教科書を作るということは、「新しい歴史教科書」が教科書としてふさわしくないと、版元自らが判断したことになります。現在この教科書を使っている中学生に対して、どう責任を取るおつもりですか?

2、版元がそのような判断をして、新たな教科書作りに取り組むのであれば、責任を取って「新しい歴史教科書」の供給をやめ、これを採択した教育委員会に、使用の中止を申し入れて、採択のし直しを要望すべきですが、そうするおつもりはありますか?

3、2で述べたようなまっとうな責任の取り方をせずに、新たな教科書作りに取り組むことは、この教科書を使っている中学生に対する裏切り行為となりますが、いかがお考えですか?

4、この間の「新しい歴史教科書をつくる会」と貴社の交わした書面(つくる会FAX通信第19号付属文書)によれば「新しい歴史教科書をつくる会」と貴社は共同事業者関係にあったと解釈できますが、今回貴社と「つくる会」は共同事業者関係を断絶したと解釈してよろしいですか?

この公開質問状はマスコミ各社にも送付します。

 ご回答は次の連絡先までお願いします。

杉並の不当な教科書採択取り消し裁判の会
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by lumokurago | 2007-06-18 20:19 | 杉並教科書裁判

住民訴訟第二回口頭弁論報告

今日の口頭弁論は15分しか時間を取ってもらえず、「口頭弁論主義の徹底」「口頭弁論期日の変更」を求めた準備書面(「訴訟指揮への異議申立」)を何通も出していました。

法廷入り口のプログラムを見ると、この裁判は10:30のところに書いてあり、他の裁判は終了時間が書いていないのに、この裁判だけ、10:45と書いてありました。そして10:45には難民申請の裁判を4件も入れており(前聞いた時は2件と言っていた)、11:00にも別の裁判が2件とものすごい数の裁判を入れていました。よほど時間を取りたくないんですね!

さて開廷・・・

裁判長はまず、要領よくまとめた進行が必要とし、整理して円滑にやってほしいと述べ、提出した準備書面20通の分類をし、訴訟の進行関係のものを分けました。

その上で、官製談合関与行為としての準備書面15通の趣旨をそれぞれまとめて述べ、陳述するかと聞いてきました。

そこで渡辺が準備書面のファイルを示し(1冊になるほどの量)、傍聴席に向けて「裁判長は手際よくまとめてくださったが、こんなに膨大な量である。傍聴者のみなさんは裁判長の説明だけで理解することができたか」と問いかけました。

すると「できません」という声あり。

裁判長は渡辺に対し、「訴訟指揮は裁判官がするものである」と制したので、「傍聴人も主権者である」と述べると、こういうやり方をしていると進まないと制し、再び陳述するかと聞きました。

ここでTさんが、まとめて陳述するから口頭で述べる時間をいただけないかと提起。裁判長は「5分」と受けて、Tさんが官製談合について述べました。全体の説明の後、被告側に釈明を求める事項について個別に確認しました。

そこで裁判長がまた「陳述するか」と聞いてきたので、これで20通全部を陳述することにしようとしているので、原告らはできない旨るる述べました。

裁判長は「訴訟指揮は裁判官がやる」と強調し、「居酒屋じゃないんだから」とか「学校の先生が生徒に静かにしなさいといっているのに静かにしないと同じ」などの不適切発言を行い、Kさんが「それはおかしい。裁判長と私たちは対等」と応戦。

すると裁判長は陳述しないなら、準備書面を受け取らなかったことになると脅しをかけてきました。

それでも負けずにぐずぐず言っていると、「今日は閉廷」とまで言ったので、忌避役になってくれた人2人(一昨日頼んで選定者から原告になってくれ、昨日のリハーサルに来てくれていた)がおずおずと「忌避」を言い出しました。

すると裁判長は忌避するなら審議はストップになると言うので、2人以外は忌避しないで陳述すると言いました。

裁判長はそんなことはできないと言います。愛媛では順番に忌避していることを知っているので、そんなはずはないと言いましたが、裁判長はできないと言い張りました。が、最後の方にはうやむやな感じになり、「考えておいて下さい」みたいな感じになりました。(他の原告の人へ・・・そんな感じでしたよね?)

とにかく2人以外は陳述するということで、「それなら続けましょう」と裁判長が言い、他の準備書面の話になりました。

「ていねいに読んでほしい」という準備書面に対しては「もちろんていねいに読んでいる」という返事。

口頭弁論調書への異議申し立ては「異議をとどめておく」、「訴訟指揮への異議申し立てはこのまま申し立てますか?」と聞くので、「はい」と言ったら、「却下です」と言いました。

それから証拠の話になり、被告はこれらを認め、こちらも前回の被告の証拠を認めました。証拠として「監査結果」を出し忘れていたのですが、裁判長は「以前もらったものを甲88号証とします」と言ってくれました。
証人申出書については今後の経過をみてさらに考えさせていただくとのこと。

それから被告側に反論を検討していただくとし、被告にいつまでと聞き、被告がOKしたので、被告の反論の期日を1ヵ月後の4月9日までとしました。

原告側の再反論は余裕をみて時間をとってほしいと申し入れ、6月21日までとなりました。今回遅れてしまったので、遅れないようにと釘をさされました。出せるものは全部出してほしいと言い、判断できる状態になるのか? それとも? と次回結審を匂わせました。

裁判長は原告に「効率よくやってほしい」と要望、「支出した費用が違法かどうかがポイントだということを頭に入れやるように」と助言(誘導?)がありました。

そして次回は30分の時間を取ると言ったので、拍手がわきおこりました。

次回期日は6月28日(木)11:30です。

結局15分の予定だったのが30分近くやっていました。

以上、メモも取っておらず、頭に残ったことを羅列したものです。正式な報告は傍聴していた安部裁判原告のEさんが書いてくれることになっています(JANJANに投稿する)。

感想

Tさんに5分時間を取ってくれたこと、次回30分取ってくれたことは収穫だったと思います。これもしつこく「訴訟指揮への異議申立」などをしたことと、「忌避」が聞いたかな?

★「忌避」について個人の原告2人が忌避しただけで、全体がストップになると言ったことは誤りなので、異議申し立てをしようと思っています

★「不適切発言」を放置せず、(口頭で「裁判官と原告は対等」と述べましたが)、異議申立をしたいです。

今日の裁判は裁判長が「それなら提出しなかったことになる」「閉廷」などと脅しをかけてきたことに対して、こちらも「忌避」を用意しており、かけひきがおもしろかったです。

原告席にいると必死でしたが、傍聴席で客観的に見ていたら、「劇」みたいでおもしろかっただろうなと思います。いろんな役者がそろっていて、おもしろかったという感想もいただきました。

というわけで、昨日のリハーサル、今日の本番、報告会と「3食」(by生田さん)を十分楽しみましたよ!! 
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by lumokurago | 2007-03-09 15:56 | 杉並教科書裁判

準備書面提出終わり

今日、残りの準備書面を提出してきました。帰宅後、間に合わなかった証拠説明書に追われました。準備書面(23)UPします。

訴訟指揮への異議申立

原告らはこの間、被告らの答弁書に対して膨大な準備書面を書いて反論してきた。タイトルを以下に列挙する。

準備書面(5)教科書官製談合の司令塔・山田宏区長
準備書面(6)教育委員会には採択権限はない その1
         教育基本法の原理から教科書採択権を考察する
準備書面(7)教育委員会には採択権限はない その2
         実態的採択権限について
準備書面(8)杉並区が臨時警備業務を委託したことに関し、財務会計行為の違法性
準備書面(9)「つくる会」、自民党タカ派議員らの採択への違法な介入
      改定前の教育基本法第10条違反と官製談合防止法違反
 (本採択の背景)
準備書面(10)杉並区における教科書採択要綱・規則の恣意的「改定」は改定前の教育基本法第10条違反及び入札談合等関与行為防止法違反
準備書面(11)扶桑社版歴史教科書採択は実は内定していた?
準備書面(14)教科書調査報告書(学校用)の書き換え命令は
        扶桑社版教科書採択の環境整備である。
 これは採択の規則違反であり、いわゆる官製談合における関与行為である
準備書面(15)杉並区教科書官製談合
準備書面(16)原告請求の趣旨、
いわゆる無効確認の2号請求は理由がある
準備書面(17)教科書調査委員会報告における扶桑社版歴史教科書の評価は最低だった
準備書面(18)調査委員会報告書は恣意的に無とされた
          文科省指導にも違反
準備書面(19)教育委員会を2回開催したことの違法性
準備書面(20)過剰な臨時警備の違法性
準備書面(22)教育委員会は「つくる会」の違法行為に加担 
          または「つくる会」と一体

準備書面(14)~(22)は締め切りに間に合わず、口頭弁論期日の前々日の提出になってしまったが、被告らはあらゆる面から扶桑社版歴史教科書採択の環境を整えようと画策し、その違法行為が予想外に多岐に渡るものであり、複雑であったためである。調べれば調べるほど闇が深いと感じた。これだけ書いても未だ、被告らの違法行為の全てを網羅できたとはとても言えないのである。

原告らは生まれて初めて裁判を起こしたものであるが、これらの膨大な準備書面を口頭で全く陳述することなしに、「陳述しますか」「はい」という一言で陳述したことにされてしまうことに、驚きを禁じえない。主権者である我々原告をあまりにも粗末に扱っていると感じ、大きな怒りを覚える。

日本中の、公立も私立も合わせた中学校全体で使われている扶桑社版歴史教科書は1%にも及ばないたった0.39%である。その0.39%のうちの約40%=約2000冊を杉並の子どもたちが使っている。杉並の子どもたちが一番初めに、「お国」のために命を捧げる子どもたちとして育てられるのである。しかもそれは、山田宏区長一人の偏った思想を元に、このように数々の違法行為を重ねたあげくの採択のせいなのである。あまりにも理不尽ではないだろうか。

そんな理不尽さに対して、私たちの希望を託す最後の手段が裁判である。ここでなら、私たちの告発を取り上げてもらえる。闇の中の真実を明るみに出し、公正な判決を下し、違法な採択に関わる支出を無効としてくれる。そう信じて提訴したのである。それなのに、これだけの膨大な準備書面を一言も陳述させないで、陳述したことにするとは、あまりにも不誠実であり、主権者を愚弄していると言わざるを得ない。繰り返すが、主権は裁判官ではなく私たち一人ひとりにある。

教育基本法が改悪され、改憲手続法も成立間近である。政府は人民の意見を聞かず(やらせタウンミーティングがいい例である・国民主権に違反)、憲法遵守の義務を放棄し(改悪教育基本法の内容は憲法違反)、与党の数の力を持って「戦争のできる国」への道を突き進んでいる。それは今や音を立てて流れる激流となろうとしている。今、止めなければ取り返しのつかないことになる。三権分立の理念に基づき、立法、行政の横暴、違法行為に歯止めをかけることが司法の責任である。司法は公正な判決を出すことによって、リーダーシップを持って人民に働きかけることができる。その力は非常に大きいのである。

子どもたちの命を守るためには、今の今、大人が命がけで考え、行動するしかない。今、大人たちが立ち上がれば、激流になりかけている流れを止め、平和の方向へと流れを変えることができるのである。

被告らの違法行為の全てを頭に入れ、杉並区教科書官製談合の全体像を組み立てるには、相当の時間がかかるし、また理解しようというエネルギーがいる。いくら優秀な専門家である裁判官らといえども、これら膨大な準備書面を斜めに一読しただけでそのことが可能とは思えない。時間をとって、口頭弁論で原告らの切実な声を生身の人間として聞くことによってこそ、本当の理解ができるのである。

このことは被告らにとっても同じである。この膨大な準備書面に誠実に反論するためには、まず理解が必要である。浅い理解で薄っぺらな反論をされても原告らは納得できない。原告らの主張する内容を十分に理解し、誠実に反論することを被告らに求める。また、原告らが準備書面の中で釈明を求めた点について、被告らの釈明を要求する。

口頭弁論の時間を取っていただきたい心情(真情)を述べ、準備書面(4)で口頭弁論期日の変更を求めたが、何の返事もいただけなかった。

このような裁判長の訴訟指揮に異議を申し立て、準備書面の陳述は口頭で可能な時間だけ行い、一回の口頭弁論では到底全部は陳述できないので、今後継続して口頭弁論を開いていくことを求める。

以上
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by lumokurago | 2007-03-08 00:14 | 杉並教科書裁判

今日のところは一段落

午前中、準備書面について生田弁護士に相談したら、「今、忙しい。今までのものはよくできているから、そのまま全部出しなさい」とのこと。午後、証拠申出書についてもう一度相談したら、なんとすぐに途中までサンプルを入れて作ってくださいました! 感謝!! おかげで証拠申出書も作成。

その後、意見をいただいた準備書面(17)を作り直し(訂正のみでない、作り直しだった。根本的なところなので絶対に必要であせった)、準備書面(22)を作成。

今日はこれをどうぞ・・・これでも短めな方なので。

準備書面(22)

杉並区教育委員会は「つくる会」の違法行為に加担
または「つくる会」と一体

1.事実経過

(1)「つくる会」によるY教育委員への公開質問状

2005年8月8日、『改訂版 新しい歴史教科書』代表執筆者 藤岡信勝氏と『新訂版 新しい公民教科書』代表執筆者 八木秀次氏の連名で、杉並区教育委員Y氏に公開質問状と称する文書が送りつけられた。この内容は、8月4日に行われた教育委員会の席上、Y氏が『改訂版 新しい歴史教科書』(以下、扶桑社版歴史教科書という)について、「戦争に向かう」教科書と発言したことに対して、それは同教科書および同公民教科書の著作者に対する不当な中傷であるとしたもので、この発言の根拠は何かなどの質問事項を列挙したものである。そして、この質問に対する回答は次回臨時教育委員会開催前の8月10日までにお願いするとし、それまでに誠意ある回答が得られない場合は法的手段に訴えることを検討しているとしている。【甲80号証】

一教育委員が教育委員会の審議中に述べた発言を「不当な中傷」であるとして、公開質問状を送りつけ、その上、法的手段に訴えるとまで書くことは、教育委員に対する脅迫であり、教育委員会での自由な発言を封殺しようとする行為である。しかもこの卑劣な行為を行ったのは他でもない扶桑社版歴史・公民教科書の代表執筆者である藤岡信勝氏と八木秀次氏であった。教科書の著者自身が教育委員会での教育委員の発言の自由を奪い、自分の著書である教科書を批判する意見を「不当な中傷」として脅迫するとは許しがたい行為である。これこそが採択の公正さを妨げるものであり、決して看過できないものである。しかしながら、杉並区教育委員会(以下「区教委」という)は、この公開質問状に対して撤回も謝罪も求めなかった。これがもし、他の出版社の著者が同じことをしたのだったらどうだっただろうか。

その上、8月12日の臨時教育委員会で、納冨教育長が「Y委員で・・・あの言葉が(原告注:「戦争に向かう」という発言を指す)本当に適切だったかどうかということについて、私は見解を申し上げません」と言い出し、大藏委員はこの公開質問状を「私も読みましたが」として、藤岡氏、八木氏になりかわって「それはどういうことなのかというのは・・・言っていただきたいと思います」【乙9号証P24】「『戦争に向かうとそう思いました』と。・・・そう思った個所はどこにあるかということをやはり言わなければいけないのではないでしょうか」【乙9号証P30】とY氏に問い詰めている。この発言に対して、司会者である委員長も大藏委員を制することなく看過している。

つまり区教委は藤岡信勝氏、八木秀次氏と一体だからこそ公開質問状に対して適切な措置を取らずに看過したのである。

(2)Y氏を名指しした誹謗中傷ビラの配布

公開質問状送付と共に、「つくる会」はY氏を名指しで誹謗中傷するビラを街頭で配布し始めた。そのビラはY氏を誹謗中傷する以外にも帝国書院、大阪書籍の誹謗中傷でもあった。【甲9号証】

(3)杉並区職員は「つくる会」支持者を区庁舎敷地内に招きいれた

8月12日の臨時教育委員会の前夜から、「つくる会」支持者は区役所前に泊まりこみ、当日は職員が敷地内に招きいれた。区民がビラを配ったりしていた時は「敷地内から出ろ」とあれほど言っていたのにである。このことは堀部やすし議員が「どちらか一方に偏っているようなイメージを持たれるのは大変よろしくない」と文教委員会で注意している【甲83号証】が、このことも杉並区と「つくる会」が一体となって本件採択をすすめたことが明らかである。

(4)8月12日の臨時教育委員会に扶桑社版歴史教科書代表執筆者であり「つくる会」副会長である藤岡信勝氏が傍聴

「つくる会」支持者たちは8月12日の臨時教育委員会の前夜から区役所前に泊まり込んだ。そして、区民がビラまきをしようとすると「区役所の敷地内に入るな」と命令し、敷地外に追いやっていた杉並区職員が、「つくる会」支持者たちに対しては正反対の行動を取った。つまり、傍聴券抽選のために彼らを区民より先にあらかじめ敷地内に招き入れ、職員が誘導して並ばせたのである。(新城せつこ区議会議員の目撃証言あり)。【甲 号証】

藤岡信勝氏はそのように「つくる会」支持者を動員し、傍聴券を手に入れて傍聴席に座った。ちなみにこの「つくる会」支持者の女性のほとんどは髪の毛を三つ編みにして、ぐるっと頭に巻いた特徴的な髪型をしていた。この女性たちは「キリストの幕屋」というカルト宗教の信者である。この宗教の信者である女性は全員が同じ髪型をしている。【甲81号証】

この藤岡氏の傍聴には後日談がある。採択後、2度目の文教委員会は9月7日に行われたが、この日傍聴席は早々と並んだ「キリストの幕屋」の女性などでいっぱいで区民はただの一人も傍聴席に入れなかった。採択後初めての文教委員会(8月25日)の傍聴は23人で、「キリストの幕屋」の女性は一人も来ていなかった(髪形でわかる)のに、「なぜかこの日は」である。【甲82号証】

この文教委員会で堀部やすし議員が、12日の臨時教育委員会に藤岡信勝氏が傍聴に来ていたことについて質問した時、傍聴席から「俵もいたぞ!」というやじが飛んだ。「俵」とは俵義文さんのことで、「つくる会」教科書に反対する「子どもと教科書ネット」の事務局長である。そのやじを受け、堀部議員は「反対派の親玉でもあります俵氏もいらっしゃったというような、こういう話がありましたよね」と述べ、なぜこの2人が都合よく傍聴に入ったのかと質問し、傍聴券の譲渡が疑われ、アンフェアであると指摘している。【甲83号証】

その後鈴木信男議員があの場に俵氏はいなかったから調べるようにと要請し、庶務課長が俵氏は傍聴席にはいなかったことを確認した。【甲84号証】

この日、なぜ「つくる会」支持者は早々と並び、区民を一人も傍聴席に入れなかったのか? 傍聴席から「俵もいたぞ!」とやじを飛ばし、傍聴したのは藤岡氏だけではなく、反対の立場からもトップの人物が傍聴に入ったことにしようとたくらんだのである。区民が傍聴席に入っていれば、その区民は俵氏がいなかったことを知っているので、そのたくらみがかなわないため、区民を一人も傍聴席に入れなかったのである。なんと姑息でなんと卑怯なのだろうか。これは「つくる会」が組織的にたくらんで、支持者を動員したものであることは明らかである。支持者が三々五々と集まるだけでは、1時半から始まる文教委員会に11時半から大挙して並ぶなどということはあり得ないからである。

8月12日の臨時教育委員会の傍聴席に扶桑社版歴史教科書の代表執筆者である藤岡信勝「つくる会」副代表がすわったことに話を戻す。これは教科書執筆者自らが「つくる会」という巨大なバックをもって、教育委員の自由な討論を妨害したもので公正な採択に違反するものである。藤岡氏はただの教科書執筆者ではない。準備書面(9)で述べたように「つくる会」は「議員の会」と双子の兄弟(姉妹)の関係にあり、安倍晋三を初めとする自民党タカ派議員たちと強力に結びつき、巨大な権力を持っているのである。傍聴席に座ってにらみをきかせ、扶桑社版の採択を見届けたのである。

なぜ、区教委は藤岡氏の傍聴を許したのだろうか。それはやはり区教委が「つくる会」と一体となって扶桑社版歴史教科書採択を画策していたからである。

(5)8月16日の教育委員長丸田頼一氏への公開質問状の送付

採択の3日後の8月15日、「つくる会」は会長八木秀次氏名で教育委員長丸田氏に「東京都杉並区丸田頼一教育委員長の発言等についての『つくる会』見解」(以下、「つくる会」見解という)と共に公開質問状を送付した。

「つくる会」見解では、採択後に委員長が発表した「委員長コメント」(教科書を主教材として学校では一切使用せず別途用意している学校も知っている。扶桑社版教科書の内容を補完する立場から杉並区教師用指導書概要を提示し教師の便宜を図るべきなど)【甲10号証】に対し、

 一、個人的感想をあたかも教育委員会の正式の見解であるかの如く、「委員長コメント」として発表することは重大な越権行為である。

 二、みずから教科書採択を行った直後に、教科書を使用しないことを推奨している。これは教科書の使用を義務付けた学校教育法第21条第一項に違反している。

などと述べ、丸田委員長の発言等は教育委員としての適格性を欠くものであり、地教行法第7条に定める教育委員の「職務上の義務違反」に当たるため教育委員を罷免されるのが相当であるとしている。そして公開質問状でこれらへの丸田委員長の見解を求めている。【甲85号証】

丸田委員長はこの公開質問状送付後の8月16日、「つくる会」の言いなりになって「委員長コメント」を訂正する「補足コメント」を発表した。【甲12号証】

いよいよ採択する教科書を決定するというその場で、まず先に、教科書を主教材として一切使用せず、別途主教材を用意している学校を知っているとか、教科書の内容を補完する補完ガイドラインを示すなどと教育委員長が発言し、その上で、扶桑社版教科書採択の決定を述べるという異常事態なのであった。【乙9号証P35】

また、教育長も教育長コメントを出し、「採択された教科書はいずれも国の検定を合格したもの」と述べたが、「検定合格」のみを扶桑社版採択の言い訳とする教育長のコメントも異常なものであった。【甲13号証】原告としてはここでこの異常さに触れずにはいられない。

(5)Y教育委員へ再度公開質問状送付
 
藤岡氏、八木氏は(1)の公開質問状へのY氏の回答が「現在杉並区は採択審議が継続しておりますので、現時点ではお答えすることは差し控えさせていただきます」であったことに対して、採択作業が終了したので、改めて8月8日付の質問に答えることを求め、9月2日に再度Y教育委員へ公開質問状を送付した。ここでも「期日までに誠意あるご回答がない場合には法的手段に訴えることを検討している」としている。【甲86号証】

区教委は採択後になっても、この件に関して藤岡氏、八木氏に撤回を求めることはなかった。あくまでも一体なのである。

(6)教育委員と対話を重ねて理解を求める活動をしたこと

藤岡信勝氏は『史』(平成17年9月号)『教科書採択戦を総括する』で「私たちは教育委員と対話を重ねて理解を求める活動をして参りました。実は教科書会社の営業マンも同じような活動をしていたのです。私たちはボランティアで、いろいろな人間関係から教育委員の方に接していったのですが・・・」と述べている。【甲87号証】

ここで藤岡氏は教育委員に圧力をかけたことを自ら告白している。杉並区の扶桑社版歴史教科書採択は区長山田宏が司令塔となって、いわば公然とした官製談合によって行われたものだが、藤岡氏、「つくる会」も一体となって関与していたのである。

まとめ

以上の事実から、「つくる会」の不法行為はもちろんだが、杉並区としてその不法行為などを看過し、または「つくる会」に積極的に協力していたことがわかる。つまり、杉並区と「つくる会」は結託し、一体となって、扶桑社版歴史教科書の採択をすすめたのである。

結語

杉並区は「つくる会」と一体となって本件採択をすすめた。これは

(1)適正かつ公正な採択を定めた採択の規則第二条1項に違反する。
(2)いわゆる官製談合防止法に違反する。

よって、本件採択に関わって支出された公金は無効であり、請求の趣旨の通りの判決を求める。

以上

 添付書類    甲80号証~甲87号証      各1通
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by lumokurago | 2007-03-05 23:11 | 杉並教科書裁判

間に合うか?!

準備書面に追われています。最終締め切りは7日。間に合うか?!
とにかく杉並区の不当不法な採択のすべてを網羅して、一度に全部書かなければならないのでとても大変です。でもこれで全体像がはっきりしてきました。(3人でやっています)。

できるところまでやって、後は「骨子」で出すしかありません。
証拠の管理とか証拠説明書とかがすごく面倒でさらに時間がかかります。

今日はTさんが書いた「口頭弁論調書への異議申立」を紹介します。笑っちゃう。

第一回口頭弁論調書に対する異議申立と要求

一、第一回口頭弁論調書に対する異議申立

第一回口頭弁論調書は、第一回口頭弁論で行われた弁論内容の重要な事項を記載しておらず、不備であるので異議を申し立てる。

まず、初めて口頭弁論調書なるものを見た原告は甚だ驚いた。これが裁判の記録だということを認めるのに、穴のあくほど当該調書を見つめてしまったほどである。最初は、これは裁判のプログラムかと思い違いをしたくらいである。なぜなら、そこには内容が何も書かれていないからである。

裁判官らは、この弁論調書を見て、どんな裁判かが思い出せるのだろうか。もし、そうであるならば素晴らしいが、そのような超人的な脳の記憶力を発揮しなくとも、もう少し要点だけでも記録を残しておいても罰はあたらないと思われる。それともこれは、書記官の仕事の効率化の一貫なのだろうか。これでは、どの事件の調書も、事件名と名前を変えればどれも同じ調書になってしまう。裁判官らは時間の無駄ばかりでなく、資源の無駄についてももっと神経質になるべきではないだろうか。

小学生の母親である原告の一人は、PTA便りのほうが、よほど記録がしっかり残っていると証言している。ちなみにPTAの書記は何の報酬も無しにそうした報告書を作っている。
上記理由を鑑み、次の内容を口頭弁論調書に付け加えることを求めるものである。

1.原告より、自己紹介の求めがあった。大門裁判長は「あまりこういうことはしない」としながらも自己紹介に応じ、他の裁判官もこれに倣った。さらに裁判長は「被告もどうぞ」と促し、被告代理人も自己紹介した。原告の「人間として対等な立場に立つため、裁判官を名まえでお呼びしたい」という求めには、「慣例でない」としたが「構わない」とした。

*この項目を付け加える理由

主権は我々国民にあり、裁判官にあるのではない。裁判官が偉いのではなく、裁判官は我々国民のために働いているのである。このことを確認し、実現するために、自己紹介を行い、裁判官を名まえで呼ぶことを行った。裁判官も容認した。これは画期的なことであるので、この事実を口頭弁論調書に書き残す必要がある。

2.原告より裁判の録音についての求めがあった。これに対し、裁判長は「裁判には録音や速記による規定がない」と答え退けた。裁判長は、書記官が口頭弁論調書に必要事項を記録すると述べ、その調書については原告が確認でき、異議があれば異議申立ができる旨を説明した。

*この項を付け加える理由

裁判所では録音テープを取っていないという事実はあまり知られていない。このことは記録に残す必要がある。また、原告の出した準備書面について裁判所がどのように答えたのかはきちんと記録に残す必要がある。

3.原告より口頭弁論主義の徹底の求めがあった。これに対し裁判長は、裁判所では毎日多くの裁判が開かれていること、その一つ一つが大事な事件であること、限られた時間で審理を行うためには書面による意見交換が不可欠であることを理由に退けた。これに対し原告は「裁判の一つ一つが大事であるのならば、なおさら大事なところは口頭で弁論していきたい」と述べたが、大門裁判長は口頭弁論では主に書面の確認と補充というやりとりになることを理解してほしいと述べた。

*この項を付け加える理由

口頭弁論主義の徹底は主権者から見て裁判に欠かせないものである。にもかかわらず裁判所が「迅速な裁判」を指向するのは間違いである。原告は今後も口頭弁論主義の徹底を求めていくので、裁判所とはどこが食い違うのかをはっきりさせるため、裁判所の考え方を記録に残す必要がある。

4.原告より準備書面(2)の陳述があった。内容は、本件採択の教科書の問題性についてであり、採択率0.39%の異常性、教科書の特異性である神話や戦争の捉え方などを説明した。また教育長を含む5人の教育委員の採択審議過程における問題発言等について陳述し、区長については次回に述べるとした。

5.原告より準備書面(3)の陳述があった。提訴の背景として杉並区行政のモラル低下、官製談合の疑いが指摘され、これを踏まえた上で裁判官は本件に踏み込むよう要望があった。

6.これらに対し、裁判長は「背景事情や原告の思いはよく分かりました」と述べた。また「訴状にある違法性5項目について証拠をあげるなど充分に意識して準備してください」との助言があった。

*4~6の項を付け加える理由

原告が、貴重な時間を割いて陳述した内容が、弁論調書には一言も載っていないのは、まことに遺憾である。第一回口頭弁論でどのような意見交換があったかを、せめて記憶のよすがになる程度の分量でいいので、記録しておくことを求めるのは、それほど贅沢なことであろうか。裁判の公正を守るうえでも、裁判の進捗を確認・把握する便宜のうえでも、何がどういう段階まで語られたのか、最低限分かる程度の記録は残しておく必要がある。

二、要求

1.開かれた裁判のため、口頭弁論主義を徹底すること。原告は、全ての準備書面・意見陳述等について口頭弁論を要求していくので、そのための時間を確保すること。

2.裁判の公正さ及び正確さを確保するため、裁判所が弁論を録音し、原告及び被告に公開すること。

3.裁判所が上記のことを行わない場合は、原告らが弁論を録音する。

4.弁論調書はどのような内容の裁判だったかが最低限伝わるようなものを作成し、原告・被告・裁判長の三者の確認を必要とすること。
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by lumokurago | 2007-03-04 22:59 | 杉並教科書裁判

住民訴訟準備書面(5)官製談合の司令塔山田区長

教科書官製談合の司令塔・山田宏杉並区長

 1.山田宏区長の独断的・恣意的な教育委員・教育長任命

2000年11月、山田宏杉並区長(以下、山田区長という)は突然、任期満了の2人の教育委員と教育委員長を更迭した。任期満了の委員は、再任されるのが慣例であり、当然そうなるであろうと思われていた。にもかかわらず山田区長が彼らを更迭したのは、彼らが山田区長の不当な教育への介入に物申していたことと、特に教科書採択に関して「日常子どもたちと共に過ごしている、現場の教員の意見が尊重されるべきだ」と委員会で述べていたことが大きな原因であったと考えられる。

教育委員の選任に当たっては、議会の各会派に意向を打診するのが慣例だったが、山田区長は、独断的、恣意的に候補者を決めた。一人目の候補者は佐藤欣子氏(弁護士)である。佐藤氏は山田区長出身の松下政経塾で講師を務めたこともあり(区長証言)、産経新聞にも時々私見を書いていた「新しい歴史教科書をつくる会」(以下、「つくる会」という)の有力な賛同者の一人である。区民による猛烈な反対運動が展開され、区長は佐藤欣子氏を候補者として議会に提出できなかった。

次に区長は同じく「つくる会」の支持者である大藏雄之助氏と宮坂公夫氏を候補者として議会に提出し、区民の多くの反対を押し切って、また、区議会与党である公明党が採決の際退席する中、議会の同意を取り付け、両氏を教育委員とした。

2001年の採択のための教育委員会では3対2でかろうじて「つくる会」教科書は採択されなかったが、その後、2003年6月に山田区長は教育長を、元区長室長であり懐刀である納冨善朗氏に入れ替えた。納冨氏は「03年4月、山田区長に不倫疑惑が浮上したときの区長室長、『疑惑の“火消し役”として区長に評価されたと言われています』(区関係者)」(『週刊朝日』2005/8/12号)という人である。(甲14号証-準備中)

杉並区教育委員会(以下、区教委という)は2005年8月に「つくる会」主導の扶桑社版歴史教科書を違法に採択した。そして杉並区は全国583の採択地区の中で栃木県大田原市と共にたった2ヶ所、「つくる会」教科書を採択した不名誉な場所となった。

 2.山田区長と「つくる会」の関係

2005年2月21日、杉並区セシオンホールで行われたCS放送「日本文化チャンネル桜」(以下、「チャンネル桜」という)杉並支部発足記念講演会を、杉並区・杉並区教育委員会が後援し、山田区長自らもパネリストとして参加した。他のパネリストには、「つくる会」の有力なメンバーである渡部昇一氏(上智大学名誉教授)、クライン孝子氏(ノンフィクション作家)などが参加しており、「つくる会」が主張している歴史観を述べ、教科書採択にも言及していた。

「杉並区教育委員会後援等名義使用承認事務取扱要綱」第4条2項(3)には「事業活動が非営利であること」とあり、株式会社である「チャンネル桜」の後援を行うことは、上記の要綱に違反している。それにもかかわらず「杉並区・杉並区教育委員会」の後援を強行したことからも、山田区長と「つくる会」が深い関係であることは明らかである。

ホームページで靖国神社参拝などを呼びかけている「チャンネル桜」の創設提案賛同者は、「つくる会」の代表執筆者である藤岡信勝氏や「つくる会」の賛同者で構成されている。設立発起人には、「つくる会」元副会長であり、「つくる会」主導の扶桑社版教科書の元監修者であった高橋史朗氏(埼玉県教育委員)や杉並区議会議員の松浦芳子氏が名前を連ねている。(甲15号証)

松浦芳子区議は「日本会議」の東京都本部理事であり、「日本会議」の機関誌である『日本の息吹』の中で「杉並から日本を変える。歴史の教科書を変えたいから議員になった」と答えている。松浦芳子区議が議員に立候補した際、山田区長は推薦人として熱心に応援していた。さらに山田区長は「チャンネル桜」で月一回、番組を担当している。

松浦芳子区議は著書で高橋史朗氏を尊敬すると書いているが、その高橋史朗氏は「すぎなみしあわせ文庫・ココロマメ」の編纂委員として杉並区に関わっている。(甲16号証)

松浦芳子区議は『日本の息吹』(平成17年9月号)の「杉並から日本を変える―扶桑社版歴史教科書採択への道―」というインタビュー記事の中で、「採択実現の鍵は?」という質問に答えて、「一つは、区長、教育長が不当な圧力に屈せず、正しい意見が言える人であったこと」と延べ、山田区長が教科書採択に関して意見を述べていたことを明らかにしている。(甲17号証)。

3.山田区長のゆがんだ歴史観

山田区長は2004年、2005年の成人式で、新成人を前にして二人の特攻隊員の手記を読みあげ、「あなたたちと同じ年齢の若者が戦争に尊い命をささげた。今の平和で繁栄した日本の礎となった人たちに感謝するように」と訓示した。

若者たちは戦前の皇民化教育によって国のために命をささげたのであり、戦後、日本は皇民化教育を否定し、二度と繰り返してはいけないと反省して教育基本法を制定した。そのことを忘れ、新成人に特攻隊に感謝するようにと訓示するとは、戦後日本の反省をないがしろにした、戦前の皇民化教育への復帰に等しい行為である。

2005年5月22日、山田区長は「『日本海海戦』上映会」で講演した。「『日本海海戦』上映会」は、松浦芳子区議が代表や役員を務めている「はあもにい教育研究会」「杉並の教育を考える会」の主催である。

この上映会の講演で山田区長は、日露戦争はロシアの脅威から日本の独立、朝鮮の独立を守るためのやむにやまれぬ戦争だったとし、朝鮮の植民地化を正当化し、日韓併合は日本の安全と満州の権益を防衛するためだったと語った。これは「つくる会」歴史教科書と同じ歴史観である。さらに山田区長はここでもアジア太平洋戦争を戦前使っていた「大東亜戦争」と言い換え、大東亜戦争も自衛戦争だったとくり返した。(甲18号証)

4.山田区長の人脈、区教委と都教委の関係

2003年10月23日、東京都教育委員会(以下、都教委という)は都立学校に向けていわゆる「10.23通達」を出した。その内容は入学式、卒業式等における日の丸の掲揚、君が代の斉唱、式の会場設営等について細部に渡り規定し、教職員を校長の職務命令によって従わせるというものであった。前年までは式の前に、憲法第19条に規定される「思想及び良心の自由」に基づき、「内心の自由」について生徒、保護者に説明を行っていたが、その説明も禁止された。2006年9月21日の御庁判決(国歌斉唱義務不存在確認等請求事件判決)において、「10.23通達」は教育基本法10条に反し、憲法19条に反しているとして、教職員に国歌斉唱義務はないとされた。

区教委はこの違法な「10.23通達」を受け、区立学校に向けて区独自に同様の内容の通達を出した。このようなことを行ったのは都内で杉並区ともうひとつの区だけである。また、2005年8月の杉並における「つくる会」歴史教科書採択にあたっても、区教委は都教委のやり方を踏襲し、採択に至る態勢作りをした。(後に準備書面で詳しく述べる)。
 
2006年4月、山田区長は納冨善朗教育長の辞任に伴い、都教委の指導部長だった井出隆安氏を教育長に選任した。井出氏は都教委において「つくる会」教科書に有利になるように恣意的な「学校用教科調査研究資料」を作成し各教育委員会に提示するなど、「つくる会」教科書採択の中心にいた人物である。また、指導室長であった松岡氏(都教委出身)を庶務課長に据え、指導室長には同じく都教委から種村氏を引き抜いた。都教委は御庁判決で教育基本法10条に反し、憲法19条にも違反したと判断されたが、山田区長は都教委と結託し、「つくる会」歴史教科書を都内で唯一採択した杉並区で教育への政治介入を強化しているのである。
 
2004年1月25日、NPO法人「じゃんけんぽん」(法人日本児童文化教育研究所)の発足記念講演会が、都教委、区教委の後援を得て行われた。内容は高橋史朗氏による「家庭崩壊の処方箋『親学講座』」であり、山田区長も挨拶している。他に土屋たかゆき都議が挨拶している。土屋たかゆき都議は2006年6月、「新しい歴史教科書をつくる会」から八木秀次氏が袂を分って設置した、第二「つくる会」とも言うべき「日本教育再生機構」に発起人として参加している。土屋都議には石原都知事が「今、国家と言うものを踏まえて政治、社会の現状を捉える人間が少ない中、土屋さんは国家、東京、民族に対する愛着があるからゆえ、危機感をストレートに出し行動している稀有な政治家であり、私は強い友情を感じ、一緒に仕事をしている」ということばを贈っている(土屋都議のHPより)。
 
2006年2月12日には安倍晋三首相自らが杉並区立児童青少年センターを視察した。(甲19号証)安倍晋三は1997年2月に結成された「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(後に「若手」を名称から削除する。以下、「議員の会」という。)の事務局長を務めていた。「議員の会」と「つくる会」とは彼らの言う「自虐的な歴史観を持つ教科書」を排除し、「新しい歴史教科書」をつくるために結成された双子の兄弟(姉妹)のような関係にある組織である。「議員の会」は「つくる会」主導の扶桑社版教科書採択を推進するために教育に不当に介入した。(詳しくは後の準備書面に書く)。安倍晋三首相自らが視察に来るほど、山田区長は安倍晋三首相と関係が深いのである。また、2月14日には区立新泉小学校の道徳授業地区公開講座に高橋司郎氏を呼び「学校・家庭・地域における道徳教育」と題する講演会を行った。(甲20号証)
 
このように山田区長はこういった超タカ派の議員らと深いつながりを持ち、彼らを杉並区に呼んで講演等を行い、また、教育基本法10条、憲法19条に違反した都教委とつながり、積極的に都教委のやり方を取り入れ、その上、都教委出身の人物を区教委のトップに据えて、杉並の教育を破壊しようとしているのである。

結語

以上のように山田区長は成人式に特攻隊を賛美し、朝鮮の植民地化を正当化し、「大東亜戦争は自存自衛の戦争だった」とするゆがんだ歴史観を持つ人物である。山田区長は区長という公の立場にありながら、ゆがんだ歴史観を宣伝する「チャンネル桜」に定例番組を持ち、発言を続けている。これは教育への政治の介入を禁じた旧教育基本法10条(改悪教育基本法では第16条)に違反する不法行為である。山田区長は『ガバナンス』2005年2月号で「教育行政は区長がやるものだ」とも発言しており、やりたい放題・言いたい放題の観を呈している。(甲21号証―準備中)

訴状で指摘した5項目の違法性のすべては、山田区長のゆがんだ歴史観、独裁者とも言うべき独断的・恣意的な行動を根っことし、山田区長を司令塔としてなされたものである。つまり教科書官製談合の「天の声」は山田区長の声であった。
 
 (1)杉並区教育委員会の適正手続き違反と採択規則・要項の恣意的濫用 
     ①杉並区区立学校教科書の採択に関する規則違反
     ② 同規則・要綱の恣意的濫用の違法性    
     
 (2)同区教育委員会が教員による「教科書調査報告書(学校用)」を書き換えさせたことの違法性(公文書偽造)
     ①該当学校長の公文書偽造の違法性
     ②杉並区教育委員会の公文書偽造指示の違法性と職権濫用
    
 (3)同区教育委員会が本来1日ですむ教育委員会を2日に渡り開催し、採択日を恣意的に延期画策したことの違法性。
     ①不要な委員会の恣意的開催の違法性

 (4)同区教育委員会開催に関わり必要のない臨時警備業務を委託したことの違法性
     ①過剰警備に予算を執行したことの違法性

 (5)教科書採択は国と一体となった入札行為であり、ここにおいて特定の扶桑社の歴史教科書を選ぶように誘導するために、前述(1)~(4)の違法行為を犯したことは杉並区の官製談合であり、それを被告が容認し、もしくは推進した違法性

山田区長ひとりの不法な介入のために、採択率が0.5%にも満たない全国から拒否された誤った歴史教科書を杉並区の子どもたちは使わされているのである。全国で使われている「つくる会」歴史教科書(扶桑社版)の約40%は杉並区で使われている。どう考えても異常である。裁判所は山田区長には「つくる会」主導の扶桑社版教科書採択への非常に強い意向があったことをまず、ご理解いただきたい。

尚、期限までに準備できなかった証拠類は、準備でき次第提出する。

以上
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by lumokurago | 2007-02-24 01:41 | 杉並教科書裁判

住民訴訟準備書面(4)期日変更のお願い

訴訟指揮への異議申立(第二回口頭弁論期日変更のお願い)

傍聴人も主権者であること


2月22日、書記官に問い合わせたところ、第二回口頭弁論の時間は15分しかとっておらず、10:45に2件、11:00にも裁判が入っており、口頭で述べる時間はないのでご協力をお願いしたいとのことであった。

国民には裁判を受ける権利が憲法で保障されており、主権者は国民である。原告のみならず傍聴者も主権者である。実質的な口頭弁論のない裁判では傍聴者はどんな裁判なのか、さっぱりわからない。だから、裁判はむずかしいということになり、しだいに主権が自分にあるということも忘れ、裁判官が権威を持っているのだと思い込み、刷り込まれ、国民は「傍聴させていただくのだから仕方ないのだ」という意識を植え付けられていくのである。主権の喪失である。

私たちはそのような裁判の実態に対して、異議を申し立て、主権者である国民(原告・傍聴人)にとってわかりやすい開かれた裁判を要求する。この裁判は弁護士のいない本人訴訟であるので、傍聴人のみならず素人の原告にとっても、「陳述しますネ」「はい」ということで、膨大な準備書面を口頭で全て述べたことになると、うっかりすると、原告でもどのような進行になっているかわからなくなるおそれもある。素人は裁判について理解するのに時間がかかるのである。裁判官には憲法を遵守する義務があるのだから、素人である一般国民の裁判理解能力こそを基準に訴訟指揮をすることを求める。

裁判官にも生の声を聞いていただきたいこと

また、裁判官にとっても、単に書面を読むだけなのと、時間を費やして実際に原告らから法廷で主張を聞くのとでは雲泥の差がある。私たちは生身の人間である。人間として相対して、目を見ながら、生の声による主張を聞いてほしいと切望するものである。昨年12月教育基本法が改悪され、次の参議院議員選挙では首相が「改憲」を争点にすると公言するなど、戦争体験とそれへの反省を忘れ去り、日本が再び戦争のできる国になろうとしている今、国家の教育に関わる「つくる会」教科書を扱ったこの裁判の影響力ははかりしれない。子どもたちの命がかかっていると言っても過言ではないのである。だから、裁判官には書面を介してではなく、ぜひ私たちの生の声を聞いていただきたい。

特に第二回口頭弁論では原告らの主張の内容が非常に多く、5項目に渡り、準備書面は6通以上を準備しているところである。しかもその内容は教科書採択という専門分野であり、その上採択規則の恣意的「改正」、公文書変造、官製談合などの経緯も複雑で、一般の傍聴者には理解のむずかしいものである。

そこで第二回口頭弁論には最低1時間の時間を取ることを求める。指定された期日にはそれは到底かなわないため、口頭弁論期日の変更を求めるものである。

結語

1.傍聴人も主権者であるので、わかりやすい裁判を行うため、また、裁判官にも生の声で主張を聞いていただきたいため、最低1時間の口頭弁論の時間を求める。

2.そのために口頭弁論期日の変更を求める。

以上

安倍裁判に忙殺されており、その後は住民訴訟の中身の準備書面作りに夢中になっていたため、一番大切な「口頭弁論主義の徹底」についての裁判所への要求が遅くなってしまいました。

今日、書記官に電話して時間を取ってほしいと言ったところ、次の裁判も詰まっているので、時間は取れない、ご協力をお願いしたいと言われ、この準備書面を提出しました。
 
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by lumokurago | 2007-02-22 14:21 | 杉並教科書裁判

住民訴訟準備書面

杉並区の「つくる会」教科書採択に関する住民訴訟の準備書面の締め切りが2月末です。
「山田区長の採択への意向(談合への誘導)」「書き換え問題」の目鼻がつき、今は「採択規則・要綱の恣意的変遷」に取り掛かっています。
あと「採択規則違反」も書かなければなりません。
とても大変です。

Tさんが「過剰警備」と「無駄に2回開いた教育委員会」を書いてくれています。
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by lumokurago | 2007-02-21 21:39 | 杉並教科書裁判

杉並住民訴訟第1回口頭弁論記事(JANJAN)

杉並住民訴訟(「つくる会教科書」採択に関わるもの)第一回口頭弁論(2006.12.20)の報告がJANJANに掲載されました。口頭弁論は安倍裁判に引き続き2回目となり、安倍裁判よりも裁判らしくなりました。おもしろいですのでぜひご覧下さい。

官製談合の視点から訴える~杉並区教科書採択取り消し裁判

扶桑社版教科書採択における手続きの違法性を問う裁判

 2006年12月20日、杉並区扶桑社版教科書採択に関する違法な公金支出の無効を求める裁判の第1回口頭弁論が、東京地裁606法廷で開かれました。この裁判に先立って、杉並区住民は同じく教科書問題で安倍晋三氏を提訴していますが、今回の裁判は被告を杉並区長とし、採択において使われた公金の違法支出で訴えています。問題の教科書は2005年8月に採択、2006年度から杉並区の中学生に配布されすでに使われているもの。裁判は、教科書のイデオロギーを問うものではなく、採択手続きにおいて違法性がなかったかどうかを問うものでした。筆者は、杉並区住民として大きな関心をもって傍聴しましたが、裁判は、手続きの違法性に気づかせるばかりでなく、裁判所というものが決して私たち庶民と遠いものではなく、市民意見を汲み上げる身近な場所であること、市民が主権者としてふるまうことの重要性に気づかせるものでした。

主権者は誰かを思い出させてくれる自己紹介からの開廷

 裁判は11:30開廷、原告代表5名、被告代理弁護人3名、裁判長を含めた裁判官3名、書記官1名によって、約40分間行われました。裁判は最初から興味深い成り行きでした。裁判長が開廷を告げるか告げ終わらないうちに、原告代表が挙手しながら「すみません、始める前にお願いしたいことが…」と言い始め、「今日は、裁判の第一回ということでお互い初めて顔を合わせました。これも何かの縁ですし、長いおつきあいをするのですから自己紹介をお願いしたいと思います。私から自己紹介します。私は原告の○○です」と発言。続いてほかの原告が次々に名乗り、原告側が裁判官らに自己紹介をお願いしました。

 「名前は入口の札にかかっている通りですが…」と言う裁判長に、原告代表が「お名前とお顔が一致しないので、お名前だけで結構ですから」と再度頼むと、裁判長は、あまりこういうことはしませんがと断りながらも「私は大門です」と名乗り、両側の裁判官及び書記官も名乗りました(吉田さん・小島さん・田野さん)。裁判長は続けて「せっかくですから、被告側もどうぞ」と促すと、被告側の弁護人も名乗りました。

 原告代表は謝意を述べた後、「私たちは同じ対等な人間として裁判を行ってほしいので、裁判長と呼ばずに“さん”付けで呼ばせて頂きます」と述べました。裁判長は慣例ではないとしながらも、不快を示すことはなく要望を受け入れ、同時に「限られた時間なので必要なことのみでご理解いただきたい」との念押しがありました。

原告は何を求めているのか

 次に、原告によって請求の趣旨と原因が読み上げられました。これも従来ならば、書面通りかどうかを確認するだけで終わるところを、原告は要点を述べさせてほしいと要望、「時間がないので省略を」と言う裁判長との短いやりとりを経て原告が述べました。おかげで、傍聴する私たちにも何が問題になっているのかがよく理解できました。

 原告の請求趣旨は、杉並区長は教科書採択において違法に支出した公金約180万円を区に返還せよというもので、その理由として、すでに違法な公金支出として訴えた杉並区監査委員会の回答への不服、採択における手続きと規則の恣意的濫用、教科書調査報告書の書き換えによる公文書偽造の疑い、2回開催された教育委員会の恣意的延期、教育委員会開催時の過剰警備などによる違法性を挙げました。さらに「教科書採択は国と一体となった入札行為である」とし、これらの規則濫用や公文書偽造等の違法行為は特定の教科書を選ぶよう誘導する「官製談合であった」と主張しました。

口頭弁論主義による分かりやすい裁判

 次に原告は、裁判の録音と口頭弁論主義の徹底を求め、ここでも裁判長との興味深い問答がありました。まず、当裁判が録音や速記による記録がされていないことが確認され、書記官が必要と判断した点しか記録が残されないことに対する原告の懸念が示されましたが、「録音の規定はない」として退けられました。

 また口頭弁論主義についてですが、口頭弁論主義とは、文字通り口で述べることを基本とする裁判の原則で、日本の訴訟制度は、口頭弁論主義を採用しています。しかし、実際は裁判の効率化のため書面主義に頼るところが多く、ほとんどの裁判では「書面通りですか」「はい」での進行が現実となっており、第三者に裁判を分かりにくいものにさせている原因の一つと言われています。

 原告は口頭弁論主義を求めることで分かりやすい開かれた裁判を要望したということで、これに対し、裁判長は、裁判所では毎日多くの裁判が開かれていること、その一つ一つが大事な事件であること、限られた時間で審理を行うためには書面による意見交換が不可欠であることなどをあげ、「ご理解いただきたい」と述べ、「裁判所は本来こうしたことを説明する必要はないのですが、原告は弁護士を立てない本人訴訟であるため、できるだけ説明しています」とも付け加えました。原告側は裁判の迅速な進行に異議はないとしながらも、裁判の一つ一つが大事であるのなら、なおさら大事なところは口頭で弁論していきたいと述べ、食い下がりを見せました。

扶桑社版教科書と教育委員について、原告・意見陳述

 この後、裁判長により、被告側が答弁書を陳述するかどうか、原告側に証拠説明の書類提出を求めるなど、いくつかの確認が行われ、最後に原告2名による意見陳述が行われました。

 最初の原告代表は、この訴訟を起こす動機となった教科書について言及、全国での採択率0.39%、即ち583の採択地域の中で2ヶ所(杉並区と栃木県大田原市)しか採択されなかった扶桑社版歴史教科書の特殊性を指摘、その特殊な教科書をあえて採択できた杉並区の採択への疑問を示しました。

 原告はその教科書がどのようなものであるかを知らなければ採択の問題も見えてこないとし、扶桑社版教科書を手に内容の紹介をしました。扶桑社版教科書は神話の記述が多く、『歴史の名場面・日本海海戦』など戦争を美化した読み物が多いこと、同教科書の副教材である同社ドリルでは「天皇の直系は誰であるか」の問いに「天照大神」と回答させたり、アジア太平洋戦争については「インドネシアでは日本軍をどのような軍ととらえたか」の問いに「解放軍」と回答させるなど、恣意的に歴史を子供に解釈させていると指摘、「このような答えを書かせられる子供たちは、日本が東アジアで2,000万人以上の人々を殺戮した事実を知ることはないでしょう」との懸念を示しました。

 続いて同原告は、この教科書を選んだ教育委員のプロフィールを紹介しました。杉並区教育委員は5名、そのうち1名が「日本は他国に危害を加えたことはない」と発言したこと、別の1名は「原爆の記述が薄くなっているが、皆すでに知っていることだ」と発言したこと、教育長は元区長室長であり、歴史審議が紛糾した時に「率直に言ってどうでもいい。私の中で消化できない」と発言したことなどを紹介し、これらの教育委員を選んだ、被告である区長については次回の公判で明らかにするとしました。

原告、杉並区の教科書採択は官製談合との見解を示す

 2人目の原告は、杉並区の教科書採択は官製談合であるとの見解を述べました。「この提訴の本質と背景にあるものは、杉並区長並びに教育委員会を始めとする行政のモラル低下である」とし、「民間企業各社がCSR(企業の社会的責任)やコンプライアンス(法令遵守)を経営課題として取り組んでいる現在にあって、地方自治体のモラルを失った実態に目を向けてほしい」と要望、杉並区の採択は、扶桑社という一企業を選ぶための教科書採択の形を取った「官製談合」であると主張しました。

 同原告は、杉並区の教科書採択は、「検定、教科書、教育委員会という制度の特殊性によってカモフラージュされた談合」であり、自然に選ばれていれば起こりえない不合理があり、談合だったからこそ「住民監査請求の監査結果も本質を避けた回答になっている」と述べました。さらに官製談合防止法の入札における官の関与行為を禁じる法律にふれ、「建設工事受注や物品購入で許されないことが、なぜ教科書購入に許されるのか」と問いかけました。また「パソコン購入などで5社から1社を選ぶ場合、一番評価の低い製品が選ばれるということはあり得ない。にも関わらず扶桑社の教科書ではあり得るのはなぜか。なぜなら官製談合という恣意的な力が働いたからである」と述べました。

地方自治体のモラルを司法の場で問う

 同原告は「官製談合はあるかもしれないではなく、チェック機能のない所では必ず発生しうることが常識になりつつある」とし、「司法の場は、この地方自治行政のモラルの無さを認識したうえで本件の本質に踏み込まれるよう」訴え、この提訴は「司法の権威にかかわる審理である」ことを強調しました。

 これら2名の原告による意見陳述は裁判長により「要点をまとめ、それぞれ5分程度で」と要望されていましたが、原告は結局ほとんど全文を読み上げたため、1名あたり8分程度を要しました。陳述が終わると裁判長より「やむを得ないということにしますが、ルール違反を問題にしているということですし、ルールを守っていただきたい」との注意がありました。また裁判長は「背景事情や原告の思いはよく分かりましたので、訴状にある違法性5項目について証拠をあげるなど充分に意識して準備してください」と申し渡し、次回の公判日程(2007年3月9日)を決めた後、閉廷しました。この日、被告側弁護人の方は、名乗った時と裁判長から確認を求められた時に「はい」と答えたほかは、発言や陳述は何もありませんでした。

【筆者の感想】

 第一の感想は、裁判とはこんなにも面白いものだったのかというものです。この裁判は、原告側が弁護士を立てない本人訴訟ですが、素人集団と裁判所とのやり取り(時に押し問答?)が実に人間的で興味深く、また公金違法支出などと難しそうな裁判を理解しやすいものにしています。

 原告らが裁判官らを「○○さん」と呼ぶのは、裁判官におもねることなく対等な人間であろうとしている姿勢を示すためと思われ、裁判所というと権威の高いものに思いがちな私たちに、今さらながら主権は誰にあるのか、司法は誰のものか、という原点を思い出させてくれるものでした。また、教科書問題というテーマを、手続きにおける違法性という切り口で訴え、官製談合ではないかとの視点を持ち込んでいることも興味深い点です。

 オール与党の議会政治において否決される案件が非常に少なくなったという記事を朝日新聞で読みましたが、地方自治体の議会で憲法や規則による歯止めがほとんどかからなくなっているいま、市民がこうした裁判を起こすことが、司法の力を取り戻す原動力になるのではないかと思いました。被告側答弁など今後の展開が楽しみでもあり、市民裁判の意義を考えさせる裁判でした。

【次回期日】
2007年3月9日(金)10:30~
東京地裁(霞ヶ関A1出口すぐ)6階 606法廷
裁判名:杉並区扶桑社版教科書採択に関する違法な公金支出の無効確認等請求事件
(しみずえいこ)
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by lumokurago | 2007-01-07 21:08 | 杉並教科書裁判