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カテゴリ:安倍裁判( 40 )


安倍裁判意見陳述書

 訴状が長くなりましたので、あとは省略し、意見陳述書をご紹介します。この後、2006年12月15日、教育基本法改悪案は強行採決されてしまいました。

平成18年(ワ)第20396号 安倍晋三等に対する損害賠償請求事件

意 見 陳 述 書

2006年12月12日

原 告   渡 辺 容 子     

 東京都杉並区(山田宏区長)は、昨年8月、安倍晋三、自民党が教育基本法第10条等に違反して政治的に介入し、採択を推進した「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版歴史教科書を採択しました。私はその杉並区在住の原告です。

 現在、教育基本法「改正」案が参議院で審議されています。これは「つくる会」教科書と切り離せない関係にあります。

 もとより教育基本法は戦前の国家主義的教育の反省の上に立ち、日本国憲法に基づき、その精神を教育に実現すべく制定されたものです。安倍晋三首相他国会議員には憲法遵守の義務が定められており、日本国憲法が生きている現在、その精神に基づく教育基本法を変えることは憲法違反です。

 2005年9月11日の総選挙では「郵政民営化」のみが争点とされ、教育基本法については争点とされませんでした。つまり、教育基本法「改正」について、国民はまだ意見を聞かれていないということです。総選挙の結果、多数与党が成立しましたが、それは教育基本法「改正」案を成立させてもいいという国民の意思ではないのです。世論調査で自民党支持者の過半数が「慎重審議」を求めている(日本経済新聞による)ことでもそれは明らかです。

 それにも関わらず安倍首相を初めとする政府与党は開き直り、公聴会には謝礼まで払って「やらせ」の発言をさせ、意見を言おうと挙手する参加者には意見も言わせず、国民の真意を問うこともせず、衆議院では野党の欠席の中、数の力にまかせて強行採決しました。これほど国民を愚弄したやり方があるでしょうか。これこそがまさに教育基本法第10条違反であり、国民主権をうたう憲法違反であります。

 教育基本法「改正」案は、教育への国家の介入を禁じた10条を廃止し、戦前と同じ国家主義教育を復活させることを目的としています。アジア諸国の2000万にのぼる人々を殺戮し、自国にも多大な犠牲をもたらした悲惨な戦争の教訓から、これを二度と繰り返すまいと教育基本法を制定したのに、その教訓を忘れ、今、日本はまた同じ道を歩もうとしています。

 私たちがこの裁判で提起した「つくる会」教科書は教育基本法改悪を前倒しして、戦前と同じ国家主義的教育を推進する具体的な道具です。訴状に書いたように、教育基本法「改正」と同じく、安倍晋三、自民党の政治的な介入によって推進されてきました。

 「つくる会」教科書を使っている杉並区では、教育基本法がすでに改悪されたかのような、子どもたちや教員の自由を奪い、すべてを区や教育委員会が押し付ける統制教育が行われています。そして「つくる会」教科書は「国のため」に喜んで命を捨てる子どもを作り出そうとしています。

 戦争というのは、アメリカを見ればすぐにわかるように、世界で最も強い国が他国を経済的に支配する手段であり、他国民はむろんのこと自国民の命をも虫けら以下にしか思っていない権力者が、それを商売に利用する財界人とつるみ、まさに「金もうけ」のためにやるものです。戦争のできる国になるということは、闇の中にいる人間の形をした悪魔の、そんな忌まわしい欲望のために、私たちの子どもたちが人を殺し、殺されるようになるという意味に他なりません。

 私たちは弁護士もなしに、本人訴訟で、国家権力の中枢である安倍と自民党を訴えました。もはや日本は戦争のできる国になる、そのぎりぎりの崖っぷちにいる、いいえ、もう半分落ちかかっているからです。一人の大人として何もせずにはいられないのです。私たちの子どもたち、そして将来彼らに殺される外国の子どもたちの命を守りたい一心です。そしてこの気持は私たち原告のみならず、庶民なら誰でもが持っている当たり前の感覚なのです。裁判官のみなさまには、この庶民の必死の思いを汲み取っていただきたいと思います。

 人間には「人間の尊厳と誇り」というものがあるはずです。戦前、国家権力に統制され、「戦争反対」とも言えずに「国のため」に死ねと教えられた私たちの両親、祖父母たちは、戦争が終って心の底から喜び、犠牲者の死を悼み、平和が続くことを願ってきました。自民党の大物政治家であっても、故後藤田正晴氏や故箕輪登氏、野中広務氏のように戦争体験のある方々は、戦争に対して非常に敏感かつ慎重であり、改憲などとんでもないと言っています。財界人にも一兵卒として戦争に参加し、戦争の残酷さを二度と繰り返してはいけないと説く品川正治さんのような方もいらっしゃいます。そこにどんなに巨額の利益があろうと戦争だけは絶対にやってはいけない、これが「人間の尊厳と誇り」というものです。戦争体験者である彼らの気持を受けつぎ、平和をこそ守っていかなければならないのです。

 今なら、まだ止めることができます。その力が裁判官、あなたにはあります。そして、私たち大人一人ひとりにあります。

 裁判官のみなさまは絶大な権限を持っておられます。「人間の尊厳と誇り」に基づき、あなたの良心と良識を生かした判決を出せば、その影響力は計り知れません。あなたが日本を戦争のできる国にすることを止めることができるでしょう。何千、何万という若者の命を犠牲にしないですみます。日本国憲法の成立過程を考え、憲法を遵守し、教育基本法の理念を実現する方向でこの裁判に関わってくださるよう、心からお願いいたします。 

以上
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by lumokurago | 2009-08-09 20:29 | 安倍裁判

安倍裁判訴状(5)

3.被告らの違法行為

 以上のような被告らの行為は、以下のような違憲・違法行為に該当する。

(1)政党らによる違法な政治介入

 事実経過(2)の(ア)(イ)(ウ)及び事実経過(3)の(ア)(イ)の各行為は、教育基本法10条が禁止している政党である被告自民党による不当な介入であり、事実経過(2)の(ア)(イ)(ウ)の行為は、自民党選出の衆議院議員であり、自民党幹事長(当時)であるというその地位を利用した被告安倍による不当な政治介入である。

(2)「公正取引委員会告示第15号4」違反等

 教科書採択は、公共入札における落札行為に該当する。よって、事実経過(2)の(ウ)の行為は、「つくる会」は「つくる会」教科書の共同事業者であるから特定の商品(教科書)、特定の入札業者を優遇することになり、独占禁止法(公正取引委委員会告示第15号4)等違反である。

 また、同時にこれらのことは、「入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律」2条5号・二「契約の相手方となるべき者をあらかじめ指名すること、その他特定の者を契約の相手方となるべき者として希望する旨の意向をあらかじめ教示し、又示唆すること」等に当てはまる官製談合の違法行為である。これは1社の教科書会社を被告らが明確に営業支援したことになり、他の製品の官調達、工事発注では考えられない露骨な行為である。

 さらに、議員という地位を利用した介入は、特定の物品を不正に入札させるための談合罪・幇助罪に該当することは言うまでもない。

(3)「つくる会」教科書を子どもたちに使用させることの違法性

 事実経過において被告らが「つくる会」教科書を杉並区において、全国各地において採択され易い環境を整備したこと、また、採択に違法に介入してきたことを縷縷述べた。それらの強い影響を受けた結果、区教委は、先に述べたように「つくる会」教科書を採択し、同教科書の使用を子どもたちに押し付けた。そのことは、区教委が、以下のようなことを直接的に教員及び子どもたちに強いることになり違法であるが、被告らもそのことにおいて同罪である。

(ア)「つくる会」教科書の記述内容の実態的違憲・違法性

「つくる会」教科書(歴史)は、以下のような特色を有している。

① 日本国憲法の諸理念を否定する思想、立場に基づいて、歴史が記述されている。(=記述された内容が、憲法の諸理念を否定する内容となっている。)

② 日本国憲法に対し、上記のような否定的立場をとる一方で、大日本帝国憲法や教育勅語を賛美している。

③ ひとりひとりの人権や民主主義よりも、国権や国家を重んじる国家主義思想が歴史叙述の大前提として横たわっている。

④ 民主主義の確立や人権の獲得に向けた人々の努力とその歴史を正確に伝えず、また、その意義を無視している。

⑤ 天皇及び皇室を過剰に美化している。

⑥ 戦争を賛美し、戦意高揚をはかる記述が目立つ。

⑦ 自国の歴史を過度に美化する一方で、他国、他民族の立場を省みない、自国中心的姿勢で書かれている。

⑧ 日本が行ったアジア・太平洋地域への侵略、加害の事実を隠蔽し、かつ、正当化している。

⑨ 国家及び支配者中心の歴史記述で貫かれ、民衆、女性、社会的弱者の立場や営みについては、ほとんど書かれていない。

⑩ 歴史事実の歪曲や、意図的な削除、あるいは初歩的な誤りが、非常に多くある。

 以上のような内容の教科書を「つくる会」が作成した目的は、日本の社会を人権よりも国権を重んじる社会に、日本の国家を「戦争をしない、できない国」から「戦争をする、できる国」に変えることにあり、同教科書を公教育の場に持ち込み子どもたちに使わせることを突破口として、前記の目的を達成しようとしたものである。

 このように、「つくる会」の目的は日本国憲法の理念に反し、同教科書の記述も日本国憲法を否定する内容となっていて、実態的違憲・違法性がある。

(イ)子どもに特定の価値・目的達成の道具としての教育の押し付けの違法性

 しかも、そのような特定のイデオロギーを公教育の場に持ち込むことにおいても実態的違憲・違法性がある。公教育は、当然ながら、憲法及び教育基本法の理念に則って行われなければならない。ところが、上記した「つくる会」教科書(歴史)のような特色は、さらに下記の具体的記述内容は、憲法・教育基本法に違反するものである。

 従って、この教科書を公教育において使用させることは、教科書としての適切・不適切の判断を超えて、憲法・教育基本法そのものに違反することは明らかである。

① 憲法前文及び第9条違反、教育基本法前文及び同1条違反

 「つくる会」教科書(歴史)は、太平洋戦争を「自存自衛」のための戦争とし、「東南アジアやインドの人々に独立への夢と勇気を育んだ」と美化している。「日本の将兵は、敢闘精神を発揮してよく闘った」「困難の中、多くの国民はよく働き、よく闘った。それは戦争の勝利を願っての行動であった」と、戦争を肯定している。

 このように、戦争を肯定する内容の教育を施すことは、戦争放棄を宣言した憲法前文及び同9条、「平和と真理を希求する人間の育成」「平和的な国家及び社会の形成者」の育成を教育の目標とする教育基本法前文及び同1条に違反することは明らかである。

② 憲法13条、26条、教基法前文 及び同1条、子ども権利条約29条違反

 「つくる会」教科書(歴史)におけるコラム「武士道と忠義の観念」や「教育勅語」の現代訳に端的に示されるように、同教科書は、「国家のために個人があり、国民は国家のために生命を投げ出して戦うべき」とする価値観を子どもに植えつけようとしている。

 こうした価値観を公教育を通じて子どもたちに植え付けようとすることは、個人の尊重を定めた憲法13条、「個人の尊厳」「人格の完成」を教育の目標とする教育基本法前文及び同1条に違反する。また、憲法26条に違反することは、以下の旭川学力テスト最高裁大法廷判決から明らかである。

 「本来人間の内面的価値に関する文化的な営みとして、党派的な政治的観念や利害によって支配されるべきでない教育にそのような政治的影響が深く入り込む危険があることを考えるときは、教育内容に対する右のごとき国家的介入についてはできるだけ抑制的であることが要請されるし、殊に個人の基本的自由を認め、その人格の独立を国政上尊重すべきものとしている憲法の下においては、子どもが自由かつ独立の人格として成長することを妨げるような国家的介入、例えば、誤った知識や一方的な観念を子どもに植えつけるような内容の教育を施すことを強制するようなことは、憲法26条、13条の規定上からも許されないと解することができる。」

 教育を一人ひとりの人間の自己形成を支え育むものであるとして捉えてゆこうとする立場は、子ども権利に関する条約29条もまた同じである。同29条は、教育の目的として、子どもが自己の「能力をその可能性な最大限度まで発達させる」ことや、「自由な社会における責任ある生活のために・・・・準備する」ことを権利として保障しているのであるから、このような子どもの教育の目的を定めた子ども権利条約29条にも反する。

③ 「つくる会」教科書の記述内容に間違いがある欠陥教科書

 「つくる会」教科書(歴史)は、記述に多くの間違いがある欠陥教科書である。記述の間違に関しては、準備書面で述べるが、このような間違ったものを生徒に教えることは、以下の旭川学力テスト最高裁大法廷判決(昭和43(あ)1614)にあるように憲法26条、13条に反する。

 「誤った知識や一方的な観念を子どもに植えつけるような内容の教育を施すことを強制するようなことは、憲法26条、13条の規定上からも許されないと解することができる。」

 長くてすみません。まだつづきます。
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by lumokurago | 2009-08-08 20:46 | 安倍裁判

安倍裁判訴状(4)

(2)被告安倍晋三の「つくる会」教科書採択への違法な政治介入

(ア)「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」事務局長として

 故橋本龍太郎元首相・森喜朗元首相ら自民党幹部が多数参加し「歴史・検討委員会」が1993年に結成された。そして、1995年に同委員会が行った「大東亜戦争の総括」は、次の4点であった。

① 大東亜戦争(アジア太平洋戦争)は侵略戦争ではなく、自存・自衛の戦争であり、アジア解放の戦争であった。
② 南京大虐殺、「慰安婦」などの加害はデッチあげであり、日本は戦争犯罪を犯していない。
③ 最近の教科書は、ありもしない侵略や加害を書いているので、新たな「教科書のたたかい」が必要である。
④ ①、②このような歴史認識を国民の共通認識、常識にするために、学者を使って国民運動を展開する必要がある。

 この「歴史・検討委員会」のもう一つの役割は、奥野誠亮氏ら戦前・戦中世代の自民党の歴史改ざん主義及び、歪んだ歴史認識を次世代の若手議員たちに継承することであった。そこで結成(1997年2月)されたのが、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(後に「若手」を名称から削除する。以下、「議員の会」という。)である。

 先の「歴史・検討委員会」のこの「総括」を受ける形で1996年から、教科書の「従軍慰安婦」や南京大虐殺をはじめとした加害の記述を「反日的・自虐的・暗黒的」と誹謗し、「教科書から削除せよ」という「自由主義史観」研究会やその他の右派等による攻撃が行われた。その中心人物が、西尾幹二氏、藤岡信勝氏、高橋史朗氏、小林よしのり氏らであり、現行教科書を「自虐史観」と攻撃するだけでなく、自分たちで教科書を発行するとして、「つくる会」を結成(1997年1月)した。

 このように「議員の会」と「つくる会」は双子の兄弟(姉妹)として共通の目的のために結成され、共に行動してきた。結成当時被告安倍は、「議員の会」の事務局長であった。同会は、教科書検定において、「つくる会」教科書を検定に合格されるために他の自民党右派国会議員らと「つくる会」や日本会議ら右翼勢力とともに文部科学省に圧力を加え、従来ならば到底合格しなかったであろう「つくる会」教科書を検定に合格させた。さらには、同教科書の採択に有利になる採択環境を整えるために政治介入を行なった。被告安倍は、同会の事務局長として、それらの行為に深く関与してきた。

 この間に日本社会の右傾化は急速に進み、被告安倍を筆頭とする自民党の右翼思想に染まった若手議員らを国政政治の中央表舞台に登場させ、そのことによって国政政治の場は、さらに右傾化を強めた。

(イ)「議員の会」シンポに対する被告安倍幹事長「通達」

 こうして、水を得た被告安倍は自民党の幹事長となり、「議員の会」による2004年6月14日の「国会議員・地方議員合同シンポジウム—正しい歴史教育を子供たちに!」に向け「幹事長通達」を出し、「歴史教育は憲法改正、教育基本法改正と表裏一体」「参院選の争点ともなりうる」と強調、各県連に対し、「歴史教育問題の活動にふさわしい議員3人の教科書シンポジウムへの参加」を要請した。同シンポジウムの目的は、地方議会議員に「つくる会」教科書の採択を実現させる様々なノウハウを伝授し、同教科書の採択を求めるためのものである(証拠 甲1号証 国会議員・地方議員合同シンポジウム配布資料 「教科書改善運動スケジュール等」)。同シンポジウムにおいて被告安倍幹事長は、来賓として、「地方議会が地域の教育委員会をしっかりと見ていただきたい。我々はそうした環境をつくっていく大きな責任がある」と、出席している地方議員に檄を飛ばした(証拠 甲2号証「つくる会」機関誌『史』通巻45号21P)。

(ウ)被告安倍幹事長の「つくる会」第七回定期総会への祝電メッセージ

 さらに被告安倍幹事長は、「つくる会」の第七回定期総会後の「『つくる会』前進のつどい」(2004年9月11日)に次のような祝電メッセージを送っていることが「つくる会」の機関誌である『史』(証拠 甲3号証 『史』通巻46号18P)に紹介してある。

 「『つくる会』前進のつどいのご盛会をお慶びし、ひごろより歴史教科書の改善のためにご尽力いただいている皆様に対しまして深甚なる敬意を表します。

 歴史教育は国家の将来の根幹にかかわる重要な課題です。その歴史教育に使用する教科書については、毅然たる検定作業と公正な採択がなされることが重要です。また、歴史教育の問題は憲法改正、教育基本法改正の問題と表裏一体の重要課題です。このような重大な国家的課題については、国、地方が一体的に取り組むことが必要でありますから、自由民主党として、青年局、女性局を中心に全国的な取り組みを強化していく所存です。ご参加の皆様におかれましては、ますますご健勝にてご活躍くださいますよう、心より祈念いたします。」

(3)被告自民党の違法な政治介入等

(ア)被告自民党の違法な政治介入

 自民党は、2005年1月18日に開催した党大会において、この「つくる会」の主張と同じく「偏向教科書の是正」を重点課題に決め、全面的に「つくる会」に同調し、「つくる会」教科書の採択を全面的にバックアップする姿勢を鮮明にした(「つくる会FAX通信」第133号 2P)。

(イ)「つくる会」とともに行動する「議員の会」総会に文科省官僚が参加

 2005年度の教科書採択の手続きが各地の教育委員会ではじまるその時期に、「つくる会」とともに行動してきた「議員の会」は総会(2005年3月2日)を開き、文科省に対して「つくる会」教科書の採択に有利になる「教科書採択手続きの改善に関する提案」を提出。同総会には、何と文科省の教科書担当の官僚のトップである山中伸一審議官と片山純一教科書課長が参加し、同省の見解を明らかにする等(『産経新聞』2005年3月3日)政治家・官僚・「つくる会」の異常な癒着関係を露呈している。

(4)「つくる会」教科書問題は、教育基本法「改正」・憲法「改正」と連動
 
 憲法「改正」、教育基本法「改正」を掲げ右翼団体の中心的組織である日本会議は、2004年2月から5月に緊急の全国キャラバンを行い、各都道府県への「教育基本法『改正』推進決議」の働きかけを強めた。被告自民党及び被告安倍幹事長(当時)は、こうした日本会議の要請に応え、2004年5月18日付で安倍晋三幹事長名による通達を出し、地方議会決議運動へのバックアップを表明、日本会議はこの通達を手形として自民党地方議員への働きかけを強めた。

 このように、被告自民党及び被告安倍幹事長並びに被告安倍は、憲法「改正」、教育基本法「改正」等を掲げる「つくる会」や日本会議等右翼勢力と連携してその目的を達成しようとしている。その被告らの目的は、「戦争ができる国家」の実現であり、そのためには「戦争」を是とする「国民」を生み出す「教育」を必要としているのである。そのためには、教育基本法を「改正」する必要があり、憲法を「改正」する必要がある。またそのことを子どもたちに刷り込む、教え込むための教科書としての「つくる会」教科書を子どもたちに使用させる、学校現場に持ち込む必要があったのである。

 以上の経過及び背景があり、そのお膳立ての下において、杉並区教委は、「つくる会」教科書(歴史)を違法に採択し、同教科書を子どもたちに押し付けたのである。
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by lumokurago | 2009-08-07 20:56 | 安倍裁判

安倍裁判訴状(3)

(イ)杉並区教育委員会の違法な採択

  2000年11月、山田宏杉並区長(以下山田区長という)は突然、任期満了の二人の教育委員と教育委員長を更迭した。任期満了の委員は、再任されるのが慣例であり、当然そうなるであろうと思われていた。にもかかわらず更迭したのは、彼らが山田区長の不当な教育への介入に物申していたことと、特に教科書採択に関しては「日常子どもたちと共に過ごしている、現場の教員の意見が尊重されるべきだ」と委員会で述べていたことが大きな原因であったと考えられる。

 教育委員の選任に当たっては、議会の各会派に意向を打診するのが慣例だったが、山田区長は、独断的、恣意的に候補者を決めた。一人目の候補者は佐藤欣子氏(弁護士)である。佐藤氏は松下政経塾で講師を務めたこともあり(区長証言)、産経新聞にも時々私見を書いていた「つくる会」の有力な賛同者の一人である。区民による猛烈な反対運動が展開され、区長は佐藤欣子氏を候補者として議会に提出できなかった。しかし次に区長は「つくる会」の支持者である大蔵雄之助氏と宮坂公夫氏を候補者として議会に提出し、区民の多くの反対を押し切って、また、区議会与党である公明党が採決の際退席する中、議会の同意を取り付け、両氏を教育委員とした。

 2001年の採択のための教育委員会では3対2でかろうじて「つくる会」教科書は採択されなかったが、その後、2003年6月に山田区長は教育長を、元区長室長であり懐刀である納冨善朗氏に入れ替え、区教委は2005年8月に「つくる会」教科書(歴史)を違法に採択した。そして杉並は全国583の採択地区の中で栃木県大田原市と共にたった2ヶ所、「つくる会」教科書を採択した不名誉な場所となった。

  (ウ)山田区長と「つくる会」の関係

 2005年2月21日杉並区セシオンホールで行われたCS放送「日本文化チャンネル桜」(以下「チャンネル桜」という)杉並支部発足記念講演会を、杉並区・杉並区教育委員会が後援し、山田区長自らもパネリストとして参加した。他のパネリストには、「つくる会」の有力なメンバーである渡部昇一氏(上智大学名誉教授)、クライン孝子氏(ノンフィクション作家)などが参加しており、「つくる会」が主張している歴史観を述べ、教科書採択にも言及していた。

 「杉並区(教育委員会)後援等名義使用承認事務取扱要綱」には「事業活動が営利でないこと」となっており、株式会社である「チャンネル桜」の後援を行うことは、上記の要綱に違反している。それにもかかわらず「杉並区・杉並区教育委員会」の後援を強行したことからも、山田区長と「つくる会」が深い関係であることは明らかである。

 ホームページで靖国神社参拝などを呼びかけている「チャンネル桜」の創設提案賛同者は、「つくる会」の代表執筆者である藤岡信勝氏や「つくる会」の賛同者で構成されている。設立発起人には、「つくる会」元副会長であり、扶桑社版教科書(「つくる会」著)の元監修者であった高橋史朗氏(埼玉県教育委員)や杉並区議会議員の松浦芳子氏が名前を連ねている。

 松浦芳子区議は「日本会議」の東京都本部理事であり、「日本会議」の機関誌である「日本の息吹」の中で「杉並から日本を変える。歴史の教科書を変えたいから議員になった」と答えている。松浦芳子区議が議員に立候補した際、山田区長は推薦人として熱心に応援していた。さらに山田区長は「チャンネル桜」で月一回、番組を担当している。

 松浦芳子区議は著書で高橋史朗氏を尊敬すると書いているが、その高橋史朗氏は「すぎなみしあわせ文庫・ココロマメ」の編纂委員として杉並区に関わっている。

  (エ)山田区長の特殊な思想

 山田区長は2004年、2005年の成人式で、新成人を前にして二人の特攻隊員の手記を読みあげ、「あなたたちと同じ年齢の若者が戦争に尊い命をささげた、今の平和で繁栄した日本の礎となった人たちに感謝するように」と訓示した。若者たちは戦前の皇民化教育によって国のために命をささげたのであり、戦後、日本は皇民化教育を否定し、二度と繰り返してはいけないと反省して教育基本法を制定した。そのことを忘れ、新成人に特攻隊に感謝するようにと訓示するとは、戦後日本の反省をないがしろにした、戦前の皇民化教育への復帰に等しい行為である。

 2005年5月22日、山田区長は「『日本海海戦』上映会」で講演した。「『日本海海戦』上映会」は、松浦芳子区議が代表や役員を務めている「はあもにい教育研究会」「杉並の教育を考える会」の主催である。この上映会の講演で山田区長は、日露戦争はロシアの脅威から日本の独立、朝鮮の独立を守るためのやむにやまれない戦争だったと、朝鮮の植民地化を正当化し、日韓併合は日本の安全と満州の権益を防衛するためだったと語った。これは「つくる会」歴史教科書と全く同じ歴史観である。さらに山田区長はここでもアジア・太平洋戦争を戦前使っていた「大東亜戦争」と言い換え、大東亜戦争も自衛戦争だったとくり返した。

  (オ)山田区長の人脈、石原知事との関係・区教委と都教委の関係

 2003年10月23日、都教委は都立学校に向けていわゆる「10.23通達」を出した。その内容は入学式、卒業式等における日の丸の掲揚、君が代の斉唱、式の会場設営等について細部に渡り規定し、教職員を校長の職務命令によって従わせるというものであった。前年までは式の前に、憲法第19条に規定される「思想及び良心の自由」に基づき「内心の自由」について生徒、保護者に説明を行っていたが、その説明も禁止された。この「通達」は明らかに憲法第19条違反である。

 区教委はこの「10.23通達」を受け、区立学校に向けて区独自に同様の内容の通達を出した。このようなことを行ったのは都内で杉並区ともうひとつの区だけである。このことで、都教委と区教委あるいは石原知事と山田区長のつながりが強いものであることが証明されている。

 また、2005年8月の杉並における「つくる会」教科書(歴史)採択にあたっても、区教委は(ア)で述べた都教委のやり方を踏襲し、採択に至る態勢作りをした。(詳細は準備書面で述べる)。

 2006年4月、山田区長は納冨善朗教育長の辞任に伴い、都教委から指導部長だった井出隆安氏を教育長に選任した。井出氏は都教委において扶桑社版(「つくる会」著)教科書に有利になるように恣意的な「学校用教科調査研究資料」を作成し各教育委員会に提示するなど、「つくる会」教科書採択の中心にいた人物である。なぜこのような人物を杉並区の教育長に選任したのか?杉並区に対する都教委の露骨な介入である。

 2004年1月25日、NPO法人「じゃんけんぽん」(法人日本児童文化教育研究所)の発足記念講演会が、都教委、区教委の後援を得て行われた。内容は高橋史朗氏による「家庭崩壊の処方箋『親学講座』」であり、山田区長も挨拶している。他に土屋たかゆき都議が挨拶している。土屋たかゆき都議は2006年6月、「新しい歴史教科書をつくる会」から八木秀次氏が袂を分って設置した、第二「つくる会」とも言うべき「日本教育再生機構」に発起人として参加している。土屋都議には石原知事が「今、国家と言うものを踏まえて政治、社会の現状を捉える人間が少ない中、土屋さんは国家、東京、民族に対する愛着があるからゆえ、危機感をストレートに出し行動している稀有な政治家であり、私は強い友情を感じ、一緒に仕事をしている」ということばを贈っている(土屋都議のHPより)。

 ところで、被告安倍晋三のブレーン「5人組」には八木秀次氏(高崎経済大学)、中西輝政氏(京都大学)が入っている。八木秀次氏は「つくる会」元会長であるが、「つくる会」と袂を分かつ、「日本教育再生機構」の準備室代表を務めている。同機構準備室は(1)伝統文化の継承と世界への発信(2)心を重視する道徳教育の充実(3)男女の違いを尊重し、家族を再興-など五つを基本方針に掲げている。中西輝政氏も最近まで「つくる会」の理事を務め、「日本再生機構」にも代表発起人として名まえを連ねている。同機構はすでに「安倍政権の教育再生政策に期待し、全面的に協力」する立場を表明している。(2006年9月8日付東京新聞)

 以上のように、山田区長は石原知事(都教委)とつながり、「つくる会」とつながり、「つくる会」は自民党幹事長(当時)である被告安倍晋三にと構造的につながっている。杉並区における「つくる会」教科書(歴史)採択は、このような区長-都知事-自民党幹事長-自民党-「つくる会」-区長という円環あるいは交差する構造的なつながりによる政治の不当な介入によって行われた。 

つづく
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by lumokurago | 2009-08-06 21:34 | 安倍裁判

安倍裁判訴状(2)

2.事実経過
(1)杉並区教育委員会が「つくる会」教科書を違法に採択するに至る背景

  杉並区教育委員会は、2005年度の教科書採択において、「つくる会」教科書(歴史)を採択した。この採択に至る背景は次のとおりである。

  (ア)東京都教育委員会の違法な採択

 石原慎太郎東京都知事(以下石原知事という)は1968年参議院全国区に出馬し、トップ当選を果たして以来、1969年に衆議院議員となり、1976年には福田赳夫内閣で環境庁長官、1987年には竹下登内閣で運輸大臣を務めた。この間に1973年には自民党内で中川一郎氏、渡辺美智雄氏、森善朗氏らタカ派の若手議員31名で「青嵐会」を結成し、石原氏はその幹事長となった。このように自由民主党の有力な国会議員であった。

 石原知事は都知事に就任した1999年に「心の東京革命」を提唱、2000年には「心の東京革命行動プラン」を作成し、「心の東京革命推進協議会(青少年育成協会)」を作った。ここで「戦前の教育への行き過ぎた反発」「社会的責任より個人の権利が優先するという風潮」「個人主義、平等主義のはき違えた認識による弊害」などを問題として挙げ、社会全体が道徳教育やしつけを積極的にやっていくことを呼びかけている。

 2001年には東京都教育委員会(以下都教委という)の「教育目標」の中から、憲法・教育基本法・子どもの権利条約に関する記述を削除、代わりに「我が国の歴史や文化の尊重」を加えた。これらは自由民主党の「教育基本法改正案」と同じ趣旨を持つものである。

 そして石原知事は、都教委の教育委員6名のうち5名の中に丸紅会長の鳥海巌氏、永世棋聖の米長邦雄氏を選任し、都職員から委員になった横山洋吉氏を教育長に抜擢した。米長邦雄氏は2004年10月28日の秋の園遊会で、天皇に「日本中の学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」と話しかけ、天皇は「やはり、強制になるということではないことが望ましい」と述べたという人物であり、都教委の日の丸君が代強制の強力な推進者の一人である。

 2001年4月3日に文部科学省が「つくる会」教科書を検定に合格させると、石原知事は東京都の市区町村の教育委員を集めて、「採択は皆さんの責任で行ってほしい」と発言した。

 石原知事は憲法「改正」、教育基本法「改正」を掲げる右翼団体の中心的組織である「日本会議」の代表委員であり、1997年、「つくる会」の賛同メンバーになっている(1997.1.3付産経新聞)。石原知事は自分の個人的な思想によって、「心の東京革命」を実施し、「教育目標」を改定し、教育委員を選任した。さらにそれまでは現場の教員の意見を取り入れて行っていた教科書採択の場から、教員意見を追放、教育委員の権限で採択を行うよう指示したのである。これらは「つくる会」教科書採択シフトとも言うべきもので、同教科書の採択に有利になるように採択環境を整えたのである。これは明らかに教育への政治の不当な介入を禁じた教育基本法第10条に違反している。

 東京都教育長横山洋吉氏(当時)は、2001年2月8日、「教科書採択事務の改善について(通知)」を各区市町村教育委員会教育長宛に出した。これはその「通知」の中に書かれているように、都道府県教育長協議会における文科省の指導に基づいて出されたものであり、石原都知事の命を受けて行ったものである。そこには次のようなことが書かれている。

 *中学校社会科・歴史分野では「我が国の文化と伝統の特色を広い視野に立って考えさせるとともに、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」など、新学習指導要領に示されている「目標」等を最もよく踏まえている教科書を選定する。

 *採択要綱・要領等の中に、事実上「教職員の投票によって採択教科書が決定される等、採択権者の責任が不明確になる」おそれのある規定は速やかに改定し、「採択手続きの適正化」をはかる。

 *採択すべき教科書の候補を一種、または数種に規定する、いわゆる「絞り込み」の規定があるときは、速やかにその規定を改正し、「採択手続きの適正化」をはかる。  
    
 東京都教育長横山洋吉氏(当時)は、2004年6月14日に行われた「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」主催の「正しい歴史教育を子どもたちに!国会議員・地方議会合同シンポジウム」にパネリストとして参加した。このシンポジウムは地方議会議員に「つくる会」教科書の採択を実現させる様々なノウハウを伝授し、同教科書の採択を求めるためのものであった(証拠甲1号証 「教科書改善運動スケジュール」)。このシンポジウムには被告安倍晋三も来賓として参加した(詳細は後述)。

 都教委は2001年8月7日、病弱養護学校2校と青鳥養護学校梅が丘分室で「つくる会」教科書(歴史・公民)を違法に採択した。
 2004年8月26日、2005年開校の都立中高一貫校1校で「つくる会」教科 書(歴史)を違法に採択した。
 2005年7月28日、都立養護学校と都立中高一貫校4校で「つくる会」教科書(歴史・公民)を違法に採択した。
 2006年7月27日、都立白鴎中学に「つくる会」教科書(公民)を違法に採択した。
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by lumokurago | 2009-08-05 21:07 | 安倍裁判

安倍裁判訴状(1)

 RELAXさんは勉強家のようですね。えらいと思います。安倍晋三元首相を訴えた裁判の訴状を何回かに分けてUPしますので、勉強してくださいますよう。それから、これはRELAXさんだけではなく、このブログを読んで下さっている「つくる会教科書、なんで悪いの?」とか、「裁判では正義が行われる」とか、「国を守るためには軍隊が必要」とか「中国や北朝鮮が攻めてくる」とか思っていらっしゃる方のためでもあります。

請求の原因

第一 本件訴訟提起の目的とその背景

1.国家が教育を支配し、侵略戦争に国民を動員したとの反省から戦後教育ははじまった

 あの忌まわしい侵略戦争の反省から、日本国憲法の前文において「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意」した。

 これを受け、教育基本法の前文において、「日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。」と明記し、現憲法下の重要な基本法としてこの法律を制定した。

 それは、明治以来1945年の敗戦まで、完全に天皇大権が教育を掌握し、国民は、天皇の臣民として、天皇のために命を捧げる教育が、国定教科書を通して子どもたちに注入され、侵略戦争に国民を駆り立てたとの反省からである。

 こうして、教育基本法10条において、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対して直接に責任を負って行われるべきものである」と定め、教育の主権者を「国民」とし、国家(地方公共団体を含む、以下同じ)の不当な介入を排除した。

2.国家・政党・官僚等は、教育に介入してはならない

 教育基本法成立直後に、その立案の任にあたった当事者たちが書き、立法者意思を明かにした解説書(文部省教育法令研究会著『教育基本法の解説』1947年12月発行、以下『教育基本法の解説』という。)は、同10条についての記述の中で、戦前教育の精神及び制度について次のように述べている。

 戦前教育は「教育行政が教育内容の面にまで立ち入った干渉をなすことを可能にし、遂に時代の政治力に屈して、極端な国家主義的又は国家主義的イデオロギーによる教育・思想・学問の統制さえ容易に行なわれるに至らしめた制度であった。」(『教育基本法の解説』126~127頁)

 これが同10条を制定した理由であるが、さらに『教育基本法の解説』は、「教育に侵入してならない現実的な力として、政党のほかに、官僚、組合等の、国民全体でない、一部の勢力が考えられる。」(同上『教育基本法の解説』130~131頁)と、「不当な支配」の主体となりうるもの具体的に指摘している。 

3.国家・政党・官僚による教育への不当な介入の日常化

 ところが、このことが全く省みられず、無視され、国家・政党・官僚等による教育への介入(不当な支配)が行なわれてきた。それが、今日言われている教育の荒廃の主要な要因である。ところが自らのこの行為を棚に上げ、盗人猛々しく教育基本法にその原因を恣意的に押し付け、荒廃した教育を刷新するためには教育基本法を「改正」する必要があると声高に叫んでいる。その中心をなす主張の背景には、あのおぞましいナショナリズムが潜んでいる。それはかつて、アジアで2000万人以上にも及ぶ犠牲者を生み出し、日本国民310万人の犠牲者を出すに至った戦争に「国民」を動員して行ったそれである。

4.被告自民党・被告安倍らのおぞましい目論見

 いまその先頭に立っているのが、被告安倍晋三(現内閣官房長官・元自由民主党幹事長)を筆頭とする自由民主党(以下、自民党という。)国会議員ら及び「つくる会」並びに日本会議ら右翼団体らである。その目的は、明白である。彼らは、一言で言えば、「戦争ができる国家」を目指しているが、それを実現するには、「戦争」を是とする「国民」を生み出す「教育」が必要であるからだ。

 この彼らの青写真の中に、「戦争」を肯定賛美する教科書、人権より国権を重んじる教科書である「新しい歴史教科書をつくる会」(以下、「つくる会」という。)が主導した扶桑社版中学校教科書(以下、「つくる会」教科書という。)を公教育の場に持ち込むこと、そのために同教科書を検定に合格させること、全国各地で同教科書が採択させることであった。そして、教員と子どもたちにそれを押し付けようとした。このことが、被告らと「つくる会」や日本会議等右翼団体が手を結ぶ理由である。

5.本件訴訟の意義

 いま日本は、再び「戦争ができる国」になろうとしている。いや、もうすでに片足を突っ込んでしまっている。本件原告らは、かつて国家が教育を支配し、侵略戦争に国民を駆り立てたその同じ過ちを繰り返させないために、ここに被告らの目論見を明らかにし、違法な政治介入を暴き、教育基本法「改正」、憲法「改正」が必要であると声高に叫ぶ被告らの真の目論見を白日の下に晒し、その企みを押し止めるための一つの行為として提訴することを決意した。このことが、かつての侵略戦争の反省の上に制定された現行憲法及び教育基本法の理想・精神を具現化する一つの行為に繋がり、またアジア地域の人々とつながり、東アジアの真の平和に向かう道の一つになると考えるからである。

つづく
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by lumokurago | 2009-08-04 22:47 | 安倍裁判

安倍裁判不当判決

昨日、安倍裁判の判決が出ました。「不当判決」の最たるものでした。

昨日は怒りまくり、その後無力感が襲って来ましたが、今日はもう「なにもかもどうでもいい」という気持ちが湧いてきました。でも、今、判決要旨をメールで仲間に知らせるために判決文を読み返したら、またまた怒りが沸き起こって来て、カーッと血圧があがってしまいました。

心を落ち着かせて、住民訴訟の控訴理由書に取り掛からなければなりません。その前に、散らばったり山積みになっている膨大な紙類を整理しなければ・・・ああ、どうでもいいけど、とにかく整理整頓の上手な人になりたい!
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by lumokurago | 2008-02-13 21:34 | 安倍裁判

憲法判断をしない最高裁=存在価値なし

昨日、最高裁から安倍裁判の裁判官忌避の決定が送られてきました。わかっていたとはいえ、住民訴訟の時と一言一句違いなし、苦労して書いた理由書は何の意味があったのか?

理由書も読まず、審理せずに、決定を出したと思います。最高裁って独自の判断はしないものだから、ほとんどの事件に対して同じ文書(決定)なんじゃないかな?! これはおそらく当たってると思います。自信あります。

なぜならば、最高裁に特別抗告する理由書には憲法違反を書かなければならないけれど、最高裁は憲法裁判所ではないという位置づけなので、憲法判断をしないからです。この矛盾はなに? 最高裁はいったいなんのためにあるのか?! つまり地裁、高裁など下級裁判所を見張るため以外の何ものでもないと言わざるを得ません。
憲法を守るべき裁判所が憲法判断をしない。だから憲法違反の法律がまかり通っていて、止められない。これでは民主主義とは言えません。そしてそれを変える術もないのです。

空しくなって、腰も痛くて、昨日今日とへこんでた。

で、迷ったけど、水俣フォーラム主催の中村桂子さんの講演会に行って、私と同じ考えだったので、「こんな人がもう一人いたのか」と、超嬉しかったのです。だって、あまりにも少数派なんだもんね。

喜怒哀楽の激しすぎる私はいろんなところで物議をかもしだしているけれど、それも生まれつき感受性が敏感すぎるので仕方ないとあきらめています。
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by lumokurago | 2007-12-15 00:49 | 安倍裁判

安倍裁判・裁判官忌避事件特別抗告理由書

特別抗告提起事件番号 平成19年(ラク)第569号 
(原審・東京地方裁判所平成19年(モ)第2507号[基本事件・平成18年(ワ)第20396号]

特 別 抗 告 申 立 理 由 書

最 高 裁 判 所 御 中

抗 告 人 選定当事者  渡 辺 容 子

2007年10月28日



一、原決定は次のようなものである。

『裁判長裁判官松井秀隆の訴訟指揮や法廷警察権の行使を論難するにすぎないものであるから、民事訴訟法24条1項の定める忌避事由には当たらないというべきである』

二、決定は、本件忌避理由はいずれも訴訟指揮や法廷警察権の行使に対する不満を述べているものにすぎないというものである。

三、決定は、憲法32条 「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」に違反する。

基本事件被告安倍晋三は「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」事務局長として、文科省教科書課、文科大臣、内閣外政審議室、教科書会社、歴史研究者などに圧力をかけ、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版歴史教科書を教科書検定に合格させ、採択を推進させる活動を行ってきた。

被告自由民主党は、挙党体制で自民党地方議員に働きかけ、同教科書の採択を推進した。被告らは憲法および関連法規を率先して遵守すべき立場にありながら、準備書面で述べた不法行為をあえて敢行したものである。これは日本国を戦前の国家主義教育に戻し、子どもたちを戦争に連れていくことにつながる国家犯罪であり、懲罰的損害賠償が相当と認められるものである。また、被告らの行為は憲法、教育基本法など関連法規に違反する不法行為であり、抗告人らは世界の歴史研究者の間で定説とされている歴史観をねじまげられ、子どもたちの未来に暗澹たる思いを抱かざるを得ないなどの甚大なる精神的損害を被った。

抗告人らはこのような国家犯罪を看過しておれば、子どもたちが外国の子どもたちを殺し、自らも殺されるようになることを確信し、どうしてもそうさせてはいけないという強い思いで、この裁判を提訴した。主権者には裁判を受ける権利が憲法で保障されているのであって、公正な裁判を求め、弁護士もなしに主権者自らが資料集めから準備書面の作成まで、全てを主権者の手で行ったものである。

抗告人らは24通の準備書面と28の甲号証によって、被告らの不法行為を主張・立証したが、被告は間違いだらけのなんら内容のない準備書面2通しか出さなかった。証拠はゼロである。抗告人らは松井秀隆裁判長に被告に対し、まともな反論を行うよう命令することを求めたが、松井裁判長はそれを無視して、聞こえない声で結審した。仮にも裁判官たるもの、これが主権者であり憲法で裁判を受ける権利を保障された国民に対する態度であろうか。

裁判所は、「訴訟指揮は忌避の理由にならない」と繰り返し主張しているが、このような不公平極まりない行政の奴隷のような裁判官の訴訟指揮を放置しておいては、国民はいつまでたっても憲法で保障された裁判を受ける権利を手に入れることができない。つまり裁判所は自ら憲法に違反し、国民の裁判を受ける権利を奪っているに等しい。裁判所に良心が少しでも残っているならば、国民の裁判を受ける権利とは何なのか、その中身を考えてもらいたい。行政の奴隷となって行政の不正に加担し、国民の訴えに対して公正に裁判を行うことができない裁判所はすでにその存在価値がないばかりか、むしろ国民に対して悪を行っていると言える。

このように被告(行政)に癒着し、国民の権利をないがしろにする裁判官の訴訟指揮を黙認することは、国民の裁判を受ける権利を奪い、憲法32条 「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」に違反する。

よって、原決定の破棄差し戻しを求める。

以上
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by lumokurago | 2007-10-29 23:14 | 安倍裁判

安倍裁判・書記官忌避即時抗告

安倍裁判では書記官2名も忌避しました。説明を求める私たちに、裁判所職員が「民事43部書記官室で説明する」と言ったのに、43部に行ったら、担当書記官はすぐそこに座っているのに対応せず、法廷にいなかった年配の書記官が対応し、「自分はいなかったからわからない」などとのたまったためです。

忌避申立事件の決定はもちろん却下。その理由が「疎明資料(証拠のこと)を提出しない」
だったので、怒り心頭! 裁判所が証拠隠滅、ではなくもともと証拠を残さない卑怯かつ姑息な戦法を使っているからです。

日本の裁判所がいかにひどいかが、ここでもまた明らかにされました。
(うんざり!)

平成19年(モ)第2120号 裁判官に対する忌避の申立事件
抗 告 理 由 書

2007年8月  日

東 京 高 等 裁 判 所 御 中

                記
一、原決定は、

「申立人は、本件申立てをした平成19年7月10日から現在までの間、本件裁判所書記官らの忌避の原因(本件裁判所書記官らについて裁判の公正を妨げるべき事情が存在すること)について、疎明資料を何ら提出しない」との理由から、却下するというものである。

二、疎明資料を残さなかったのは裁判所である
 
申立人を含む原告らは、口頭弁論のたびに松井英隆裁判長に口頭弁論を録音するよう求めてきたが拒否された。よって疎明資料は裁判所自らの責任によって残されていないのである。また、書記官は口頭弁論の記録の要点をもらさずに口頭弁論調書に記載すべきであるが、中村宏一書記官はメモも取っていないのか、口頭弁論の内容をなんら記載していない。これはこのように口頭弁論で一体何があったのかが問題となる時のために、恣意的に何も記載しないことが疑われるのである。

つまり裁判所は口頭弁論の内容が問題となる時(例えば忌避申立事件)のために、証拠を残さず、更に言えば証拠隠滅を図っていると言っても過言ではないのである。

三、原告による疎明資料

裁判所が疎明資料を残していない以上、原告による疎明資料を提出するしかない。次の文書を疎明資料として提出する。

1、準備書面(24)第三回口頭弁論調書に対する異議申立

ここに第3回口頭弁論の内容を詳しく記載した。

2、準備書面(24)に記載した内容が真実であることを証言する傍聴人の署名

これは、第3回口頭弁論を傍聴した傍聴人の中で連絡先のわかる方に、準備書面(24)を読んでいただき、署名していただいたものである。連絡先のわからない方がほとんどなので、署名は多くはないが、口頭弁論の内容が準備書面(24)の通りであることを証言していただいた。

3、本事件第3回口頭弁論の法廷が開廷表に載っていなかったことを証言する人の署名

一人は傍聴人であり、もう一人は法廷がわからずやむを得ず帰宅した人である。

裁判所として口頭弁論を録音し口頭弁論調書にきちんと内容を記載し、証拠を残していれば、原告がこんな手間をかける必要もなかった。すべては裁判所の怠慢であるので厳しく追及するものである。

結語

裁判所が口頭弁論の記録をまともに取っていないことを重々知りながら、疎明資料を提出しなかったことを理由に本件を却下するなど、裁判官として恥ずかしくはないのだろうか。裁判官という以前に人間としての良識を疑わざるを得ない。

本件抗告申立を担当する裁判官に良識と良心が残っていることを期待し、本件抗告理由の結びとする。

以上
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by lumokurago | 2007-08-05 21:42 | 安倍裁判