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友人の小説より

 先日紹介した、友人が書いた小説は中学生の物語。主人公の中学生が弁論大会でしゃべった内容を載せさせていただきます。私はこの内容が唐突だと言ったのですが、友人曰く「渡辺さんが喜ぶと思った」。(注:この友人はこのブログは全く見ていません。郵送版「暗川」の読者でした。つまり私は昔から同じことばかり言い続けてきたということですね)。

*****

 「まずは、大人は北海道にトンネルを掘りました。そして、四国には3本も橋をかけました。日本じゅう道路だらけにしたのに、飛行場もいっぱい作りました。川も海もコンクリートで固め、いろんな建物もいっぱい作りました。まるでがまんを知らない子どものように欲しいものを片っぱしから手に入れました。

 はっきり言って、やりすぎです。ぼくたちの分もぼくたちの子どもの分も、たぶん次の子どもたちの分も作ってしまいました。だから、ぼくたちがこの国で作る物は、もうありません。

 ぼくたちだって、自分たちにとって本当に必要なものは、自分たちの手で作りたかった。でも、もうそれはできません。大人たちが借金をいっぱい作ったからです。それも自分たちが生きている間には返せないほどのばく大な借金です。はじめから自分たちで返す気はないのです。

 では、その借金は、誰が払うのか。当然ぼくたちも払わなければならない。でも、ぼくたちでは払いきれない。つまり、まだ生まれてもきていない子どもたちに、借金を押し付けているんだ。なんてひどい話だ。

 少子化対策なんて、聞いてあきれる。自分たちの作った借金を返させ、自分たちの老後のめんどうを見させるために子どもが必要なだけだ。

 こんなに借金があるのに、まだ借金を勧める学者もいる。ぼくたちが一生かかっても勉強できないような屁理屈を次から次へと考えだして。でも、どんなに屁理屈を並べても、自分が返せない借金をしていいわけがない。

 この国は、そんな風にめいっぱい背伸びして経済大国になった。小さい国なのに、大国の仲間入りして、すっかり自分自身を見失っている。その昔、この国は軍事大国だった。そのときも、めいっぱい背伸びして大国になって、自分自身を見失った。

 今、この国は軍事力を経済力に変えただけで、同じことをくり返している。だから、このまま行けば、同じ運命をたどるだろう。この国が借金を返せなくなったとき、この国は一発の爆弾も落とされずに廃墟になる。そのとき、大人たちは墓の中で知らんぷりだ。
 
 この国はもともと小さい国だ。大国になんかならなくていい。小さい国は小さいなりの生き方をしらたいいんだ。それは今よりもずっと貧しい生活になるだろう。でも、それがこの国の実力だ。身の丈に合った生活だ。

 だからといって、不幸になるとぼくは思わない。かえって、その方が幸せになれるだろう。だいたいこの国のどこに幸せな人がいるのか。みんな口をひらけば、楽して金もうけのことばかりだ。とても幸せそうには見えない。

 ほかの国には頼らない。他の国には迷惑をかけない。自分のことは、できる限り自分でする。これは大人たちがぼくたちによく言っていることだ。金もうけをすることばかり考えているから、大事なことを忘れている。

 この国だけではない。今、世界のどの国も借金だらけだ。大きい国も小さい国も。だから、世界がこのままの状態で続くわけがない。世界の国々が競争をやめなければ、本当の平和は訪れない。だから、この国は世界の流れから抜けて、独自の道を行かなければならない。そして、手本になるんだ。

 大人たちも世の中を変えようとか、もっとよくしようとか言っている。でも、大人の言う世の中とは、自分以外のことだ。自分は変えたくない。自分は今のままの生活を守りたい。みんながみんな、そんなことを考えているんだから、世の中が変わるわけがない。

 だから、まだ大人になっていないみんなに言いたい。自分のことは自分の頭で考えよう。大人の言うことを聞いちゃいけない。大人の真似をしてもいけない。政治家や学者や役人だけのことを言ってるんじゃない。ぼくたちの回りで偉そうにしている大人のことだ。
 
 ぼくらが学ぶことは教科書の中のことだけで充分だ。決して生き方や考え方を学んではいけない」

*****

 ここで「いいかげんにしろ」と校長先生が怒鳴り、弁論は中断されました。

 この友人も20年前から同じことを言い続けているんです。昔「暗川」に原稿を寄せてくれた時と同じことを。

by lumokurago | 2009-05-30 21:10 | 社会(society)
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