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理学療法士が見た障害児療育の現場(上)

理学療法士が見た障害児療育の現場(上) 

 私は学童クラブの仕事で長く障害児と関わってきました。そこで今回は、東京都内のリハビリテーション専門学校で教えていらっしゃる理学療法士(※)のK.Nさん(女性・66歳)に、専門的な場での障害児とのかかわりについてお話をうかがいました。インタビューを行ったのは5月21日です。
※理学療法士:主に運動を中心とした運動療法などで、歩行、身体持久力など身体機能を改善させる治療をする。(筆者注)

Q:まずお仕事の概要についてお話して下さい。
A:私は東京都N区の障害者福祉センターに20年近く勤め、学校に上がる前の発達障害の子どもたちの療育に携わってきました。センターには職員として保育士、臨床心理士、理学療法士がいます。子どもたちは学校に行くようになると養護学校(今は特別支援学校)に行きます。

Q:私の住む杉並区はこども発達センターを売り物にしてますけど、N区の方がもっと昔からやってたんですね。毎週決まったプログラムがあって、その子がそこに行くという?
A:そうです。

Q:週何回ぐらいですか?
A:肢体不自由で重度の子はなかなか保育園で受け入れてくれないので、4、5歳になると親から離れた集団での時間を持てるようにした方がいいということで、週に3~4回です。

Q:その間お母さんはいなくてもいいんですか?
A:そう。預けていけばいいの。それにデイサービスに通うことである程度他の方と交流できたり、親自身も成長していける。

Q:そりゃあ助かりますね。
A:でも連れてくるのは親で、帰りも親が迎えに来ます。区によっては通園バスがあって送り迎えしてくれるところもあります。

Q:重度でなければ保育園でも受け入れているんですか?
A:N区の場合は、母親の会と保健師さんが一緒に活動して、ほとんどの公立保育園で障害児を受け入れることがずっと前からできていました。障害によって違うけれども、保健所でやる1歳半とか3歳児検診で発達の遅れなどがわかります。それから保育園で受け入れたり、センターに来ます。

Q:保育園で受け入れてくれるというのは親が働いていなくても、障害を持っているということで受け入れてくれる? 集団の場を提供するということで?
A:そうです。

Q: そりゃすごい。杉並の場合、働いてないとだめですよ。
A:今は厳しくなってるかもしれません。

Q:ずっと昔からあったのですか? 養護学校義務化の頃?
A:養護学校義務化は昭和でいうと54、5年でしょ?

Q:確か54年。1979年です。
A:私がN区に行ったのは1980年で、その時すでにありました。

Q:当時大阪の枚方市や東大阪市で統合教育が盛んでしたね。今はどうなっているかわかりませんが・・・。あの頃は、行政側も今よりは熱心というか、聞く耳があったかもしれないですね。
A:予算的にも今より配慮があったかもしれないね。上がり調子で収入も増えていく時代だったからね。今は保育園も民営化してるからどうかしら。
あと福祉園といって、養護学校を卒業した大人のための通所の場所、それも民営化。

Q:杉並も同じです。民営化してしまうと実態がわかりませんよね。私は学童クラブの職員だったんですけど、学童クラブも毎年何ヶ所かずつ民営化されています。それが全部違う委託先だし、実態がどうなのか把握できませんが、労働条件が悪いので、職員が定着しないようです。

障害を持った子どもを育てるのは大変

Q:障害を持ったお子さんとかお母さん方とつきあっていて、一番思うことは何ですか?
A:母親は大変だなあと思う。本当に肢体不自由の、要するに寝たきりの子どもを抱えているお母さんは24時間、子どもの面倒をみなきゃいけない。食事を作って、食べさせて、おしめを換えて、場合によっては呼吸困難の手当をしたり、四六時中見てなくちゃいけない。

Q:普通の人というのは障害を持ったお子さんのこととか全然見えないし、親御さんのことも何も知らない。私はまあ学童クラブの職員だったから、もっと軽い子ですけど少しは知ってるけど、普通の人は何も知らない。
A:知らずに済んじゃう人がほとんどね。

Q:そこまで重度だとお母さんは働けないでしょ。
A:うん。ある意味、働かなくてもとりあえず生活できる人が来ていた。N区の場合、割と生活が安定している家庭が多いのかなと思う。
 施設に預けて働いている人もいると思う。重度の子どもを預ける施設があるから、生活が大変な、家庭で育てられない子どもはそういうところに行ってるんでしょうね。最近は施設ではなくて家庭で育てるというふうにはなってきていると思います。

Q:介護保険みたいなサービスはあるんですか? 子どもでも。
A:それはありますね。東京都でやっています。

Q:それはやっぱり老人と同じに在宅の方向に向かっているんですか? 東京都とか国の方針は。
A:どうなんだろう。国の方針としてはどうやってるのかわからないけど、親がどっちかを選択するわけで、そういう傾向にはあるんじゃないかな。経済的に恵まれている人なら、お金を出せばある程度そういうサービスを受けられる。ヘルパー派遣とかあります。でも、在宅で育てる方が親としては大変かもしれません。卒業して社会に出て働くということを考えると・・・。重度の子の母親というのはある時点で、この子の将来はこうだというのがある程度見えているから、それなりに計画を立てられるけれども、軽度の場合は、もう少しできるんじゃないかと思って期待したりする分、むずかしい。でも、社会に出る時点で就職が難しいので結局、デイサービスに行く人が多い。N区には福祉園7園、作業所4か所があります。

Q:それはまだ直営でやってるんですか? 
A:今のところはね。

Q:杉並ではもう半分は委託されてしまいました。それに数もそんなにないですよ。うちの近所に民間でやっている通所施設があったけど、自立支援法の後、つぶれてしまいました。
A:重度の子どもは、職員は医療行為ができないから、お母さんがついていなくちゃいけない。

Q:あれはおかしいですよね。老人もそれは同じ。いつからかヘルパーは痰の吸引とかできなくなった。家族ができるのにヘルパーができないのはおかしい。
 私の学童クラブで、人工肛門の子どもを預かったことがあって、パウチの交換は医療行為だから、職員はできないと言われたけど、交換の度に親を呼び出していたら親があまりにも大変で預けている意味がないから、職員でやるって上司に言ったんです。そしたら何も言われなかった。パウチの交換なんて命にかかわることでもないし、職員ができないのはおかしい。

(つづく)

by lumokurago | 2009-06-20 20:53 | JANJAN記事
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