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Dr.Aとのメールより その24

 今回は「不穏な話題」が多いため、肝心な部分を載せられません。ごめんなさい。ネットの限界ですね。これで去年の分を終わります。しばらくの間、お休みします。再開をお楽しみに。


渡辺より  12.27

 今日ももう暗くなってきました。午後昼寝したので1日があっというまに過ぎていきます。

 「昭和史」をお読みになったんですね。最後に「こぼれ話」として「ノモンハン事件から学ぶもの」という節がついているので、そこが印象に残っているのだと思います。その通りですから、先生の脳は充分大丈夫ですよ。私などこんな大部の本、ノモンハン事件のことなど忘れてしまって、全体の雰囲気しか覚えていられないと思います。

 この節の最初に、朝日新聞「声」の欄からの引用があります。

 経済企画庁がまとめた1998年版の『経済の回顧と課題』の「バブル崩壊後の10年間」を解析した箇所で、不良債権の処理の流れは<「起きると困ることは起きないことにする」という意識が官民双方に強かった結果>でもあったと断じた。「敗北(失敗)を率直に認めないことが、さらなる敗北(失敗)の原因になった」との指摘もある。この2点が『ノモンハンの夏』(半藤著)の内容と重なり合う。日本人は幻想、独善、泥縄的な発想から抜け出ていないのではないか。

 ということです。ため息がでます。(中略)

 Y村のこと、残念です。先生を引き継いだお医者さんもまともな人みたいでしたが(どこかでみました)、やっぱりだめになってしまったんですね。共産党も自民党も頭が固くてだめですね。常識にとらわれずなんでもありで自由に発想することからおもしろい試みが生まれると思います。

 ふるさと創生1億円のとき、福島県の飯館村ではそのお金で女性に海外旅行をさせたんですよ。常識にとらわれることの少ない女性を海外に送り、村にとっておもしろい発想をもってかえってきてもらおうということだったのでしょう。出版社の取材に同行したことがあります。本にはなりませんでしたが。へそ公園(注:ふるさと創生1億円でY村の議員が思いついたこと)とぜんぜん違うでしょ。議員が頭の固いお年寄りではどうしようもありませんね。

 
Dr.Aより  12.27

 こんばんは。日本という国がだめなのは、国民主権といいつつ、それが確立されていないからでしょうか。半藤さんは的確に問題点を明らかにしていますが、戦争責任については一言も語っていません。(中略)しかし、この点が最大の問題だと思います。これを言ってくれる作家が出て欲しいですね。伊佐さん(注:伊佐千尋さん)が戦後史を書こうとしているようですが、原文を見せてもらいましたが弱いです。ハッパをかけたのですが、文藝春秋あたりからは否定的反応が出ているらしいです。もう失うものはないでしょうから、ぜひ書いてほしいと思っています。だけど、本屋が出版してくれないとね。それと、正確な日本史を国民に示す歴史家が出てほしいですね。偶然私と同じ苗字ですが、網野善彦さんのような。

 忘年会が続きます。今日は、赤塚クラブという施設の会でした。適度に酔っています。

 バブル経済は国が引き起こし、幕引きに失敗しています。そして、国民に付けを回しています。民主主義が機能しているのなら、しかたがないけれど、権力は一部の支配層が握っている。彼らは国民のことは考えていないようです。当然、責任はとらないのですね。

 Y村にはもう期待できないですね。今の医者は、私が辞めて3代目になります。やる気なしということです。(中略)こういうわけで、万事休すになりました。部外者の私には関係無いことかしら。検診も乳がんと子宮がんは再開したようです。馬鹿だなとは思いますが、おそらくフェミニズムとS病院、共産主義、このあたりの突き上げに負けているのでしょう。医者も、きちんと理論化していないと安易な方に行っちゃいます。私とは違った方向を目指したくもなるでしょうし。真実から遠ざかって行くようです。仕方なし。ビールを飲みます。


渡辺より  12.28

 今日もまっくらです。今日は次の本のために何か書こうと思って、つらつらと考えているうちに、Dr.K論みたいになってきました。2000年ころは近藤先生が超超忙しく、何時間待ちの3分診療だったので、よけいな話はみんな手紙に書いていました。そのとき、Dr.K論を書きますと書いた覚えがあります。結局書けなかったのですが、いま、それをやっているみたいになってきました。医療信仰について書くつもりだったのにそっちに脱線してしまいました。
 
 (中略)

 Y村のお話、近藤先生も結局多数派に負けてしまうというようなことをおっしゃっていましたが同じですね。多数派に負けないためにはおっしゃるようにきちんと理論武装していなければだめですね。ふらふらしていたらあっという間にもとのもくあみになってしまいます。(中略)逆にいえば網野先生がどれだけがんばっていたかが照らし出されます。もったいないですね。


Dr.Aより 12.28
 
 こんばんは。Dr.K論は面白いと思います。生い立ちから始めて、なぜ出世コースを外れたのか、なぜ現代医療に対峙できたのかとか、いろいろ面白い視点がありそうですね。その前に今の問題を本にしましょう。頑張ってください。

 (中略)今、行ってほしいことは日本史から虚構を取り払って、国民に真実を明らかにすることです。そして、大統領制に移行してほしいですね。封建時代じゃないのですから。


渡辺より 12.29

 こんばんは。昼寝から起きたらまた暗くなってしまいました。

 近藤先生は自伝を書いています。『大学病院が患者を殺すとき』(これは文庫。前身は『なぜぼくはがん治療医になったのか』)。あのころ、乳がん患者がたくさん押し寄せていたので、先生のことを知りたいみんなのために書いてくれたと思います。近藤先生自身も 気に入っている本だそうなので、ぜひお読みになってみてください。出世のことについては、このあいだインタビューのときに、(奥さまには内緒だけど)、もともとまったく欲がなく、学生のころは就職もせず髪結いの亭主になって、ただただ本を読んで暮らしたいと思っていたとおっしゃっていました。根っからの勉強好きでしょう。

 (中略)私は勉強不足で網野義彦さんも読んだことがありません。何か推薦本があったら、教えてください。『自由からの逃走』は少しずつ読んでいます。大昔読んだはずなのに、まったく覚えておらず「こんな本だったのか」という感じ。訳者の日高六郎さんの『戦後思想を考える』を座右の書にしていました。

 
Dr.Aより  12.29

 こんばんは。読んでいませんが、近藤先生の自伝的著作の存在は知っていました。書く必要があったのだろうと思っていました。第三者が書くと、また違った面白い本ができるので、挑戦してみてはいかがですか。

 日本史はもう少し真実に近づけないと、学問から離れてしまいます。(中略)網野善彦は左翼の歴史学者であると知って解説本など読みましたが、推薦出来るほど詳しくありません。一般に勧められる、「日本の歴史をよみなおす」(筑摩書房)が良いように思います。(中略)

 今日はふるさと出身者の忘年会で、今年最後の飲み会でした。アルコールは止められ、つまらない歳の終わりを過ごしてしまいました。脳がやられても、やはりアルコールは必要ですね。年末年始は動かずにいます。


渡辺より  12.30

 また「こんばんは」の時間です。大掃除も料理もできないので、せめてベッドの横の棚(なんでも手の届くところにある)を片づけました。人間、最低限の物でこれだけシンプルに暮らせるという見本です。洋服もタンスに入れず、棚に積んであるだけで間に合っています(ほとんどでかけないせいもある)。

 先生のおかげで今年はいろいろと勉強できました。本もたくさん読みました。こんなふうに再度いろいろな本を読むとは思っていなかったので、新しい発見でした。家にある本を処分するまえに読み返すことしかやっていなかったのです。もっと生きていたい気持ちになれました。

 さっそく、本を注文しておきました。いまはネットがあるので絶版になった古い本を探すのがとても便利ですね。むかしは古本屋めぐりをしたものです。ほんとうは地元の本屋さん(空いた棚もあり、ベストセラーもあまり回してもらえないみたい、いつまでやっていけるのか?)を応援しているのですが、行くのが大変なのでどうしてもネットで買うことになってしまいます。でも私の病気を心配してくれているので、たまに顔をだしています。

 私もアルコールを止めていましたが、おかげさまでビールを飲むようになりました。350mlで眠くなってしまうのですが、おいしいですね。私は忘年会もなく、季節らしいことがなにもない年末です。

 
Dr.Aより  12.30

 こんばんは。今年は、いろいろ変化に富んだ、面白いような厳しいような年でした。おかげで、がむしゃらに仕事をすることはなくなり、夏以降はのんびりと過ごせています。そのなかで渡辺さんと往復メールを続けることができました。今では、これが唯一の楽しみとなりました。心より感謝申し上げます。後は、宝くじが当たるかどうかですね。

 スキーにいけるかどうかも楽しみです。決断できるかどうかですが。ビールが意外においしい酒であることに気づいたこともよかったです。来年も、この調子を続けて行けたら嬉しいですね。自然に生きていくことに活路を見出したいと思っています。ではまた、来年。

渡辺より  12.30

 (前略)先生にとっては転機の年でしたね。あとから振り返っていい意味での転機となりますように。私にとっては「余命1年」がはずれ、「奇跡」といってもいいような穏やかな時を過ごすことができました。本をつくり、母を看取り、野良猫の動向に一喜一憂し・・・ありがたいことですが、これも私にとっては「自然」なことで「奇跡」と言うほどおおげさなものではありません。来年もいつどうなるかわかりませんが、淡々と生きていければいいなと思っています。私の看取りをくれぐれもよろしくお願いします。

P.S. 慶応に車で連れて行ってくれる夫婦(教え子の親)の妻のほうは偶然私より数年早い近藤先生の患者なのですが、放射線科の扉をくぐるときに「ここには来たくないなあ」と言っていました。私は転移してるのに行くのが楽しみなのです。近藤先生の患者ではありませんが「病院から帰ってくるたびに落ち込む」という人もいました。それも私にとっては不思議です。私は近藤先生と野良猫の話をして、笑いながら退室するので。信頼できるお医者さんにかかっていることを心から幸せに思っています。網野先生も同じです。ありがとうございます。でも、自分でみつけたんだもんね。

*****

 読み返してのひとり言・・・私ってほんとに幸せな患者だなあ。というよりも幸せな人間だなあ。好きな人がたくさんいて、お医者さんも大好きで。(むかしから私を知っている人にはとてもよくわかるセリフだと思います)。

by lumokurago | 2011-03-10 19:47 | Dr.Aとの往復メール
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