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子宮頸がんの標準治療

子宮頸がんの標準治療について書きます。検索で探す人のために詳しく書いておきます。(0期のがんは自然に消えることも多いのですぐに治療することは勧められません)。また、日本の医療について興味のある方もどうぞ最後までお読みください。

今日は近藤誠医師の診察日。放射線と同時に行った方が成績がよいと婦人科で説明された抗がん剤について聞きました。



近藤医師:抗がん剤については疑問があるが、世間では一緒に使うことが多い。今までに報告されたランダム化試験(無作為比較試験)は5つあって、効果ありが4つ、1つは(放射線単独と)変わりなしという結果。選挙とすれば多数決だが、論理学的に考えれば1つ変わりないという結果が出ているならば、証明されていないという結論になる。医師の考えも2派に分かれる。(放射線単独と抗がん剤同時治療に)差が出たのは、放射線のやり方がよくないという見方もある。

質問:婦人科医に聞いたら、1割から2割成績がよくなったと言っていましたが?

近藤医師:今まで70%の生存率だったものが2割よくなったとすれば90%となる。そんなことはあり得ないから、最大1割だろう。70%が80%になったということだ。別の見方をすれば10人中一人が恩恵を受け、9人は(抗がん剤で副作用だけ被り)損してるという見方もできる。

質問:抗がん剤で障害が出る場合は?

近藤医師:抗がん剤で障害が出るというのは量による。抗がん剤の使い方にはいろいろあり、慣れているのを使っている。放射線と一緒にドカーンとやるやり方もあれば、少量を毎日やる方法もある。最初に抗がん剤だけやるのは意味ない。同時にやる日を作る必要がある。運が悪ければ腎臓に障害が出る場合がある。

質問:ここで治療するとなれば近藤先生が担当してくださるのですか?

近藤医師:ぼくはもう治療はやってない。金曜日のK医師になる。あとは自分で決めて。質問があればまたいつでもおいで。

(余談:私は近藤医師の乳がんの患者なので、「ずいぶん久しぶりだね、元気?」と聞かれたので、「腋の下にあるのですが、様子を見ています」と答えました。また「婦人科で放射線を勧めたの?」と聞かれたので、「それは放射線科も受診することを最初から言ってたからかも」と答えたら、「婦人科は今でもなにかと言っては切りたがるんだよ」とおっしゃっていました! みなさん、注意しましょう)。

次に、婦人科へ行きました。この間と同じK医師です。K医師は日本婦人科腫瘍学会の治療ガイドラインや私がお願いした論文のコピーを用意してくださっていて、この間よりずっとわかりやすく説明してくれました。

K医師の説明:2期で4センチを超える扁平上皮がんです。この程度の子宮頸がんの治療は、今までは手術プラス放射線でした。日本人は手先が器用なので、手術の手技が進んでいたのです。ところがアメリカ人は手術が下手なので、文化が違うのです。それで手術以外の治療法を探していて、最近になって、放射線治療と同等とわかってきました。(注:これはウソです。近藤医師によれば1960年代にすでに手術と放射線が同等だと教科書に書いてあったそうです)。

手術のメリットは病巣を完全に取り除けることで、デメリットは尿の出をつかさどる神経を痛めてしまうため、オシッコの出が悪くなって苦労することです。また、手術すると切除したがんの組織などを検査できるため、再発リスク因子がわかり、追加治療を考えるのに役立ちます。ただ、手術に放射線治療を加えると、腸閉そくを起こしたり手術だけでは1割ほどに出るだけの足のむくみの起こる可能性が非常に高くなります。手術は伝統的に行われており、効果はよくわかっています。

それに対して放射線治療はじわじわ効いていくので、すぐに消えなくても治療後何か月か経ってがんが消える人もいます。手術しなくていいのは後遺症の点から大変なメリットです。ただ、放射線で100%治せないと、次がむずかしくなります。

そして論文も少し説明してくれて、グラフを見せてくれました。それによれば放射線と同時に抗がん剤を行うことで、やはり近藤医師がおっしゃっていたように、70%が80%に改善されたということでした。

その後、婦人科の部長(教授)の診察がありました。内診後、K医師の話を確認するお話がありました。ここで卵巣はだめになると初めて言われました。(=閉経してしまうという意味です)。

それからもう一度K医師のお話があり、最終的に最初から手術ではなく放射線プラス抗がん剤はどうかと勧められました。手術だとがんが大きいので後遺症が残らないと保障することはできないとのことでした。

彼女は一応ここで治療をすることを決め、金曜日にまたまた放射線科の担当医になる人の診察を受け(近藤医師の部下なので他の病院よりは私は安心です)、またまた婦人科にも寄ることになりました。入院の申し込みも済ませました。

これが子宮頸がんの標準治療です。

by lumokurago | 2008-02-06 23:26 | 医療
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